《連載中》椅子に傅く

第35話 肌の感触

既に一度は逝ってしまった彩葉の肌は、少ししっとりしている。

吸い付くような肌は、指を滑らすだけでは満足出来ず、柾人は唇を寄せる。

そして唇からの感触に悦びを覚え、更なる悦びを求め、鼻先や頬も擦り付ける。

彩葉が微弱に悦びを表す箇所すら知りたくて、ゆっくりと何処も彼処も触れていく。

首筋、肩口、脇、肘、手首、指の股…

全てを知りたくて、吸って、舐めて、軽く齧る。

肩甲骨のラインに沿って、舌先を滑らせると彩葉の身体に力が入った。

鼠径部から腸骨に向けて舌を走らせると、甲高い声が上がった。

小さな臀部の際を吸い上げると、まるで何かを強請るように小さくヒップが揺れた。

まだ知らなかった、彩葉が感じる箇所を知る度に、まるで宝物を見つけたかのような気持ちになった。

胸元まで肌を赤くし、身体を火照らす彩葉をじっくり食べ尽くしたいとばかりに、柾人は丹念に彩葉の肌を食む。

そして一層悦びを表す胸の頂きは、より丹念に。

「あぁっ!!…ん…く…ふぅっ…」

逃しきれない快感に、彩葉は身体を捩らせる。

両手で両方を摘んでコリコリと捏ねると、彩葉の声が一層止まらない。

そして無意識か、胸を突き出し強請るように揺れる。

そして触れてもいない腰を、淫らに小刻みに揺らす。

「あぁっ…そこ…ぉ…やぁ〜っ」

そして口に含んで転がせば、背中を反らせて逝ってしまう。

激しさは欠けらも無い愛撫に、彩葉は身悶える。

「…もう…っ、…焦らすの…やだぁ…」

そんなつもりは無かったが、逝った後もそこばかりに触れている事に、彩葉が焦れて鳴く。

「…じゃあ…キスも一緒に…」

柾人は彩葉の身体の横に横たわると、彩葉の顔を自分に向け、唇を舐めた。

そして快楽を求めて滴る蜜に触れる。

指を忍び込ませれば、淫らな音を醸し出し、柾人の指に縋るように収縮をする。

既に自然と開いていた彩葉の足を、柾人は更に限界まで開かせる。

彩葉の舌を可愛がっていた柾人の口は、首筋から徐々に、柔肌に舌を走らせながら早急に降りてくる。

そして覆い被さるように、充血して凝り固まった蜜芯を吸い上げた。

「…ひぃっ!!」

彩葉は、その一吸いで激しく絶頂する。

柾人はそんなつもりは無かったが、焦らされていた彩葉は、突然襲った強烈な口技にまるで雷にでも撃たれたかのように、全身を突っ張りビクビクと身体を震わせた。

その様子に、柾人は指を抜き彩葉の体勢を変える。

自分の座り位置を変え、彩葉の腰を浮かせた。

柾人の胸元まで彩葉の腰は上げられ、彩葉の身体は中途半端に曲げられる。

柾人の眼前には、彩葉の欲望そのものである甘露が滴っている。

濡れそぼった隘路に、まるでキスをするかのように舌をねじ込んだ。

「…ひゃぁっ!!ダメ!!…今…ッあぁぁっ!!」

柾人は舌をクニクニと動かしながら、更に充血してその存在を主張する蜜芯を親指で優しく擦る。

縋り付くモノがなく、身体を捻り頭の下にあった枕に顔を寄せ、彩葉は強烈な快感に身悶える。

一層大きな声が絶え間なく口から溢れ出る。

柾人は、そんな彩葉の媚態を目を離すことなく見つめた。