第5章「絆の芽生え」- 失敗から学び、仲間との絆を深め成長する

ワイ、リナ、ミオの三人は、前回のモンスター討伐に成功した。だが、喜びもつかの間、新たな問題が発生する。

ワイ「なんやコラ!こないだの報酬、全然話が違うやんけ!」

ギルドマスター「申し訳ありません…。依頼主が報酬を踏み倒したようなのです…」

リナ「えぇ…!?そんな、ひどい…!」

ミオ「ふざけないわよ!私たち命がけで戦ったのに!」

怒り心頭のワイたち。しかし、マスターも事情を知らないという。

ワイ「ちっ、もう二度とこんなギルドには頼まんわ!」


報酬なしでギルドを後にするワイたち。街中をとぼとぼと歩く。

リナ「ワイさん…ごめんね。私、君を信じきれてなかった…」

ミオ「私も…反省してる。ワイの判断を疑ったりして…」

ワイ「…ワイも悪かったわ。お前らの意見も聞かずに、一人で突っ走ってもうた」

三人は沈痛な面持ちで、互いを見つめ合う。

ワイ(クソッ…ワイ、なんちゅうヘマしたんや…)

自分の未熟さを痛感するワイ。だが、そこで力尽きるわけにはいかない。


ワイ「よっしゃ、めげとる場合やない!次の依頼探したるで!」

リナ「ワイさん…」

ミオ「どうするつもり…?」

ワイは意を決して言う。

ワイ「今度こそ、お前らの意見もちゃんと聞いて判断するわ。一緒にがんばろな!」

その言葉に、リナとミオの表情が明るくなる。

リナ「…うん!ワイさんについていくよ!」

ミオ「ええ、三人で力を合わせましょう!」


意気揚々と次の依頼を探すワイたち。だが、どの依頼もリスクが高く、報酬が見合わない。

ワイ「ったく、ろくな依頼ないのかいな!」

リナ「で、でも…このままじゃ生活できない…」

ミオ「そうね…でも、無理して危険な依頼を受けるのは…」

ワイたちは頭を抱える。先行きの不安が募る。


そんな時、一人の少女が声をかけてくる。

少女「あの…あなたたち、冒険者ですよね?」

ワイ「あぁ?なんやガキ、ワイらに何か用か?」

少女「ひ、酷い言い方…。私、エリーゼっていうの。お願いがあるの!」

エリーゼというその少女は、山奥の村の出身らしい。

エリーゼ「うちの村、魔物の被害に悩まされてるの。どうか、助けて欲しいの!」

リナ「魔物…?それって、どんなのなの?」

エリーゼ「すごく強くて…村人が何人も殺されちゃった…」

ワイたちはその話を聞いて愕然とする。

ミオ「それは…大変ね。でも、報酬はどうするつもり…?」

エリーゼ「お金はないけど…村の特産品をたくさんあげる!だから、お願い!」


ワイたちは顔を見合わせる。金銭的な報酬はないが、見過ごすわけにはいかない。

ワイ「…ほな、引き受けたるわ。ワイらに任せとき」

エリーゼ「本当!?ありがとうございます!」

リナ「ちょ、ちょっとワイさん!そんな簡単に…」

ミオ「そうよ。村の特産品だけで大丈夫なの?」

ワイ「金だけが全てやない。人助けするのも冒険者の仕事や」

ワイの言葉に、二人は感銘を受ける。

リナ「ワイさん…かっこいい…!私も付いていくわ!」

ミオ「ふふ、男らしいわね。私も黙ってられないわ」

こうしてワイたちは、エリーゼの村へ向かうことになった。


道中、ワイたちはエリーゼから村の様子を聞く。

エリーゼ「村は谷間の奥地にあるの。魔物が現れるまでは、平和だったのに…」

ワイ「そんな村に、よくお前一人で助けを求めに来れたな」

エリーゼ「だって、みんな怖がって誰も行こうとしないんだもん…」

リナ「エリーゼちゃん、勇気あるのね。えらいわ」

ミオ「でも、無茶はだめよ。命あってこそだからね」

エリーゼ「み、みなさん…ありがとうございます…!」

エリーゼは涙を浮かべて微笑む。ワイたちもつられて笑顔になる。


村が近づいたその時、ドスの利いた声が響く。

???「アハハハハ!村の財宝は全部いただくぜ!」

エリーゼ「あ、あれは…山賊のガロック!」

ワイ「なんやと?ちょうどええわ、ワイが相手したる!」

ワイは迷わず立ちはだかる。ガロックは傍若無人に笑う。

ガロック「ガキが何人来ようと、俺様の敵ではないわ!」

ワイ「ほざいとるんじゃねーぞ、このハゲ頭が!」

ガロック「な、なんだとコラ!誰がハゲやぁ!」

ワイの挑発に、ガロックは怒りで我を忘れる。

ガロック「コラァ!てめぇ、覚えてろよ!」

ワイ「来いや!ワイが相手になったるわ!」


ガロックは手下を引き連れ、ワイに襲いかかる。

リナ「ワイさん!」

ミオ「助太刀するわ!」

しかし、ワイはニヤリと笑う。

ワイ「お前らは引っ込んどれ。ワイ一人で十分や」

ワイは燃える闘志を瞳に宿し、ガロックに立ち向かう。

ワイ「喰らえ!煽りパーンチ!」

渾身の一撃がガロックの面門を捉える。

ガロック「ぐはっ!な、なんちゅうパンチや…!」

ワイ「まだまだ終わらんで!煽り蹴り!」

容赦ない連撃に、ガロックは為す術もない。

ガロック「あ、あわわわわ…!」

ワイ「とどめや!『This Crazy Knuckle!!』」

ワイの拳がガロックの顔面を歪ませる。

ガロック「ぐえええええ!!」

ガロックは派手に吹っ飛び、地面に叩きつけられる。完膚なきまでにぼこぼこだ。

ワイ「煽り最強が人類最強なんや、分かったか」


ワイ「ふんっ、ザコが…舐めとったらアカンで」

リナ「ワ、ワイさん…!す、すごい…!」

ミオ「ワイ、あんたやるわね…感心したわ」

エリーゼ「ありがとうございます!助かりました!」

ワイにゃ朝飯前の出来事や。ワイは満足そうに笑う。

ワイ「ほな、村まで案内してぇな。魔物退治の時間やで」


ワイたちはエリーゼに導かれ、村へと向かう。だが、そこで思わぬ事実が明らかになる。

村長「エリーゼ!よくぞ戻った!心配しておったぞ!」

エリーゼ「お父さん!」

ワイたち「…お父さん?」

なんと、エリーゼはこの村の村長の娘だったのだ。

エリーゼ「ごめんなさい、黙ってたけど…私、お金じゃなくて村のために冒険者を…」

村長「エリーゼ、お前…」

村長は涙を浮かべ、エリーゼを抱きしめる。

村長「無茶をしおって…でも、よくやってくれた」

エリーゼ「お父さん…うぅ…」


ワイは感動的な親子の再会を見守る。

リナ「ワイさん、私たち…エリーゼちゃんに感謝されるどころか、逆に感謝したいね…」

ミオ「そうね…。一人であそこまでするなんて、本当に勇気あるわ」

ワイ「あぁ…ワイら、ガキに教えられたわ。冒険者の本当の心…」

ワイたちは互いに目を見合わせ、笑顔を交わす。絆が深まるのを感じた瞬間だった。


村長「では、魔物退治をよろしくお願いします。皆の者、援護を!」

ワイ「おう、任しとき!ワイらの力、見せたるわ!」

リナ「私たちの絆の力でこの村を守る!」

ミオ「えぇ、三人なら絶対に負けない!」

意気揚々と魔物の巣へ乗り込むワイたち。その目は、新たな決意に満ちていた。

ワイ(前の失敗は、もう関係ない。今のワイらなら、どんな強敵も倒せる!)

リナ(ワイさんとなら、私はもっと強くなれる!)

ミオ(ふふ、この調子なら、もう心配ないわね)

三人の心はすでに一つ。真の絆を手に入れた瞬間だった。

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