第41話 セイコママは見ていた👀

 セイコママはというと。


 なんかオモシレーこと起こったらいいのにな。


 期待しつつ特等席に座り、孝満が家に入ってきた時点で動画を撮り始めていた。


 すると、その瞬間から思っていた以上に面白い展開に。


「ぷっ!あ~はっはっはっは~。もうダメ!オモシロ過ぎ!」


「新婚さんいらっしゃい!」もビックリなほど椅子から転げ落ち、涙を流しながら大笑いしていた。

 家に戻ってくるセイコを確認すると、あえてすれ違うタイミングでリビングから出て行った。




 ガラ。


 玄関の戸が開き、


「こんにちは、タカくん。」


 セイコママ登場。


 ずぶ濡れになってしまったセイコを見て、すれ違いざまに、


「あんた何しよん?」


 声をかけるが、


「あ~はっはっは!」


 どうにも堪えきれず大爆笑してしまう。


「もぉ!そげん笑わんだっちゃよかろーもん!お母さんのバカ!」

 訳:そんなに笑わなくてもいいじゃんか


 激オコのセイコ。


「いらんごと庭に水撒けとかゆーき!絶対草杉くん来るの知っちょったやろ!」

 訳:知ってたでしょ!


 やっとのことで、母親が仕組んだ作戦ということに気付いたのだった。

 心の中では、


 もう!タカくんにほぼナマ乳首見られたやん!


 絶賛ボヤキ中。


 いつか見せるつもりではいた。

 が、それは今じゃない。

 絶対に今じゃない。


 恥ずかしさが爆発的に膨らんでゆく。


 セイコが家の中に駆け込んだのを確認すると、


「プッ…ごめんね、あの子ドジやき。ククッ…ちょっと待っちょってね。着替えたら出てくるはずやき。」


 セイコママは笑いを堪えながら孝満をお出迎え。

 一緒に待つことになってしまった孝満は、とにかく気まずくて。

 色々と誤魔化すためにも、


「あ…あの…これ。」


 自転車にまたがったまま手に持っていたレジ袋をセイコママにわたす。


 どうやら先ほどのハプニングで胸を凝視していたトコロも見られていたらしく、


「わざわざありがとね!で。セイコのおっぱいどうやった?薄着やったきほぼモロ見えやったやろ?」


 ニヤニヤしながら早速感想を求めてくる。

 咄嗟に、


「いや!そんな!何も見てな…。」


 否定しようとするものの、言っている途中で、


「隠さんでもいいちゃ~。家の中から全部見えよったっちゃき。それに、ソコがそげんごとなっちょーんに、見えてないワケなかろーもん。」

 訳:隠さなくてもいいよ。家の中から全部見えてたから。ソコがそんなことになってんのに、見えてないわけないじゃん。


 未だ「く」の字型に曲がったままの身体を指さされ、被せるように遮られ、大笑いされた。

 最高に恥ずかしくて、気まずくて、申し訳なくて、


「すみません…」


 謝ったら、


「なん謝りよんねっちゃ?あの子のドジでなったコトやき、謝らんだっちゃいいくさ。タダで見れて得したとでも思っちょけばいいやん!男は彼女やら奥さんおらんやったらお金払わんと見れんのばい?それにしてもドジよね。」

 訳:何謝ってんの?謝らなくてもいいよ。得したとでも思っとけばいいじゃん!


 一切気にしていない様子。

 それどころか思い出し笑いしながら、


「そっかそっか~。セイコのおっぱい見て、勃起してくれたか~。これは脈ありやね!」


 しみじみと嬉しそうに頷く。

 恥ずかしさが限界に近づいてきた頃、


「あ!今からえっちしたらいいとに。するんならおばちゃん二時間ぐらい家空けるよ?あの子、誕生日にゴムプレゼントしちゃったき、まだ持っちょーはずよ?させてくれるように頼んできちゃっか?」

 訳:頼んできてあげようか


 とんでもない提案をしてくる。

 エロいことに興味津々の中学生である。流れでOKしそうになるが、ここでセイコの笑顔がフラッシュバック。

 ギリギリのところで罪悪感が勝利した。

 血を吐く思いで、断った。

 のはいいけど、その言葉が、


「いや、今はまだ…。」


 だとは…。

 これでは好意なんか隠せたものではない。

 直後、


 え?オレ今なんちゆった?

 訳:何て言った


 脳内リピートしてそのことに気付き、大赤面。

 反射的に、


「いや、その!今のは!」


 言い訳しようとするが、完全に手遅れだった。

 自分のアホさに心底呆れ果てた。


 恐る恐るセイコママの顔を見ると…サイコーの笑顔。


「おっと~。『今はまだ』ね。それっち、セイコのこと好きなんよね?」


 その笑顔のまま返事を待っている。

 孝満はというと、本当のことだから、否定なんかできるわけもなく。

 かと言って、肯定するのにも勇気がいる。

 ただただ恥ずかしい時間だけが過ぎていく。

 何か言おうとはしているものの、


「…え、それは…。」


 言葉が詰まって出てこない。

 とりあえず、


「今のは聞かんやったことにしてください!お願いします!木藤さんには内緒で!」


 制止の意思表示だけすることに。

 とはいえ、この態度だけで好きなのは一目瞭然なのだけど。


 嬉しさに満たされたセイコママは、


「分かった分かった。」


 ニヤニヤしながらこのハナシを終わらせる。


 …のだが。


「あの子、引っ込んじょーき、中身出たらすぐに分かるやろ?さっきも出ちょったし。」

 訳:引っ込んでるから中身出たらすぐに分かるでしょ?


 シフトしたのがセイコの乳ネタ。

 もうホント、心の底から気まずい。


 やっとのことで別の話題に飛んで、チ●ポが萎みだす。するとカメが皮を被りだし、チ●毛を巻き込んだため包皮と玉袋が切れるように痛い。


 しまった!巻き込んだ!でったん痛ぇ!


 脂汗が出る。


 おばちゃん、あっち向かんかな?


 タイミングを計っていると、ちょうど向こうを向いた。その隙に半ズボンの裾から指を突っ込んで、毛を引っ張るとやっとのことで痛みから解放された。

 まぁ、それもしっかりと見られていたのだけど。

 カウパーがしこたま湧出しているため、毛が水生ポマードでまとめたみたいになってしまっている。たまに触れる外気によって冷却されるため、なんとも気持ち悪い。

 あとで偶然指を匂ってしまったら、クリの花の匂いがした。

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