第14話 翻弄
想像していたよりも豊かな胸と括れたウエスト、柔らかな臀部を指や舌で堪能した。
綺麗な背中を辿り、臀部から女性らしいラインの足。
薄明かりの下で自分の手で詳らか《つまびらか》にした裸体に、これ程までに興奮するとは。
舐められたことの無い場所を舐められる度に、驚きの表情を見せ、次に快楽に驚きを深めている様子に昂りは増す。
しかし感度は良いようで、触れる度に良い反応を見せる。
初心な彩葉に、過度な快楽は辛いだろうと、少しずつ様子を見ながら追い上げる。
彩葉の秘所に指を入れ、良い反応を見せる箇所を圧迫する様に擦ってやれば蜜を滴らせた。
そして同時に、その上の秘豆に触れれば、可愛い声を絶え間なく上げた。
「...ダメぇ...ソコ...ッ!!...社長ッ...!!...そこ、やだぁぁ...」
中に忍び込ませた箇所を集中的に責めれば、彩葉は細い腰が揺れ、強請る身体と反対の言葉を言い出した。
「...イイんだろ?続けて欲しいって言えよ」
煽るように言う柾人に、彩葉は何度も首を振る。
「...違っ...ッ...あぁっ!!...中...!...変...あぁぁっ」
彩葉は、身体を捩って枕に顔を埋め始める。
「...お前...、逝った事無いのか?」
柾人が言った言葉に、彩葉はコクコクと顔を隠しながら頷く。
その様子に柾人はニヤリと笑うが、当然ながら彩葉には見えていない。
そしてその言葉を聞いた柾人は、更に挿抜する指の速度を上げる。
「...あぁぁっ!!...イイ...ッ...気持ちイイよぉ...っ...あぁぁ!!」
彩葉は背中を弓形にしなり、身体をひくつかせながら絶頂を迎えた。
「...初イキって訳だ。...もう少し付き合ってもらおうか」
そう言うと、柾人は彩葉の両膝の裏に腕を入れ、覆い被さる。
たった今、柾人の指が出入りしていた場所を、今度は柾人の昂ったモノが当たっていた。
「...入れるぞ」
短く宣言されると、それは直ぐに行われた。
勢いよく入ってきた柾人のモノが、彩葉の最奥まで到達する。
「...っ!!...ったぁ...」
思わず、彩葉が苦痛の声を上げた。
その様子に、柾人は動きを止めた。
「...痛いか?」
「...少しだけ...」
様子を伺う柾人と目を合わせ、彩葉は言う。
激痛では無いが、思わず「痛い」と言ってしまう程には痛みがあった。
「...あぁ、そうか。奥も“未開発“か。ゆっくり...少しずつするから、とりあえず手前で感じてな?」
柾人の言う意味が分からないまま、彩葉は頷く。
すると柾人のモノの先端が、さっきまで指で責められていた箇所まで引き戻され、浅く擦り上げられる。
指よりも、更なる快感が強制的に引き出される。
しかもさっき逝ったばかりで、僅かな刺激ですら強烈な快楽へと繋がった。
グチュグチュと卑猥な水音が、2人の荒い吐息に混じって響いた。
そして柾人が行う挿抜で、繰り返し何度も彩葉は逝く。
それでも柾人の腰の動きは止まらない。
ゆっくり動いていたかと思えば、激しく動く。
どちらの動きにも過敏に反応し、彩葉は啜り泣くように声を上げた。
そして徐々に奥へ進んでいく。
柾人の身体が彩葉の身体に密着し、再び最奥まで押し込められた。
しかし既に何度も絶頂を迎えていた彩葉は、痛みを感じていた最奥で、今までのどんな時よりも強烈に逝った。
「...覚えておけ、ココが一番イイ所だ。何れ...ココを責めて欲しいと強請るようになる。」
耳元で囁かれた言葉と共に、柾人が最奥を責める為にグリグリと腰を回した。
「...ヒィッ...!!...ダメ、ダメっ!!」
「...ほら、初めて...奥で逝けたんだ。もっと逝きな。」
初めて知った柾人の体温や匂いと共に、強烈な快感を教えこまれ、彩葉は身動きすら出来ないままイキ続けた。
◇◇◇◇◇◇
喉の痛みを覚え、彩葉は閉じていた瞼をゆっくり開けた。
うつ伏せに眠っていたようで、身体を起こそうと動いた。
その時、自分の背中に重い何かが乗っている事に気付いた。
右側から伸びたその重みを見る為に首を捻ると、横には同じくうつ伏せに眠ってしまった柾人がいた。
重かったのは、どうやら柾人の左腕だった。
一瞬驚き、思わず声を上げそうになったが、何とか耐えた。
耐える為に口元を押さえた手を使って、そっと柾人の腕をベッドに下ろす。
すると柾人が身じろいだ。
起こしてしまったかと思ったが、横向きに体勢を変え、柾人は再び眠りに着いた。
その柾人を見下ろしながら、彩葉は静かに焦っていた。
とんでもない事をしてしまった。
勿論、二人とも成人した大人だし、同意で寝た。
それでもだ。
柾人は上司だし、これからも一緒に働いていかなければいけないのに。
少なくとも不貞を働いたとかでは無いし、彩葉が襲った訳では無いからそこは良い。
問題は彩葉の恋心だ。
ただでさえ嫌われていたのに、更に肉体関係を持った。
これからどうなるのか。
ちゃんと自分を律して業務を行えるのだろうか。
柾人の顔を見る度に、柾人とのセックスを思い出して動揺しそうだ。
そう考え、脳裏に鮮明に昨晩の柾人が蘇った。
自分の身体に触れ、そして自分も柾人の官能的な肉体に触れた。
ブワッと全身から汗が吹き出した。
顔が熱くて堪らない。
動揺した彩葉は、アワアワとベッドから抜け出した。
そしてベッドからリビングへと点々と落ちた自分の衣服を身に着けると、逃げ出すように柾人の自宅を後にした。
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