初めは楽しい楽しい支配計画

支配者とは、「主役」、「悪役」、「裏ボス」だと、裏ボスだ。

で、俺のこれからの予定だと、世界を裏から操る縛られない支配者になるって事だ!


つまり、勇者という主役が魔王という悪役を倒しに行く中、領地を広げ、表舞台に名をチラつかせているが、絶対に出てこず!魔王を倒してもストーリーは続き、「お前は…あの…!」って感じで最後に出てきて、本当は世界全てが敵で、勇者と、最後に対峙して、何故支配するのかとき聞かれたら、「自由を求めるからだ!」ってきな感じだ!

で、これが俺の支配者設定だ。


だから魔国をどうするかだが…。

面倒臭いから五芒星計画直属に頼もう!


俺はとある部屋に行く。


「あら。殿様、お久しぶりです」

そう、アークだ。


「あぁ、久しぶり」


「すいませんこの様なはしたない格好で…」

アークは俺が教えた「ジャージ」を着ている。


「別に気にするな」


「有難う御座います。所で、今回起こしなさったご理由をお伺いさせて貰ってもよろしいですか?」


「あぁ、シリウスから聞いたが、お前は計画係…みたいな奴なのだろう?」


「はい。シリウス様から直属に任命させて貰いました」


「そこでだが…魔国への侵略計画を頼もうと思う」

俺は少し目を細め、アークに向けて言う。


「っ……!」

アークは驚いた。そして考える。我が殿が何故魔国に侵略を目論むか。領地を広げるため?違う。夢を叶えるため?違う。

私達の復讐をさせて貰うため?…このような考えもあるかもしれないが違うだろう。なんで?なんで殿はこのような事をするのかが分からない。


そしてアークは心の中でこう呟く…。

(でも、私はただ、殿様に従うだけ。私は、この人に全てを尽くす。もし、裏切られても…)

アークはそう決心し、口を開いた。


「分かりました。それでは、どのように計画を立てましょう?」


そこで、アークは自分の犯した失態に気づく。


「っ……!すいません…。殿様にお手数をおかけするつもりはなく…」


「気にするな、大丈夫だ。まぁ、お前の好きにすれば良い。期待しているぞ・・・・・・・


俺は少し微笑んだ後にその言葉を口にした。

一度は言って見たかったんだよな~、裏ボスとか、良く部下に言う「期待しているぞ」って言葉。まぁ、欲を言えば玉座から言いたかったが、まぁ良いだろう。


「っ………!?」


アークの中で「期待しているぞ」っという言葉が何度も響く。

そして、感激に涙を流した。


「あ、あ、あぁ、有難う御座います!!!ご期待に応えれるよう、精一杯やらせていた抱きます!!!!」


「あ、あぁ…」

俺は少し動揺した。

え?なんで泣いてるの?目に何か入ったのかな?


「それでは頼んだぞ」


「はっ!」


そして俺はアークの部屋を出た。

それじゃ、こっちはこっちで準備しとくか。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


場所は自分の部屋。


俺は、魔力操作を使い、大剣を作り出す。

そう、それは超最上級エレメント魔法装備ウエポン聖大魔剣Αアルファ、それに続けて、更に五本、Ζゼータまで作った。


魔力操作による武器生産は、魔力を使うが、それなりに作れる。それに、魔眼を使わずとも俺は常人の五倍くらいの速度で俺は魔力を集めれる。ガキの頃からずっと練習してたからかな?ま、この前までガキだったけど。

それに、俺の魔力は光をも作り出す事ができる。その為に、昔から、まぁつまり生まれて三ヶ月位から始めたこと、魔力の粒子化と、粒子への分解だ。

普通は魔力の形状は、人それぞれ。石のような硬い魔力を纏った者も居れば、結晶のようになっている者も居る。

そして、この世界で最高緻密なのは、繊維の形状。

細い細い、一本一本の魔力を纏った者がいる。

この俺でも認知するのに一分半から二分は掛かってしまう。

だが、俺はどうだろう?粒子級となれば、認知は不可能…だと思う。それに、繊維だとまだ作れる物が限られる。だけど、粒子級だと、繊維級に比べ、約八倍の物は作れるだろう。

『縛られるのが嫌いなら、粒子級の物でも作れるようにしろ』

これは俺が大切にしている七個の座右の銘の一つだ。

まぁ、自分の魔力量は俺が思うに…そこまで少なくはないだろう。


っていうか武器生産より魔力弾の方が格段に魔力を使う。だから、あまり魔眼を開眼してない状態でやりたくない。


だから武器生産に関しては全然問題ない。そして、これを作ることによって、めっっっっっちゃくちゃかっこよくなる大剣が周りに浮かばせる事が出来るのだ!!


これは夢だったんだよ~!一回はやってみたかったが、これからも出来る!よしよしよしよし!


俺はとても興奮していた。そして、大剣をもっともっと格好よく……ゴホン、強くする為、夜通しで開発を続けた。ま、俺に睡眠は必要ないけど。


そして…。


《マスター…夜通しでやるのは…》


良いから良いから!早く!早く報告しろ!


《………えー……超最上級エレメント魔法装備ウエポン聖大魔剣Αアルファから、聖大魔剣Ζゼータまでの改良により、進化し、最上極級アルティメット魔法装備ウエポン聖大魔剣Αアルファ+プラスから聖大魔剣Ζゼータ+プラスになりました。》


「………ヒャッハアァァァーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


俺はこれまでに無いほど声の大きさと歓喜を込めた「ヒャッハーーー」を声に出した。あ、勿論結界を張っているから皆には聞こえてない。


「やったぞ!やっと最上極級アルティメットを手に入れた!フ…フフ、フハハハハハハハハハハハハ!」


《……………えっとー……マスター?だ、大丈夫ですか?》


最近やっと可愛げがあるようになってきたシルフィードが言う。


大丈夫大丈夫。ちょーっと頭がクラクラするだけだ…か……ら………。


俺はフラフラとしながら倒れた。


《マスター?……マスター?…マスター!?》


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ん、ん……」


「あ、起きましたか?主人様!」


起きた目の前には、ベガ。


「もう。全く困ったものですよ、結界で部屋が覆われていて、倒れている主人様を助けるのに時間がかかってしまいました。っというか、主人様なら回復魔法などであれ位容易い物だと思いますが……、それを忘れるほど熱烈になって、一体何をなさっていたのです?」


「あぁ、ごめん。助かったよ。」


俺はそう言いながらベッドからでる。


「ところで、前にも居たけど、ベガは俺の専属の…秘書みたいな感じ?」


「あ、いえいえ。僕は守護者です。シリウス様直々に任命されました」


「守護者…?」


「あ、守護者っていうのは、主人様を裏からサポートする…みたいな感じです!主人様に何かあったら僕がサポートするみたいな!」


「あ~、なるほどね」


俺は頷きながら言う。


「まぁ、つまりは俺に今日みたいな事があったら助けてくれる……って事だよね?」


「はい!つまりはそういうことです!」


あーなるほどね。守護者……、ネーミングセンスに問われるな~。

もうちょいなんかこう……あったんじゃない?

でも、シリウスがつけた名前に文句言うと、飯抜きにされるかもしれぬ。辞めておこう。


「…………ベガ、君には済まないけど、シリウスに後で話をつけておくから、守護者じゃなく、五芒星のサポートに言ってくれないか?」


「え~!?な、なんでですか」


「ん~、俺に関しては大丈夫。もし敵に殺されても・・・・・ね」


ベガは考えた。

そして、心の中でこう思う。

(五芒星のサポート?主人様のサポートに関しては一応必要だと思うけど………でも、シリウス様より、我が主人様の命令の方が「絶対」…主人様には救われた、ほんの少しですが、恩返しです)


「……分かりました!僕は僕の主人に従うのみ!」


「よし。いいね。素直な子は嫌いじゃない」


俺はベガの頭を撫でる。


「あ、主人様。くすぐったいですよ~!」

「でも、少し気持ち良いです…」


ベガは隠しながらその言葉を付け足した。

俺はそれに気づかなかった。

そして、ベガの部屋から出た。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「シリウスー。話が……」


「ん、ん~…………え?主様………!?」


そこには、なんと…なんと、俺の…いや、…多分違うから、俺に似た人形があり、その胸の中にシリウスが顔をうずめていた。背丈も一緒くらいだし…顔も、似ているし、しかも結構リアルな人形が玉座に座っていた。


「あ、こ、これはですね~…あ!そう!魔力操作の練習です!そうなんです!」


シリウスは、オドオドしながら言う。そして、それを慌てた手で隠しながら魔力へと変える。


「あ、うん。だ、だよね…」


「ふぅ、で、今回はどのようなご用件で?」


恐ろしく早い切り替え、俺じゃ無きゃ見逃しちゃ……いや、しないな。


「そうだね。ベガを五芒星の守護者にして欲しい。俺に関しては大丈夫だから」


「それはいけません。主様は危険なお人なのですから」


「ちょ、それどういう意味かな?」


俺は欠かさずツッコミを入れる。


「大丈夫大丈夫。死にはしなけりゃ良いだろ?」


「……そこまで言うのなら」


「よし。それじゃあ頼んだぞ」


そうして、俺はシリウスの部屋を出た。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ギャァァァルルル!」


空を飛ぶ赤い三眼竜レッドワイバーン

その数、約百体。

その赤い三眼竜レッドワイバーンの長が、額にある三番目の眼を大きく開き、咆吼を放つ。


そのむかう先は、後に深淵の国・・・・と呼ばれる国であった。


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