第5話
「カレンはもういるの?」
僕はその問いかけに何だかドギマギする。
(カレンちゃんは可愛いし、大人びているし、たぶん……)
「いないよー。だって、もし彼氏を作っちゃったらユウがNTRで脳が壊れちゃうもんねー」
「NTR?」
「NTR?」
僕もアリアお姉ちゃんも聞き慣れない言葉に頭の中がクエスチョンマークになっていた。
「じゃあ、いいや。ユウ。映画観よ!」
その後、カレンちゃんとアリアお姉ちゃんとで映画を観た。
◯
僕はお客様用の部屋のベットで横になって目をつむる。
(映画、怖かったけど面白かったな……)
そう思っているとドアがコンコンという音が鳴って、僕は少しびっくりしてしまう。
「ユウくーん……入っても……いい?」
ノックの主はアリアお姉ちゃんだった。
「うん。大丈夫だよ。どうしたの?」
僕はベットから起きて、ドアを開けるとアリアお姉ちゃんが恥ずかしそうにしながら立っていた。
「カレンには内緒にして欲しいのだけど……」
アリアお姉ちゃんが耳元にきて、「映画が怖かったから一緒に寝て欲しいな……」と呟いた。
アリアお姉ちゃんと一緒に寝る……
そう思うと僕の顔は少し赤くなりそうになるけど、怖がっているアリアお姉ちゃんの顔を見ると、そんな気持ちはどこかに行っていた。
「うん。大丈夫だよ」
「ありがとう!ユウくん大好き♡」
そう言われると心臓が跳ねるような気がしてぽうっとなる。
そのまま連れられて、アリアお姉ちゃんの部屋に入った。
「ほら♡はいろ♡」
アリアお姉ちゃんは先にベットに入って、毛布を少し持ち上げて誘ってくる。
「お邪魔します……」
ベットに入るとアリアお姉ちゃんのあったかい温もりと少ししっとりとした感触。
そして、ずっと嗅いでいたくなる甘い香りが充満していた。
「ユウくん。そんなに離れていたら落ちちゃうよ。もっとこっちに……来て……」
アリアお姉ちゃんは僕の手を握ると少し引っ張ってきた。
(お姉ちゃんの手……柔らかくて気持ちいい……でも……)
その手は少し震えていた。
(お姉ちゃん。そんなに怖かったんだ……僕も男の子だ!男らしく。大丈夫だよって安心させてあげなきゃ!)
そうやって近づくとアリアお姉ちゃんがギュッと抱きしめてきた。
(ひゃふうっ!)
「アリアお姉ちゃん?」
「ごめん……こうやって寝させて……」
「う、うん……」
アリアお姉ちゃんに抱きしめられて邪な気持ちにならないように心のなかでお教を唱える。
(ここは男らしくどうどうと……そしてエッチな気持ちにならない。女の子を安心させてあげる……)
「すう……すう……」
アリアお姉ちゃんはのか、寝息が聞こえてくる。
(よかった。寝てくれた……)
「あむっ♡ちゅぱっ♡」
「ひゃふっ!」
ねっとりとした触感が僕の耳たぶに伝わってくる。
そして、吐息の音が僕の鼓膜をくすぐって、背筋がピンとなった。
(お、お姉ちゃん、寝ぼけて僕の耳たぶをしゃぶっている!)
「ちゅーっ♡ちゅーっ♡」
アリアお姉ちゃんのあったかい口の中に耳たぶが入り込み、ちゅーちゅーと吸われ、唾液で濡れているのを感じる。
(はっはっはっ、落ち着くんだ僕!これはキスじゃない、それに寝ぼけているだけ!落ち着くんだ!)
でも、もう少しでほっぺたにキスされる状況。
唇と唇のキスじゃないし、アリアお姉ちゃんも高校生。僕と違って大人の女性だ。キスの一つや2つは大事な物ではないかもしれない。
でもキスはやっぱり恋愛対象とするもの!
(少し離れないと……って触手が足に絡んで!ってかアリアお姉ちゃんの足も僕の身体に絡みついてる!)
気がつくとアリアお姉ちゃんが足と触手まで使って僕を抱きしめていた。
サキュバスのお姉ちゃん家にお泊りする事になった僕 TKあかちゃん @tktottuan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。サキュバスのお姉ちゃん家にお泊りする事になった僕 の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます