第38話 その手で
彩葉は、柾人に肩を抱かれ引き寄せられた。
柾人の右足を、両腕で跨ぐように体勢を支えると、右手が捕まれ柾人の陰茎を握るように導かれる。
柾人の意志そのままに、彩葉がそっと握る。
その手首から手の甲を包むように、柾人の手が覆った。
「…お前が勃たせて。手で…扱いて…」
柾人の手が彩葉の手を使い、ゆっくりと上下に動かし始める。
そして手は動かしながら、柾人の唇が彩葉の唇を塞いだ。
スルリと柾人の肉厚な舌が入り込む。
互いの舌が擦り合うように重なり、ぴちゃぴちゃと耳に水音が届く。
そして右手から、柾人の熱が次第に篭っていく様がありありと伝わってくる。
キスの合間に、唇の隙間から零れ落ちるように、柾人の熱を帯びた息が吐き出される。
そして唇が離される。
柾人の唇が彩葉の額に寄せられる。
熱い息が額に掛かる。
「…あぁ…、入れてぇ…」
小さく呟かれた言葉に、彩葉の胸の鼓動がドクンッと鳴った。
未だ柾人の手に導かれて、彩葉の手の動きは止まらない。
「…そのまま…」
そう言うと、柾人は枕の下に手を伸ばす。
いつの間にか、さっきナイトテーブルから取り出した避妊具は枕の下に忍び込ませていたらしい。
焦りを滲ませ、柾人は片手で手にした避妊具を握り、その端を歯で噛んだ。
そして片手を使い、避妊具のパッケージを開封する。
「…根元…押さえてて」
彩葉の手を、自分の屹立したものの根元で固定させる。
「…着けたら…もう入れる…」
彩葉の目の前で、スルスルと避妊具が着けられる。
もうすぐ、彩葉が昂らせた柾人の大きな昂りが挿入される。
宣言されたすぐ目の前に迫った未来に、彩葉は震えた。
そして触れてもいない隘路が、その言葉にヒクリと反応した事を自覚した。
その動きに、滴り始めた愛液が足を濡らした。
避妊具を着け終えた柾人が、彩葉にキスを仕掛け、彩葉の身体はゆっくりとベッドに押し倒された。
絡む舌と共に感じたのは、柾人の昂りが彩葉の入口を擦る感触。
そしてゆっくりと、柾人の大きさを確認させられるかのように挿入される。
「…はぁぁっ!!…あっ…」
ゆっくりとは言え、最奥まで挿入された柾人のものの圧迫感に、彩葉は仰け反った。
そしてゆっくり引き戻され、次の瞬間、音を立てて勢いよく最奥まで押し込まれた。
「…ひぃっ!!…逝くぅっ!!」
ビクビクと身体を震わせた彩葉の反応を、柾人は動きを止めて見ていた。
「…まだ終われない。…お前が悪いよ。…ちゃんと…耐えて」
柾人は彩葉の頬を、優しく包むように触れ、そっと撫でた。
そして彩葉の両肩を、抱え込むように掴む。
柾人に抑え込まれる様に抱きとめられ、彩葉は身体を逃がす事も出来ない。
その状態で、柾人は彩葉に穿ち始める。
そこからは彩葉の嬌声が、柾人の耳の側で発せられ、更に柾人の腰が激しく動かされた。
彩葉にも、頬やこめかみにキスをされながら、柾人の息遣いや熱を帯びた僅かな声が響いた。
「…ああぁっ!!…ん…くふぅ…い…逝く…逝っちゃう…はぁぁっ!!」
身動きが取れないまま、彩葉は柾人の身体の下で逝く。
その収縮した彩葉の密口の動きに耐えるように、柾人の動きが止まった。
そして柾人は繋げたまま、ゆっくりと身体を起こす。
彩葉の両足を大きく広げさせると、その太腿に手を添え、自分に彩葉の身体ごと引き寄せた。
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