第15話 気になっていた事

僕は喋れることを披露した次の日から気になる事を聞きまくり色々教えてもらえた。


まず1年は10か月となっていて神様が10人?柱?居るらしくその数だそうで、そして1か月は30日だと言われたが、何故か聞くと知らないそうだ。


そしてとっても重要な強くなる為に必要な事を聞くと、スキルを得ること、敵を倒し自分の魂を強くすること、訓練をすることと言われた。


スキルは産まれた時から必ず一つ以上は何かしら得られており、自分で得る事も可能で訓練し続けたり特定の条件をクリアすることによって取得する事が出来るようだ。


取得する条件が厳しければ厳しいほど得られるスキルは強力な物となっており、そういうスキルや、生まれ持たなければ取得できないスキルなどを持っていると重宝されるそうだ。


僕のスキルは何か聞いてみたが、それを確認するのは5歳になってから教会に行き確認するのが通例らしく僕も5歳になった時に確認するそうだ……、だが両親は僕が普通の赤ちゃんではなく、尚且つやる気もあるからと、5歳になる前からスキルを取得に協力してくれると言ってくれた。


確認できるのは教会に行ってからだが、取得自体はその前でも出来るしスキルを得れば取得できるみたいだ。


取得した事が本当にわかるのか気になったがスキルによってはすぐにわかるみたいで、お父さんは5歳になる前からスキルの取得をさせられていたらしく、《剛力》と言うスキルを得たと思われる瞬間、自分で分かる位には変化を感じたそうだ。


そして敵を倒すと魂が強くなると言うのだが、レベルの概念とはまた違うみたいで、段階的に強くなるわけではなく、少しづつ自分が強くなれるそうだ。


強い敵を更に強い人に弱らせて貰ったり動けなくして貰った上で倒しても微量しか魂を強くする事は出来ないそうで、最初はどんなものを倒しても魂は強くなっていくが、自分と同じ、もしくは格上の敵を己の力で倒したりすると魂を強くなりやすいと言われ、強さの差がスキル取得の条件となっているものもあると言う。


格下を倒し続けても魂は少しくらい強くなりはするがその上昇幅は自分の魂が強くなるにつれ下がっていくらしい。


仲間と協力して倒したらどうなのかを聞いてみると、格下の敵はやはりダメだが、仲間と共に戦っても油断できない同格の敵だったり、強い敵だったりすると魂は強くなるそうだ。


そして訓練すること、これが一番大事だと言われた。


なぜなら訓練によってスキルを得ることが出来るものもあるし、魂を強くする事もなく戦う経験を積み、己を鍛え続けることによって取得条件が厳しいスキルを得やすい状況を作り出す事が出来るし何よりも自分の心を強くすることが出来る。


というのも心が弱ければどれだけ強くなった所で苦境に立たされた時に挫けて使い物にならなくなってしまい死んでしまう可能性が高く、自分が弱くても心が強くなればどれだけ苦境に立たされても挫けずに突破口を探し続け、生き抜いていけるようになると言われた。


例外として、自らが何かを成し遂げたり極めたり良い行いをしたりすると運が良ければ神様からの加護が貰える事があり、赤ちゃんの時から神様からの加護を得ている者も居るそうだ。


その加護も神様からどれだけ気に入られたか次第でこれまた強力な力を授けられる事もあるという。


両親を含めた村の何人かは戦神から加護を貰い、それ以外にも神様の加護を貰った者が居るみたい。


お父さんがとにかく厳しい訓練をすればするほど良いことづくめだという話をした後「まあその根性があればの話だが……。出来るのか?」と、僕の目をニヤっと笑いながら見つめてきて、僕は「まぇけない!(負けない!)」と宣言した。


それを聞いた両親や周りにいる人達は獰猛な笑みを浮かべていた。


僕はこの世界を全力で強くなり、生き抜くと心に決めていた為そう宣言したものの、周りの大人達のどう考えても普通じゃない笑みを見て、ビビってちょっと漏らしちゃった。


赤ちゃんでよかった。

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