第2話 カルマ家嫡男アスラ
前回までのあらすじ
呪いを受けて、四肢が無い状態で生まれたアスラだったが、チートな能力と長生き、寿命で死ぬまでの絶対不死という、何と言って良いのか微妙な立ち位置にいた。まあ立てないけどね。
「ダアッ、カ~ミ~ハ~メ~ハ」
俺の無い腕から光の束が生まれ、邪神を包んで行く。神嵌め波、この技は簡単には死なせないところが良い。自画自賛?
「貴様、我輩の忠実なしもべになると言ったではないか」
「何時何分何秒、この星が何回まわったときに言いましたかあ?」
「グヌヌ、バカにしおって。貴様も村人100人を海に突き落として殺したではないか」
「はいッ。セイレーンオトヒメ率いる幻影魚団の皆さんです」
ズラズラと横並びに並んでいく。アンコールを受けた劇団のアレである。
「そうか、溺れ死んだ振りをして我輩を油断させたのか、無念…」
「今日も正々堂々と良いことしたなあ。自画自賛?」
「オトヒメさま幻影魚団の皆さん、ありがとうございました。おかげさまで邪神を滅ぼすことができました。これは粗品ですがお納めください」
マジックバッグからチラ見せしたのは、空気中でもエラ呼吸ができる流体ベンチレーター全員分である。お値段5億ギリー日本円でおよそ5億円である。宇宙服5着分とも言う。ついでにマジックバッグは100万ギリーとお安い。
「まあこんなに高価なものを?アスラ様、竜宮城でおもてなししますので近くにおいでの際は、かならずお立ち寄り下さい」
ボンキュッボンを具現化したようなオネイさんのオトヒメが胸の谷間を強調するような姿勢で熱い視線を送っていた。
「ええぜひ寄らせていただきます」
もと日本人の俺は、社交辞令というものを知っているため、本音では来てほしくないということを知っている。京都で「ぶぶづけをだしまひょか」と言われるのは、早よ帰れと言うことだと前世の常識でしっているのだよ。
アスラはコミュ障を拗らせていた。
悪魔族や邪神たちを、汚ない手口ではめ殺すことを繰り返し、アスラは数えで12歳になり来年は中等教育を受ける年齢になった。いわゆる厨ニ病を発症してもおかしくないのだが…
「キヒヒ、目立たず平凡な人生が一番ですよ」
「やつらは俺の平穏な暮らしに邪魔だったからね」
五体大満足転生 @funya3
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