第2話
「ラブホじゃないんですね」
連れてきたのは、時々利用するシティホテル。
「嫌だった?」
「いえ、特別感あって良いです」
「今夜だけだから特別にね」
彼女はふっと小さく笑う、わかってますよと。
「私はあと腐れないですから、楽しみましょう」
同じバーにいたから、先週の子を怒らせたところも見られていたらしい。
若いのに、遊び慣れているようだ。
「シャワーお先にどうぞ」
「お姉さん、一緒にどうですか?」
「えっ」
「先に行ってますね」
名前も歳も聞いてないけれど、きっと私より十歳は若いだろう。余程の自信があるのか、または恥じらいがないのか。
恥じ? 今夜限りなのだから、そんなもの必要? ただ楽しめば良いんじゃない? 私は自分に言い聞かせ、彼女の後を追う。
「あ……ふふっ、くすぐったい」
「強く擦らない方が肌には良いのよ」
泡で全身を洗ってあげると身体をくねらせる。
「それでお姉さん綺麗な肌なんですね」
「あら、お世辞でも嬉しいわ」
「嘘じゃないです、私、正直だけが取り柄です……から……あっ、いいっ」
「ここは特別優しく丁寧にね」
シャワーの湯とは違う粘り気のある水分を湛えた場所も綺麗に洗う。
「あぁぁ……んん」
「いい声で鳴くのね」
正直と言っていた通り、すでに表情は何かを欲しているように私を見つめる。
可愛い唇にキスをする。
「ベッド行くわよ」
歩けなくなる前に、シャワーで泡を流しタオルに包んでベッドへ連れていく。
その途中でも何度かキスを交わす。
「お姉さん上手すぎ」
褒められれば気分も上がる、もっと気持ちよくさせてあげたいと思う。
「ん……凄いっ、気持ちいいです」
ギュッと腕を首に巻きつけられる。自然と密着する身体の温かさに、私もひと時の安らぎを得る、一夜限りの関係。
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