6.強靭な精神と強靭な肉体(バトル3)

 強靭な精神と強靭な肉体を持つ主人公。

 「半身転生」で大事にした設定です。

 今回は主人公の属性について、具体的にはなぜウケなさそうな設定にこだわったのかについて書いていきます。


 アラタ・チバ——本名を千葉新。

 1999年10月22日、東京都台東区生まれ。

 小学校1年生から地元の少年野球チームで野球をはじめ、6年生ではエースで4番でキャプテンを務めた。

 中学ではリトルシニアの強豪荒北シニアに入団、レギュラーにはなれなかったもののベンチ入りメンバーとして全国大会出場を数回経験する。

 高校は地元を離れ神奈川県横浜市の名門、横浜明応高校に進学する。

 そこで頭角を現し、1年夏からエースに抜擢、同校を5年ぶりの甲子園出場へと導いた。

 1年秋の関東大会で準優勝し春の甲子園の切符を掴んだものの、部内の不祥事で出場辞退。

 3年最後の夏、神奈川県大会をほとんど1人で投げ抜き2年ぶりの甲子園出場を決める。

 世代ナンバーワン右腕との呼び声高く、プロ野球ドラフト会議では複数球団による1位指名が確実視されていた。


 ……盛りすぎですね。

 全然感情移入できないし、どうやったらこのレベルの選手が野球をやめて大学に進学するんだよって感じですよね。

 まあその辺の事情は本編を見てもらいつつ、ここでは話を主人公の設定に引き戻します。

 まず、「半身転生」では転生の仕組みや世界観から構築が始まり、バトルファンタジーものにすることが決まりました。

 つまり主人公の設定は後から決定されたのです。


 魔物がいて、文明水準が現代日本より著しく劣り、スキルや魔術やクラスといった超然的な能力がある世界。

 そもそも人間という種の素の身体能力や耐久性も高い世界で、主人公が周囲に埋没せずに活躍するには、厳密にはそうなるだけの素地を与えるには、一体どんな主人公にすればいいのか。

 その答えのひとつが上述した盛り盛り主人公だったのです。


 これは持論ですが、元の世界でうだつの上がらなかった人間が異世界で活躍するのは不自然ですし、そこにはきちんとした理由が必要だと思います。

 そこで転生ギフトですよというのは理解できますが、私は信条からそういうことは選びませんでした。

 だから元の人間を厳選する。

 神様だって転生させる人間は選びますしね。

 いやいや、そこをランダムピックして転生させて苦しませるから面白いんじゃないかという人はさておき、私はそういう考えで人を選びました。


 やっぱり、体育会系が重宝されるのにはそれなりに理由があると思います。

 そんな日本社会の現状が素晴らしいものかどうかには疑問符がつきますが。

 それでもなんだかんだ言って挨拶は出来るし礼儀正しいし、椅子はしっかり元に戻すし周りをよく見るし、ゴミが落ちていたら拾ってゴミ箱に捨てるし、体力と集中力があるから長時間働けるし、なんだかんだ重宝します。

 まあこれは上澄みの話なので、やっぱり全体としてこれを満たせる人材は少ないわけですが、彼らは元々こういったことをきちんとできないと人間扱いしてもらえない世界で生きてきたわけで、その辺の鍛え方は他とちょっと違うわけです。

 ドラ1候補筆頭なんてその最たる例で、まあ例外はありますが彼らは基本的に素晴らしい人格に素晴らしい能力を搭載したスーパーマシンなんです。

 それくらいの人間を転生させないと、ちょっと主人公として足りないかなと思った次第でした。


 そんな超SR設定の人間を異世界に投入したわけですが、結果どうなったのかはぜひ本編をご覧ください。

 リアリティとはという話になりますが、アラタレベルの人材でもあれだけ苦労することになりました。

 一般人として生きていくルートであればもう少し難易度は下がりますが、それではバトルファンタジーにはならないですしね。

 6歳から18歳まで血を吐く思いで自分を鍛えてきた人間が、1年弱のブランクを経て異世界で奮闘する。

 やっぱりそこでも死ぬほど辛い毎日を過ごして、それでようやく周りと同レベルに成長していく。

 簡単に人は強くなれないですし、そこには世間一般で才能と呼ばれる要素も必要だと思います。

 ただ呪文を唱えるだけで、ただスキルを行使するだけで、ただ神の加護を請い願うだけで異世界チート無双できるなんて、そうは問屋が卸さないというのが私の作った世界の話でした。


 異世界バトルファンタジーの世界基準で活躍するには、他を圧倒する程に強靭な精神と強靭な肉体が必須である。

 それが私の考えであり、「半身転生」に組み込まれた考え方です。

 必ずしもこうしないと面白くないなんてことはないですし、やっぱり主人公は親近感あってのものだとも思います。

 だから何の変哲もないその辺の中高生を異世界に飛ばすのもありだと思います。

 ただ彼らに殺し合いを強制させるなら、そこで勝ち抜く業を与えるのなら、そこにはそれなりの説得力や合理性があった方が腑に落ちる部分が大きくなるのではないか、そう思った次第です。


 次回はそうですね……戦闘描写ってどう組み立てるのかについて書こうと思います。

 私は普通に独学かつ書籍化とかも縁がないレベルなので、半分独り言のようなものですが。

 それでも書いていて色々学んだことをアウトプットしていこうと思います。

 ではまた。

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