第6話  プロット

前回までは、なろうでもカクヨムでも大人気な中世の世界観について書いてまいりました。勿論のちの時代と宗教については、また別回を設けます。

それとはまた別に、今度は「プロット」。

つまりは物語の作り方について書いてまいります。


〇起承転結を守れ

よく、物語を書く上で引き合いに出される言葉が「起承転結」ですね。

これをすっ飛ばして書いている小説がありますが正気の沙汰ではありません。


カクヨムやなろうなどのインターネット小説ではとにかく展開を前のめりにする傾向があります。これは、1話切りを恐れているからですね。当然ながら無名小説を何話も読むモノ好きは多くありません。

手っ取り早い快楽を提供できるなろう小説が好まれるのは憂慮すべき事態だと思われます。私はこれをライトノベルではなく「ファストノベル」と呼びたいと思います。


さて、ではこのような形態の小説が何故良くないのかについても記述してまいります。

当然ながら起承転結がはっきりしていない小説は序盤のインパクトのみの勝負になります。たとえ、それが上手くいったとしても以後の展開は想定が無く読者離れが進みます。これが、商業化しても1巻で終わってしまう小説の原因でもあります。


・起承転結の上手な作り方

起は物語の起こり、承で物語が動き、転で急展開、結で物語が終わる。

これが物語の基本形です。なろう系やカクヨムの小説の多くは最初に起と転が同時に起こります。そうなると、山場が一番最初になってしまうのであとは盛り下がっていくだけです。それに、起と承で溜めたキャラクターの関係性を転で開放するというやり方も使えません。大衆迎合した果てに自分を見失う結果になるのはあまりにも悲惨です。


起ではできるだけ読者を惹きつけつつ、世界観の説明と主人公の身分・目的を明確にしましょう。しかしここで全てを語ってはいけません。熱意に空回りして読者は離れてしまいます。


承では、キャラクターを登場させたりあるいは戦闘をしたりしてこの人たちが何をする人なのかを示しましょう。そして何に問題を抱えていて何がその裏に居るのか、という追加の情報も提示しましょう。


転では、物語の山場です。強敵であったりピンチであったり。そういったものを登場させたりして物語りを盛り上げましょう。衝撃の設定(進撃の巨人の海の向こうとか)みたいなのを出すのも良いですね。


結は最終章です。此処で必要なのは物語が終わりへ向かっているという説得力です。こいつを倒さないと世界が終わるとか。この戦いで戦争が終るとか。核ミサイルを防がなきゃならないとか。そういう事を上手く物語に溶かしていきましょう。


〇女の子は簡単に脱がしてはいけない(戒め)

キャラクターは物語上、華やかさを出したりあるいは人気の秘訣になったりするなど非常に重要なポジションを締めます。


此処では主に、主人公とヒロインの関りとキャラ造形について論じます。


・普通に考えて、主人公に魅力がない

これはダメです。不誠実、おごり高ぶっているなどの要素がかっこいいと考えている著者も要るようですが、少なくとも読者が好きなのは別の部分です。強敵や嫌な奴を倒すというカタルシスに「また僕なんかやっちゃいました?」は要りません。


また、長期連載をしていく上でキャラクターの内面を深堀する際にこういった最初のキャラ設定の浅さが露呈することは多々あります。キャラクターが動機もなく著者の思惑として動き回るとそのメッキは途端に剥がれます。


キャラの行動と造形には、「動機」と「目的」が必要なのです。


・ヒロイン造形

主人公が男の場合、だいたいヒロインが出てきますね。

なろうの流行りはハーレムらしいですが、これは全くお勧めしません。

たぶん私は、貴方が前に見た創作論と真逆の事を言ってるでしょう?


よく、女性キャラはどんどん出せとかひっかえとっかえしろとかって言いますよね。

でもこれって言うなれば一人一人のキャラクターを生かす事が出来ていないのです。

つまり、売女ですよ。言葉が悪いですけど。


こんな娼婦まがいのキャラクターだらけになった作品は陳腐になります。

男一人と女複数人。それも皆彼が好き、なんて現実離れしすぎていますよ。

地に足ついていない物語は、読者からもそうゆう物なんだと見限られます。


・ヒロインと主人公の上手な付き合い方

これは難しいですね。非常に。

前述のような簡素で単に主人公が好き、というあり方は悪手です。


かと言ってリアルすぎる関係も、こういう物語では生々しくて見てられません。

だって嫌でしょう?ファンタジー読んでて、主人公がヒステリックになったヒロインのご機嫌とるのに1話使うの。


だから、あくまでヒロインは良識のある女性でありながらそれとは別に人間らしい心を持つことを強調すべきなのです。


あとは明確に何故主人公の事が好きなのか?という事を設定しておくことです。

悪例)

「彼ってカッコよくって強いから~」


例)

「彼とは、長い付き合いで、ふとした振る舞いに出る礼儀正しさが素敵だったから」

的な具合です。


また、女の子の体を簡単に主人公に許してはなりません。少なくとも、自分がその場面に立ったらどう考えるか?というストッパーを頭に養ってください。地に足ついていないキャラクターは一気に薄っぺらくなります。


〇まとめ

プロットはもちろん基礎的なところですが、

今回はそれについて述べてみました。次回は世界観~近世~について書いてゆきたいと思います。


※週刊ランキング6位だそうです。すごいのかすごくないのか判りませんが

ありがとうございます。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る