完全対立の紫光

あの後、シルフィードから恐るべき事を聞いた、記号コードを獲得したことにより、一部スキルがランダムでしか使えなくなってしまったのだ。


でも、魔法や耐性、そして一部に含まれていないスキルは使えるらしいが、マジか…。


理由を聞くと、記号コードは世界の裏の記号を唱えるので、世界の規定への違法介入らしい。それを許してもらうための代償らしい。まぁ、ランダムなだけまだ良いか。


そして、「魔力認知」、「魔力操作」、一定の魔力量を上回ったから、「魔力全知まりょくぜんち」を獲得した。


そして、権能の中のスキル、「魔眼まがん」、「魔力弾」を手に入れた。これは含まれないらしい。分からなかったから、魔眼と魔力弾についての情報をシルフィードに開示して貰った。



スキル名 魔眼

一定的に自身を魔力源とする。それにつれて、一定的に魔力量を増加させる。魔力源とは、魔力を生み出す源、つまり宇宙線と同じ魔元素を自身から生み出す。そして自身から生み出された魔元素は、通常の魔元素より九十九倍の速度で魔力化できる。その代償として、発動中は目の色が紫に変色する。そして、魔力化は発動を設定できる。そして、魔力化を発動、つまり加速中は片眼だけ紫の光が出てくる。

注意、魔力化加速は片眼九十九倍速、だが、両眼は発動出来ない。



なるほど、相手に発動がばれるのか、まぁ、効果に比べると、代償なんてゆるい。



スキル名 魔力弾

魔力を具現化して発射できる。しかし、魔力量が減少する可能性もある。



攻撃か、これで制限掛からないのはいいけど、魔力量がなくなってしまったら元も子もないからいざという時にとっておこう。


あと余談だが、俺は体つきは普通なのだ。


鍛えてはいるが、別に肉体改造なんぞに興味はない。

そんなことをするのであれば、まぁまぁいい体つきになれば、技を極めた方が良いからである。


技は力がなくても使える。それを極めればどれだけ屈強な男でも負けるっという俺は思考をしている。


実際に元の世界で倒したこともあった。だから別に他の人から見たら普通の人なのだ。なので普通に市場で買い物が出来る。


俺はリンゴを買い、それを丸かじりしながら町の市場を歩いく。


すると…。


「おいおい兄ちゃん…。ちょい金かしてくれぇや」


まぁ、市場で買い物が出来る変わり、こうやって絡まれる訳だけど。


元の世界でもそうだったんだよなぁ~。


でも次の日には記憶がなくなるくらいボコって病院送りにしていた。


それがこの世界でも通用するのかな?魔力による身体強化とか心身強化もあるから行けるだろう。記憶が消せるかは実験だ。


「いやだね」


「おうおうそれじゃ三ゴールド…って、は?お前今なんつった」


「だから、いやだ・・・って言ったんだよ」


「お前、舐めてんのか?俺達に喧嘩売るとは良い度胸じゃねぇか」


「兄貴、こいつやってやりましょうぜ」


「それじゃあ路地裏行こっか」


「お前から誘ってくれるとはありがてぇな……覚悟しろよ」


………。


「ふぅ、あっけな」


それは路地裏に入り三秒の出来事だった。


俺は彼奴ら(四人くらいのデカイ男)の顎、腹、を殴り、その秒数は一人約零点七五0.75秒。


俺は彼奴らから取った財布でクレープを買い食べる。


そうして、俺は疾風に帰った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


男達はあの出来事から三日経ち、起き上がる。


「う、うぅ……あ、彼奴はやべぇ…」


「あ、兄貴…彼奴の正体…奴隷商会を潰した奴のボスなんじゃないっすか……?」


「あ?なんだそりゃ…そんな化け物がいんのかよ……まぁ、俺達がすぐにやられた事にもそうなると納得がいく…………取りあえず、これは上に報告だ」


起き上がりながら皆から呼ばれている「兄貴」は言う。


そして、男達はとある廃墟となった教会のようなところへ行き、その一番奥の玉座のような場所に座っている超巨大の男の前に跪く。


そして、今までの出来事を話した。


「……はぁ~…お前達…ぶっ殺されてぇのか!!!!???」


轟音となった大声で巨体の男は言う。


「「「「す、すいやせん!」」」


「それでも奴隷商会本家の幹部か?そんな一般人相手に苦戦しよって…奴隷商会本家の名が汚れる」


「あ、あの…俺達の予想ではありやすが、多分、分家を潰した奴のボスだと…」


「あぁ?……あぁ、そういえば分家が壊滅…だったか?まだ分家を一つ出してまもなく潰れた貧弱者、奴は使えなかった。まんまと情報をばらしおって彼奴め」


「で、ですが、壊滅させた奴とのやり取りを盗聴したところ、あの強さより強い奴がいるらしぃです。多分そいつだと…」


「………ふん、まぁそういうことなら………だと言うとでも!?」


巨体の男は、思いっきり肘掛けを殴る。


「負けは負け、奴隷商会本家の名を汚した事を恥じと思え!今回はこれで許してやる。だが、二回目はないぞ…」


「「「「は、はい!」」」」


「今すぐ殺すからな…トブネズミ共…!」


そうして、裏の組織は動き出した。これが、システムローズと、裏の組織、ワールドリトラクションワンズとの対立の始まりだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


その頃俺達は……。


「よーい、打て!」


命令すると、爆発音が鳴り響く。


そう、機関砲の開発をしていたのだ。

この世界には「大砲」があるのが分かっている。


それを上回る強力な武器を作れば、この組織の戦力は格段と上がると考えた。そして、元の世界での強力な武器と言えば、「ミサイル」、「イージス艦」、「機関砲」などの物や、「戦車」、その中で、今現在作れない物をチョイスした。


一つ目、「ミサイル」だ。今のところ、時差で爆発させれる物は無い。二つ目、「イージス艦」、そもそも作り方が分からない。三つ目「戦車」同様に作り方が分からない。


だが、「機関砲」はほとんど大砲の強化バージョン。その開発を行っている。その開発計画はとても大きな物だった。


計画表には、俺が教えたオーバーローズ語、つまり日本語でこう書かれていた。


〈大砲ノ威力、火力、弾ノ飛距離ヲ五十トスルト、我等ガ開発中ノ機関砲ハソレノ二倍ノ百トスル〉


皆物わかりが良くて助かった。オーバーローズの住民も、システムローズの組織員も全員すんなり日本語を覚えてくれた。


そして、機関砲だけでなく、それに搭載する弾も開発中だ。

それによって、普通の大砲の弾の速度の約これも二倍にするとのこと。


機関砲を作るのは簡単、魔力水にコンクリートや鉄などを含ませて作るだけで、難なく移動も取り壊しも出来る。


俺がオーバーローズに建物を建てれたのも、各基地が頑丈に出来ているのも、操作系スキルを使って、魔力水に含ませ、それで建物を立てたからである。


「主様は凄いです。この様な物をお作りなされるだなんて…」


「ふっ…造作も無い事だ」


「主人様ー!」


その時、開発を行っていたオーバーローズの約百メートルくらいある防御用の壁を、機関砲の弾を加え、尻尾を振りながら登ってくるベガが見えた。


「主人様!僕、取ってきましたよ!」


「おぉ、ご苦労だった」


犬獣人なだけであって犬っぽい。


フサフサとした黒い尻尾、そして耳。


アルファードは尻尾がザ・猫のように尻尾が細く、耳も少し細くなっている。やっぱり獣人は獣人だ。


この世界の獣人に付いて話をしておこう。


この世界の「じゅう」は、三種類ある。 


一つは、ただの「けもの」つまり普通の犬や猫、狼といったところだ。

二つ目は「半獣人」、人のような見た目をしているが、全身が毛に覆われていて、獣人と同じく尻尾と耳が付いている。

三つ目は「獣人」、つまりベガやアルファードと同じく、人のような見た目をしていて、人のような肌があり、獣人ならでわの獣の耳と尻尾がある。


これが、この世界の「じゅう」の三種類である。


オーバーローズにもこの三種類は全員いた。


獣は喋る事が出来ないが、コミュニケーションは、念話で解決出来た。


ついでに話しておくが、ベガは一人称が「僕」だが、結構可愛いショートカット女子である。


とゆうか、魔王から捨てられた物達全員を救った時に顔を見たら、けものを外し、人型なら種族構わず全員美少女だ。豚人族オーク小鬼族ゴブリンもである。


耳聖族エルフなんてもってのほか、蜘蛛人族アラクネなんかもいたな。


システムローズ幹部の五芒星達は、その中でもずば抜けて美少女である。俺は生まれつき女子とかには興味は無かった。


別に欲とか感情が無い訳ではない。勿論金が欲しくなるときもあるし、ムカつくときもある、が、興味がない。


だから、悪い言い方をすると、正直言って五芒星やオーバーローズの可愛い女子からアプローチされたとしても別にどうでも良いのだ。


そんなことを思いながら、ベガを撫でていた時だ。


ガラスが割れるような音が鳴り響く。


「「「っ……!?」」」


オーバーローズに俺が張ってある結界が壊れた音が大きく轟いた。

な、なんだ!?け、結界が壊れた!?


魔法装備ウエポンによる結界破壊効果です。》


…はぁ!?


俺なんか誰かに憎まれるようなことしたっけ??………。


…………。


あ、思い出した、三日前だ。


俺は三日前倒した四人の屈強な男の事を思い出した。 


どうやらこの世界での記憶削除は出来なかったらしぃ。


実験は失敗か、残念。


その時、見覚えのある男四人が飛んできた。


「おおおおらああぁぁぁぁ!!!!!!!」


剣を俺に振って来たが、俺は腕でそれを受け止める。


「ッく!」


「よぉ、弱気者よ」


ここは、設定をオンにしよう。


そして俺は魔力水で出来た服一式を、一度紫色の水に包まれるようにし、服一式の形をづくり装備する。


「お前達は誰だ!主人様になんのようだ!」


「ベガ、少し引いといてくれ。それと、何も問題ないと皆に言っといてくれ。シリウス、ベガ」


「で、ですが…!」


「俺が負けるとでも?」


「っ…!はい、分かりました!」


「承知しました!」


ベガと、シリウスは壁を降りる。

魔法装備ウエポンとは、そんな物に頼って何になる……!」


俺は男一人の右腕を豆腐を切るように切り裂く。


「グッグアアァァァァァ!!」


「その巨体でその位の痛みも耐えれないとは…。惨めこの上ない」

俺は男の首を落とす。


「「「うおりゃぁぁぁぁ!!」」」


「丸見えだ…!」


俺は硬化した魔力水の触手で残りの男三人の喉を突き刺す。


「ん?弓矢か」


遠くから五百人の兵達が弓を集中的に俺を狙い撃つ。

そうだ、弓だ。


俺は左手の最上級武器ユニークアイテム蒼水刀そうすいとうをしまい、同じユニークアイテムの炎獄刀えんごくとうを巨大な弓へと変形させる。


そして、糸を引くと、三本の炎の矢が出てくる。


「チェックメイトだ」


俺は糸を離す。


すると、三本の矢が飛んでいく。


途中で三本矢が五本へ、十五本へ、二十八本へと増える。

そうすると、五百人位いた兵達が次々と死んでゆく。


すると、消えていくのだ。


「…?消えた?」


魔法装備ウエポンによる効果です。》


なるほどな。


「おうおうおうおう。魔法装備ウエポンで出した雑魚兵とはいぇ良く一人で倒した物んだぁ」


「…お前は誰だ」


声のする方を見ると、見るだけで分かる。強靱な肉体を持っていて、二百センチくらいの身長の男がいた。


「俺は、そうだなぁ…ま、言ってもすぐに殺すからいいか。奴隷商会の本家、奴隷売り界の王「バドバダ」だ!お前達、我等ワールドリトラクションズとの対立をしようとしているな…?はっはっは!馬鹿げてるぜぇ、自殺行為だぜ?大人しく俺に殺されやがれ!分家を倒しただけでいい気になんじゃねぇ!!」


バドバダはハンマーを振り下ろす。


そして、俺の頭に当たる。


「ヘッ!死んだぜぇ。これで仕事は終わ…なんだと…?」


「おい奴隷商会本家のハトバタ?ハト?だっけか?俺がなんでフードを被っているか分かるか?…それはな、頭を攻撃されても良いからだよ!」


俺はアッパーをバドバダめがけてかける。


バドバダは間一髪それを避ける。


「それじゃあ顔面だぁ!」


バドバダは俺にストレートで殴る…が。


防御結界により、攻撃は無効化される。


「っ…な!防御結界だと!?」


「あぁ、もう飽きた。死ね」


俺はバドバダを切り刻む。


だが、バドバダは生きていた。


「は…はっは…魔法装備ウエポンをつけておいて良かったぜぇ…」


そこには、肉体に組み込まれた醜い魔法装備ウエポンをつけていた。


「肉体に組み込むとは…何と…」


「はっはっは!これは我々が直々に作った特別な魔法装備ウエポン!そう簡単には死なないぜぇ…」

「そうか、それでは実験体になれ…「魔眼開眼」…そして、『コード』…」


その時、俺の両眼は紫色に変色し、右目からは光が一本出ており、炎のようにゆらゆらと揺れている。


俺は空中へと浮き上がり、上下に小さな円状の呪文が書かれた魔方陣、大きな円状の呪文が書かれた魔方陣が現れる。


そして、俺を丸く囲むように、円状の呪文が書かれた魔方陣が、横、縦、右斜め、左斜めへ広がる。

それは円を書くようにあらゆる方向へ回っている。


そして、ただの黒い手袋、ズボン、ロングパーカーが、膨大な魔力を取り込み、色が本紫色に変色し、それに連れて、本紫色に光り出す。さらに、取り込めなくなり、オーラとなり外側へあふれ出す魔力により、手袋、ズボン、そしてロングパーカーがなびく。


ロングパーカーは、前をファスナーのような物で止めてはいるが、途中で途切れている。その部分が特に大きく靡いている。


「は、はぁ!?な、なんだよ…それ!」


「私は、最強となるために、現世で努力したがかなわなかった。だが、この世界は希望を私にもたらした。だからこの世界で考えた。いくらスキルがあったとしても、それより強大な敵は倒せない。ならば…ゲームなので知ったコマンドなどを使えば、相手を一瞬で殺すことも、爆発させることも、少しづつダメージを与えることも出来る。それを使えば最強なのではないか?っと、しかし、そんなスキルは持ち合わせていなかった…だがっ!今っ!私は最強っ!頂点へと達したっ!冥土の土産に見るが良い、この美しき光を!」


俺は更に膨大なオーラを出した。


「お、おぉ…お前!こんなことをして…組織が黙っているとでも!?お、お前達は、一生追われの身だ!」


「全てを飲み込めば終わる話だ。そう、これも土産として取っておけ、我々はシステムローズ!世界の支配統一を執行する者達だ!」


俺は、右手を前に伸ばす。そうすると、俺を囲んでいた呪文の書かれた魔方陣が俺に集まる。


すると、紫色に光る古代文字のような呪文文字が、右腕を伝い、魔力の丸い塊が手のひらの前に出来る。


「終わりだ…消えろ、我が美光に包まれて…。『ノート・オブ・ザ・キル』…」


俺の脳裏に『ノート・オブ・ザ・キル』の発動内容が浮かぶ。これは、一度試したことがあり、成功したときにシルフィードに開示して貰った物だ。 


『ノート・オブ・ザ・キル』、相手を指定すると、その相手だけの脳を破壊する。その為には、ため込んだ魔力を一気に放出しなくてはならない。


俺はその魔力の塊を握り潰すと、たまりに溜まった魔力が放出され、紫色の光が周りを包んだ。バドバダはその光により脳を破壊され、死に至った。


「主様!」


シリウスが走り此方へ来る。


「大丈夫ですか?」


「あぁ、終わったよ」


「綺麗な光でした。まるで、我等システムローズを形作るかのような…」


「あぁ、だが、これで終わりではない」


俺はバドバダの上にのり、魔法装備ウエポンを壊す。

そして、中から小さな機械を取りだした。


「それは…」


「盗聴器だ」


「っ…!って事は…!」


「あぁ、全て聞かれた可能性がある。これで、完全対立って訳だ。我等システムローズと、裏組織ワールドリトラクションワンズとの……。シリウス、俺は名を改名する。今度からは、「ガヴァ・ノート・ロード・・・」とする」


「分かりました。つまり今度からは、ロード様?っとお呼びを?」


「いや、ノートか、今の呼び方でいい。我が名は、気軽に話さぬように。この事は皆の衆にも伝えておけ!」


「っ…!はっ!仰せのままに」


…ふぅ~。いやぁ、コード、一度ダメ押しでやったら成功したから良かったけど、即興だったらまだ戦闘していて面倒臭いだろうな。負けはしないけど。っていうか、あんな奴にこの技は大袈裟過ぎたか?ま、すぐに終わったから良いけど。


そして、名前を改名した真実は、ガヴァノートだけだと、ちょっとダサいから、いい加減いっその事、支配者ロードってつけようと思ったのと、盗聴されているって気づいたのは、彼奴を倒してからだったから、名前をあっちに知られた可能性がある。この二つの理由である。


取りあえず、裏組織か。少し面倒臭いことになった。よし、裏組織が大幅に動き出す前に、魔国を支配しにいくとしますか!

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