第18話 本格的に始める訓練

次の日、朝ご飯を食べた後両親に改めて感謝の言葉を伝え、両親と一緒に村の皆の所を周っていき一人一人に挨拶していった。


今日から更に自分を追い込むべく、両親に許可を取り村の広場で訓練する事になった。


貰った防具を身に着けランニングをし続けて、体力と身体能力の向上を目指した。


走れはするもののペタペタ走りにどうしてもなってしまい、小石に引っかかってこけてしまったりして、心配そう見守ってくれている人が何人も居るが、体力をつけてもっともっと筋トレや訓練で追い込めるようになりたいので転んで膝を怪我して立てなくなったら怪我した場所だけ回復魔法で回復させ、体力は回復させないように気を付けて走り続ける。


足が動かない位に疲れてしまったら、今度は体が休む前に筋トレを始める。


プランク・腕立て伏せ・石をダンベル代わりにしてなんちゃってアームカール、立たずに出来る事をして、マジックバックに入れておいた水筒を飲みつつ体が動かなくなるまで筋トレする。


ここで重要なのは回復魔法を使わないという事、なぜなら折角追い込んだ筋肉を直してしまうから。


次は身体強化を使い筋肉の疲労をカバーした上で強化し、闇魔法で重力を自分にかけつつ、周囲の魔力を使用できるよう注意しながら、訓練用の大斧を体全体を使って振り回す。


魔力に注意しすぎると、大斧を振る時にバランスを崩してしまうので集中しなければいけないからかなり気を遣う。


気を遣うということは、それだけ疲れる。


頭と体が限界を訴えてくるまで、それを続けた。


どうにもこうにもヘトヘトになったら広場横の木の下で水を飲み、作ってもらったご飯を食べ英気を養い、横になって休憩する。


体の疲れが取れてきたらまたランニングから始め筋トレし、次は剣の練習をする事にした。


この時に使う剣はお父さんから貰った竜の剣。


ちょっと重くなってしまうが流石に抜刀して振るうのは危なすぎるので鞘に納めたままにする事にした。


転ばない事に重点を置き身体強化を使った上で重力を使いゆっくり剣を振るう事に集中し振り続ける。


魔力操作を中々集中しなければいけなかったからか体より先に頭がフラフラしてきたので剣の訓練をやめて、大斧を身体強化のみを使って体に限界が来るまで訓練し、休憩、水とごはんを頂き横になって休んだ。


体の疲れが取れてきたからまた始めようと思ったら、動けなくなってしまった。


体がピクピクして動けなかったのだが、足音が近づいてきて話掛けてきた。

「よく追い込んだねアンドレイ、なかなかやるじゃないかえらいぞ」

近付いてきた足音、アリーさんがそういって頭を撫でてくれた。


ずっと見守ってくれていたのだろうか。

「アリーさん、もっとやりたいんだ。どしたらいい?」

僕がそう言うと目を丸くした後、はにかみながら僕を抱っこする。

「体が動かないんだから、どうにかしたいなら回復魔法しかないだろうよ。ハッハッハ、体力ってのは急につかないんだから、これからも追い込んで追い込んで追い込みまくって体力をつけていくことだね。今日は戻って体を休めて魔力の訓練だけに努めるんだ。」

そう言ってくれているアリーさんの顔は満面の笑みを浮かべてくれていた。


家に着いてドアをアリーさんに開けて貰ったら、そこには両親が笑顔で出迎えしてくれて、僕のことを褒めてくれた。


僕を広場で訓練してる姿をアリーさんと一緒に遠くでずっと見ていてくれたみたいでヒヤヒヤしていたらしいが、頑張って訓練しているのが嬉しくて、結局ずっと見ていたそうだ。


今日から、毎日肉多めの料理を作ってくれると言ってくれた。


楽しみだなぁ、無理矢理にでも食べまくって体を強くしよう。

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