第2話 世界観~序章~
”無難な異世界転生、ファンタジー中世にしなさい”
普通の創作論であれば、だいたいこんな切り口で始まるでしょう。
しかし、無謀な諸兄は違うでしょう。
中世!!??中世なら、何時!??!?前期?中期?!後期!?
教会は?!継承法は!?文化は!??!アハト法は!?宗教改革!!
はい。見事に間違っています。
ここでは、そのような説明や深い世界観は好まれません。
特に、物語の冒頭にその大陸の歴史なんかを語るのは大NGです。
もれなく読者は一話で離れて行くでしょう。
しかし、此処はそんな説教をする場ではありません。
そういった複雑な設定を好む諸兄の背中を押す場です。
そのため、此処ではインターネットに限らず文学としての世界観の作り方の解説を行います。今回は中世編です。
〇インターネット小説の世界観
・ナーロッパと異世界という共通知
まず、皆さん中世と聞いてどのようなイメージを抱くでしょうか?
ドラゴン?騎士?貴族?
そうですね。おおむね、そんな程度でしょう。
世界観はそのキャラクターたちが地に足つけて物語を展開してゆく根幹です。
そのため、どんな作品でもこの世界観には注意を払わなければなりません。
なろう系では、主に世界観はキャラクターの周辺にしか存在しません。
これは”異世界”や”ファンタジー”という言葉だけである程度世界観の流用ができているからですね。おおむね、ドラゴンクエストあたりを想像する方がいらっしゃるのではないでしょうか。ドラゴンが居て、王様が居て、魔王が居る。
そういう一種、共通知のおかげでキャラクターの周り以外に世界観を説明する必要がないのです。ある意味マルチバースに似ていますね。
加えて、先行きの不透明さという側面もあるでしょう。
主人公たちがどこかに行くとき、すべてを設定していては展開が書きにくくなってしまいます。だから、あえて”ファンタジー”であること以上を設定しないというのは一つの手でしょう。
・深い世界観を設定する意義
もちろん、こういった設定を用意するメリットもあります。
十二国記や、佐藤大輔作品なんかは最たる例です。また、少年誌は世界観が無いと成り立たない漫画が多いですね。しかし注意してほしいのはこれらは厳密にはインターネット小説とは違うものである。という理解です。
小説とインターネット小説は違うものです。インターネット小説の大部分を占めるのは、ライトノベルです。ファストノベルと呼んでもいいでしょう。その名の示す通り、簡素化・デフォルメが多い印象を受けます。世界観に関していえば、まさに上記のとおりですね。
こういった特性を持つ作品が大多数を占めるインターネット小説では、世界観の掘り下げが仇となる場合もあれば、当然ながら”特色”となる場合もあります。
深い設定がその作品の魅力となる場合があるのです。そういう意味では、世界観にこだわるのは間違いではないと思われます。
また、最初から目的がはっきりしている物語では世界観の構築は不可欠です。
それに、説得力を持たせるのにも有用です。
〇深い世界観の上手な魅せ方
・世界観の見せ方
当然ながら、世界観をつくりこんだならそれを作品内で活かさない手はありません。しかしながら、世界観は単に説明すれば良いわけではありません。
よくあるミスとしては、固有名詞や難しい単語が濁流の様に流れて読者を置いて行ってしまう事です。マジでありがち。
皆さんは、世界観の説明をキャラクターにしゃべらせたりしてませんか?
それも、根幹にかかわるような事を一気に。基本的に一気に世界の説明をしてしまうのは良くありません。小出しにするのです。世界観の見せ方には幾つかの方法があります。以下で具体的に見ていきましょう。
・冒頭型
漫画などに多いですね。この世界は~の様な形で1話目の冒頭で説明する方法です。しかし、漫画媒体とは違い図表で示すことが難しいインターネット小説では1話切りされる可能性があるので危険です。
・キャラクターにしゃべらせる
どの媒体でも、有効です。しかし、やっぱり一気に説明させるのは愚策です。それに、キャラクターの立ち位置的に喋らせていいかを吟味する必要があります。馬鹿がいきなり世界の説明したら怖いでしょう。
・ふとしたキャプションとして挟み込む
おすすめです。部屋においてあったりする物から話を広げて、ちょくちょく説明を挟み込む手法です。書くだけの技量があれば。
この様な方法以外にも、文末のあとがきに纏める方法もありますが
読まない人が多いのでお勧めしません。
進撃の”今現在公開可能な情報”全部読んでなかったでしょう?ほら。
以上、世界観序章でした。
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