第3話 世界観~中世~
〇世界観~中世~
・中世という舞台設定
前回は、ナーロッパを題材に世界観全般に言えることを列挙いたしました。
ほんとに序説と名付けるのが正しいのか悩みましたが、そのまま行きます。
中世とは何でしょうか?歴史学ではいろいろな説がありますが、まぁだいたい5~17世紀あたりまでの事をそう言うでしょう。もちろんこれは、小説の題材になりやすいヨーロッパの話です。日本編はまた別でやります。
この時代はあまりにも長すぎますね。中世という言葉の中でも前期・中期・後期という区分があります。ではこの時代を特徴づけ、一つにまとめているのは何か。
それは、マルクス史観の言葉を借りるなら農奴と封建制の時代と言えるでしょう。
勿論、制度以外にも宗教だとか人種だとかで分けることができると思いますがまぁとりあえずそれはいいでしょう。
つまりは、中世ヨーロッパを舞台にするにはこの”封建制・農奴制”を描かないわけにはいきません。
もし、あなたが中世を舞台にした物語を構築しようとするなら、この制度を真っ向から描かない限り薄っぺらな世界観になってしまうでしょう。
・封建制
高等教育以上を受けている方なら説明できるでしょう。
時代、地域によっても差がありますが大体は君主から土地の所有を認められる代わりに軍事的ないし政治的な義務を負う制度の事です。
これはだんだんと進化して、貴族の階級であったり王国であったりを形成します。
ちなみに、貴族や封建制より前にあるのは何かという質問を良く受けますが
部族制でしょうか。
この封建制は、マルクス曰く中世を特徴づける一要素です。当然ながら、これをあいまいに描こうとする限り物語は深まりません。
・農奴制
農民奴隷の事ですね。ヴィンランド・サガなんかを見たことがある人はわかりやすいんじゃないでしょうか?あれは暗黒時代ですが。
領主の土地に縛られ、あらゆる税をむしり取られる階級ですね。主人公がこの階級出身というなろう小説がちらほらありますが、その割には簡単に抜け出せてしまいます。これはそんなに簡単なものではありません。少なくとも、貴族と非貴族の区別というのはなかなか覆せるものではありません。
貨幣経済の浸透によって、また農耕の生産力が上がって、初めて彼らは解放され始めるという過程があります。もっとも、東ヨーロッパなどでは結構残ってたんですけども。
・世界観の作り方①中世編
さて、今回の本題です。
じゃあ、どうやって中世の世界観つくりゃいいの?
簡単です。現実の世界を下敷きにして自分で味付けをすればよいのです。
では具体的な順番を見ていきましょう。
①中世のいつ、(何世紀)にするか決める
②資料を集める
③封建制や農奴制についてしっかりと決める。
④宗教・文化について設定する
⑤自分なりに設定を弄る(ドラゴンとか、魔王とか)
ざっくばらんにまとめればこんなもんです。
②の資料集めは主に、本屋などに売っている本で構わないでしょう。
入門書で構いません。ただし、絵画・小説などを参考にするのはやめましょう。
時代を無視した装備や物が描かれている場合があります。
もちろん、本気で書きたいなら論文をJsatgeやCiniで集めるのもアリです。
(査読が大変だから本当にお勧めしない)
④宗教ですが、まぁだいたいカトリックを下敷きにした方が良いです。
資料が集めやすく、尚克わかりやすい。おまけに、文化・制度の面でもだいぶ
関与してきますので。齟齬が生じちゃうとあれだし。
おおむねこれぐらいで下準備は完了です。
あとは、ケルトや北欧の神話をモチーフに怪獣などを設定するとよいでしょう。
そうすれば、ナーロッパを超える世界観が作れます。
〇終わり
今回は中世についての説明をざっくり致しました。今回はどちらかというと
まだ小説に慣れていない人向けでしたでしょうか。
さらなるデティールはこの後に続く回でご紹介します。では。
※
私は何の賞もとってないし、文壇で高名なわけでもありません。
ただ大学で文学部だったというだけの阿呆です。
だからあんまり鵜呑みしすぎないように。とだけ。
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