10.積み重ね方(バトル7)
10回、二桁に到達しました。
あんまり散らからないようにしないとですね。
今回は積み重ね方、鍛え方、そんなことについて書いていこうと思います。
「半身転生」の作中では序盤こそ訓練描写が目立ったものの、後半になるにつれ段々と描写が減っていきます。
ただし、主人公アラタが誰かと話すときは結構な頻度で自主練をしている最中だったりします。
そんな感じで、とにかく彼は毎日飽きもせず練習を繰り返しました。
私が大切にしたのは日々のトレーニングです。
ただ、描写上毎回同じ訓練の描写があっても面白くないので、あくまでもやっているんだよ、そういう人間なんだよという描写をしています。
これは個人的な意見なのですが、競技や戦闘の世界において休みなんて甘ったれのすることなんですよね。
勘違いの無いように言っておきますが、休息は必要です。
某プロ野球選手なんて1日に12時間以上寝ることは普通ですし、それは今や球界の常識にまでなりつつあります。
大事なのは常に取り組み続けること。
鍛えて、食事を摂って、体をケアして、睡眠をとって、考えて、そうやって24時間をどう使うのか。
その中で生まれた余暇でゲームをしたり漫画を読んだり小説を書いたりするのは自由です。
ただし、そちらがメインになった時点で話は終わるのです。
少なくともそういう世界は厳然として存在します。
アラタもかつては世代ナンバーワン投手と呼ばれた男ですから、その辺は色々と自分の考えがあります。
彼の普段の起床時間は6時で、朝練のあと学校で授業、午前中で授業が終わって午後は全て野球、全体練習後に自主練をやってから寮に戻って食事や入浴やその他雑務、遅くとも20時には就寝という生活を送っていました。
異世界ではもう少し違うタイムスケジュールを選ぶことになるのですが、やっぱり世間一般からするとストイックですよね。
ただ、私がバトルファンタジーの主人公に求める水準を達成するためにはどうしても譲れない部分でしたし、そういう意味でも世代トップクラスの球児という設定は活きてきたと思います。
積み重ねることの大事さを、彼らは既に知っています。
それを物語の中で知ることになる展開も、それはそれでいいのではと思ったこともあります。
しかし展開が間延びしてしまうことを考慮すると、それはちょっとなって感じでした。
それをやるなら主人公がある程度成長した時点から物語が始まり、異世界転生やその直後を回想という形で挿入するでしょう。
そういうやり方は大いにありなので、必ずしも初めから主人公が練習の虫である必要はないと思います。
さて、散らかってきたのでもう少し絞りましょう。
頑張るってなんですか?
積み重ねるとは?
鍛えるってどういうこと?
答えはひとつではないでしょう。
ただ、やっぱり中長期的なビジョンを持って心身を錬磨するという側面は外せないと思います。
1日20時間の訓練を1週間やる。
これはこれで必要だと思います。
けれどもこのやり方では消耗する一方なので、この生活を続けるのは難しそうです。
毎日できるだけのことを行って、次の日により多くの負荷を掛けられるように回復する時間も見積もる。
これが訓練を積み重ねる大前提です。
「半身転生」ではポーションやら治癒魔術やら回復手段があったので、この辺のサイクルを早めることもできましたが。
とにかく、テスト1週間前から詰め込むようなやり方はご法度ですし、もっと言えば受験をする年になってから勉強を頑張るというのも足りないです。
もちろん現実問題そうせざるを得ないケースはありますがね。
アラタの場合、甲子園に出るためプロになるために小学校1年生から練習を重ねてきたわけで、そういう精神構造は本当に貴重かつ糧になるものなのだと、ここ数年痛感しています。
世間の皆がそういう生き方をしているのだろうなと思っていた時期が私にもあったのですが、エコーチャンバーといいますか環境バイアスと言いますか、とにかく勘違いだったのです。
普通の人は毎日頑張れないし、負けてもさほど悔しがらないし、すぐに結果が出ないとやる気を失いますし、別にそれは悪い事でもない。
そう最近は考えています。
ただ、普通じゃダメなんです。
私の作品の主人公は普通じゃダメなんです。
普通の人にはできないことを、元普通の人が成し遂げようと奮闘するから面白いんです。
だからアラタは練習の鬼ですし、実戦経験の大切さを知っていますし、体をケアする意味と価値を理解しているのです。
ちょうどタイムリーな話ですが、人間性を捨てる必要があるのであれば、捨てて勝てるのであれば迷わず捨てるような狂気じみた人間でなければならなかったのです。
……訓練というよりその背景の精神性の話になってしまいましたね。
これだから根性論を振りかざす老害は、とでも思ってください。
次回は戦闘描写の作り方を絡めつつ、気合いとは、根性とは、そういった話を書こうと思います。
では。
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