第8話 あなたからの手紙

諒、あなたが死んでから、何年経ったんだろう。何年?何百年?何千年かもしれない。

あなたからの手紙を、読みました。まさかあんなことが書いてあるなんてね。


リャーミャへ

 まずは、本当にごめん。リャーミャに何も聞かず、俺だけで、未来を決めてしまったこと。俺は後悔なんて微塵もしてないけど、リャーミャはそんなの、関係ないもんな。

 リャーミャと初めて出会った日。俺はつまんなさすぎて、死にそうだったんだ。そんな時に現れたのがリャーミャ。それからの日々は、これまでにないほど輝いてた。リャーミャが記憶を消した日。俺は君に謝ろうとしてたんだ。今謝るよ。突然逃げられて、嫌な思いしないわけないよな、ごめん。

 リャーミャと再開した日。初めて会った時のことを、すごい勢いで思い出したんだ。本当に思い出すことができて良かった。もう一度、君に出会うことができて良かった。

 リャーミャ、君はこれからとてつもない長い時間を生きることになると思うんだけど、なんでそんな君を遺して逝ったかって言うと。初めて会った日の、あのキラキラとした眼が、忘れられなかったんだ。この世界には、リャーミャが知らないことがたくさんある。それを知っていってほしい。もちろん、リャーミャに死んでほしくなかったっていうのもあるけど。

 最後に、リャーミャ。愛してる。

                    諒


読み終わるの、なかなか大変だったんだ。まず、諒たちの言葉を勉強するところからだったからね。

でも、たくさんの美しく、楽しい世界を知ることができた。

ねぇ、諒。月が綺麗ですね。

あなたなら、死んでもいいわって返してくれるのかな。

愛してる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

明日と永遠 倭塔瓦 @yksn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る