12.女傑(バトル9)
今回のテーマは戦闘における男女差です。
異世界ファンタジー「半身転生」の中に限る話ですが。
まず、メタ的な部分から考えましょう。
戦闘描写の男女差って考慮しますか?
私はあまりしないです。
ただしメインの登場人物は男女構わずそれなりに関わらせたいので、そこに至るまでの状況には気を配ります。
例えば作中でノエル、リーゼ、クリスはいずれも女性ながらゴリゴリの戦闘職でしたが、彼女たちだけが特別だというのは若干違和感のある話です。
例えば軍の男女比が1000:1なのに主人公の周りに限れば1:3である、なんてのはおかしいわけですね。
だからこの場合、2つの理由を付けることで状況に合理性を持たせました。
まず1つ目は、異世界において女性が戦闘をする、戦場に出ることは珍しくないという前提条件の付与。
まあ現実世界でもゼロではないですし、後方支援に限ればさらに普遍的なので当然と言えば当然です。
ここでは現代よりも多くの女性が戦場に出ることが普遍的価値観であり現実である、そういう解釈でOKです。
2つ目は、やはり主人公の周りの女性陣はちょっと特殊であるという理由付け。
矛盾はしてない……はず。
ノエル、リーゼは貴族の子女で英才教育を受けていますし、何よりクラスの恩恵があります。
クリスも奴隷上がりで厳しい訓練を経てここに至るので、一般論から逸脱した位置にいるのは確かでしょう。
そんな感じで、異世界で女性が戦うのはおかしなことじゃないんですよ、それはそれとして主人公周りの女性陣はちょっとおかしい能力してますよ、そんな状況を作り出すことで意図した状態に持って行きました。
次は男女の身体能力差をどう埋めたかという話をしましょう。
現実問題、男女の平均的身体能力には差があります。
生物学的な話なので反論は無しです。
運動能力で言えば男性の方が優れていて、肉体寿命においては女性の方が優れていて? ちょっとあまり自信ないです。
とにかく差異はあるということです。
しかも戦闘描写ではその差が如実に表れる。
さあどうする? という話です。
「半身転生」では、そもそも元の世界より人間全体が頑丈にできている、スキル、クラス、魔術による素の身体能力の重要性低下、そういう要素で男女差を埋めました。
要するに男性であるか女性であるかが重要ではなくなったのです。
大事なのは総合力。
身体能力に優れているのは当たり前、そのうえで戦闘系のスキルを使いこなすことが出来るのか、魔術は使えるのか、おまけにクラスはどんなものがあるのか、そういった前提条件に世界を作り変えました。
それなら別におかしな話ではないですよね?
設定上男性の方が女性より平均魔力量が多いというのはありましたが、それも誤差の範囲に収まりました。
身体能力も素のそれよりスキル【身体強化】や魔術的身体強化の強度の方が重要視されます。
要するに、フィクションでありファンタジーであれば作劇上不都合な現実を仮想に置き換えることが出来るのです。
この手の話題は以前にも書きましたが、要はリアリティがあるかどうかです。
そんなこんなで、私は私の求める登場人物の男女比やその属性をコントロールしました。
この話は何も男女割合の調整に限らないので、ある程度役に立つ話だったかなと自負しています。
そろそろサブタイトルに触れますかね。
女傑。
知勇に優れた女性、男勝りの女性。
上述した設定に沿ってメインの女性キャラを造形した結果、とんでもないモンスターが生まれてしまったという話です。
メインヒロイン、ノエル・クレストは剣聖のクラスを持ち、最終決戦まで相当な数の戦いに絡む活躍をしました。
しかもその中でトドメを刺す役をかなりの回数担っているんですよね。
正直盛りすぎました。
リーゼ・クラークは聖騎士のクラスと治癒魔術師というこれも盛りまくりなキャラクターです。
正直これもやりすぎました。
あと彼女の場合、シンプルに頭がいいので戦後も重要なポストに就いています。
カナン公国の内側でイチャイチャしながら日々を送るクレスト夫妻とは活躍のスケールが段違いです。
一番おとなしいのがクリスでしたが、彼女ですら盛りすぎた感は否めません。
なにせ、物語序盤で彼女がいなかったら詰んでいたシーンがいくつもありますからね。
そのくせ戦いには最後まで参加するし、ちょっとおかしいです。
そんな感じで、バランス調整に失敗した結果が「半身転生」の女性陣の人外っぷりということになります。
そのほかにもアリソン・フェンリル、ポラメ・オーニール、ヘレン・ニーカラーヴァ、リリー、などなど。
もうめちゃくちゃですね。
バランスは大事にしようということです笑。
次回で一度バトルは締めたいと思います。
また書きたいことがあれば続きからやりますが。
そうですね……結局戦闘描写ってどう組み立てたの? どういうのが好みなの? そういう話で締めくくりますか。
今までの総括というのもありますし。
では。
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