11.あと一歩(バトル8)
気合いとは?
根性とは?
それって戦いの役に立つの?
そんなお話です。
結論から言って、あまり役に立たないんじゃないかなっていうのが私の意見であり、「半身転生」における基本方針です。
あまりという逃げ道を用意していることから分かるように、もちろん役に立つ瞬間もあります。
でも基本役に立たないです。
実際、そんなもんだと思います。
なぜ戦闘中に気合いや根性が役に立たないか。
そもそも戦闘中に気合いの類が求められる時、そんな時は基本的に手遅れだからです。
例えば自分がフル武装で100人の味方と一緒に行動しているとしましょう。
敵はたった5人、満身創痍です。
滝のような汗を流し、ボタボタと血が垂れ、土と泥に塗れた敵は幽鬼のような出で立ちです。
皆さんは決して油断しないので、遠巻きにして弓矢で仕留めにかかります。
一斉に矢を放ち、これにて終了。
そんな時に敵は命を振り絞って魔術で応戦し、こちらの矢を叩き落した。
これが根性の為せる業だと思います。
では皆さんはどうするでしょうか?
もう一度矢を構え、放ちます。
相手はどうなるでしょうか。
奇跡は2度続きません。
全身に矢を受けて死亡します。
そんなものです。
とまあ、こと戦闘中に限って気合いや根性がそこまで重要ではないことが分かったところで、じゃあいつ大事になるんだよという話をしましょうか。
これは私の考えですが、この手の精神論が大事になるのは練習中です。
練習は命がかかっていませんし、何かに失敗してもまあ問題ないことが大半です。
でもあらゆる意味で追い込まなければ練習になりません。
強靭な精神力で己を律して適切な負荷をかけることが出来ればそれでいいですが、多くの人はそこまで理性的につくられていないです。
そんな皆を鍛えるにはどうするか。
答えは第三者が練習メニューを作り、監督し、実施します。
部活で顧問の先生が練習を考えるように、コーチが練習を見るように、そんな調子です。
部員が自分から練習メニューを決めるのは相当レベルが高いか、誰が決めても同じ結果にしかならない時だけです。
さあ、他人が決めたことにより一切の思いやりが消えた練習メニューをどうやって乗り越えるか。
どう考えても肉体的にも精神的にも限界を越えなければならない内容をどう克服するか。
はい、気合いと根性の出番です。
今までなら諦めていた一歩を踏み出す、今までなら届かなかったところに手を伸ばす。
まあ結果的に届いているのなら仮定そのものが間違っていたことになるわけですが、あくまでも自己評価的に不可能だと考えていたことが出来るようになったと読み替えてください。
とにかく練習では気合いを出し尽くした後に攻撃してくる敵はいませんし、倒れたとしても誰かが助けてくれます。
そういう意味で気合いや根性は出す価値がありますし、出し尽くしたところで命は取られません。
精神論は戦闘中ではなく訓練中に発揮されるべきものというのはこういうところからきています。
話を戻して、戦闘中の精神状態をどう定義するか。
もちろんキャラクターによりけりでしょう。
ただ、基本的には落ち着かせるようにしています。
過度な興奮や緊張をするようなメンツは生き残れないです。
なので落ち着いて、クレバーに、今まで積み上げてきたものを発揮するだけ。
それで届かない相手とはそもそも戦わずに時間稼ぎに徹する。
そういう判断まで含めて落ち着いて冷静にあるよう努めています。
まあ、そんな状態がニュートラルな人々が必要に迫られて命がけで格上に挑むシーンなんかが最高にアツいわけなんですけどね。
こと戦闘描写において、あと一歩で勝てたのにというのは実際さほど惜しくありません。
「半身転生」内でもそういう描写は多々ありましたが、一手の差には非常に大きな違いがあります。
これが相討ちとかならまだわかるのですが、勝つ側からすれば一手の差がある状況というのは相当に余裕があるものなのです。
だからあと一歩というのは全然惜しくないし、それを気合いや根性で埋めるのは基本的にNGということにしています。
精神に背を押されての覚醒は展開として王道でつい書きたくなりますが、素晴らしい展開であるがゆえに乱発したり安易に使用するべきではないカードだと思います。
これに限らず、アツいな、いいな、王道だなという展開をいつ使うかというのは大事なテーマかなと、そう思う次第です。
これ以上は散らかりすぎてしまうのでこの辺にします。
次回は何を書くか考えたのですが、せっかくなので異世界ファンタジー世界特有の設定についてにします。
具体的には、戦闘行為を含む職業の男女差はどうなっているのか。
こと「半身転生」に限った話ですが、また次回お会いしましょう。
ではまた。
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