第9話 大化の改新です
「おはこんばんにちわ。それでは、前回の続きを語っていきますね。まずは、中国の動きから話しますよ。中国の大国、隋は618年に滅び。唐という国が建国されます」
「もう滅びんの? 建国から40年も経ってねぇぞ」
「滅亡した理由としては、大運河や長城を造るため、二百万を超える人民を酷使したことが一つ。そして、もう一つが、ピクニックをやりすぎた所為です」
「ピクニックってなに?」
「朝鮮半島北部に高句麗(こうくり)という国家がありまして。隋の建国当初から関係性が悪く。隋の二代目王、煬帝も侵攻を決め。お弁当と武器を持って向かっていきました」
「それ、ピクニックじゃないよね。武力侵攻だよね!」
「隋のピクニック旅行は三回にもおよび。高句麗は度重なる侵攻に崩壊寸前でした。次の侵攻で、もうムリポと思われた矢先。先に崩れたのは隋の方でした。国内の不満が遂に爆発し。各地で反乱フィーバー。其の結果、煬帝は斬られ。隋は崩壊します」
「人民を軽んじたら。そりゃあ潰れるだろうな」
「で、隋の次に興ったのが唐(とう)という国でして。唐も隋と同様にピクニックに魅了され。大人数がお弁当を持って朝鮮半島の高句麗へ向かっていきます」
「どんだけ攻め込むの! もう高句麗のライフは0よ!」
「それが存外、高句麗は奮戦し。数度の唐の侵攻を止めることに成功します。度重なるピクニックにより、唐も、お弁当がなくなり。暫くの間はピクニックなし。という決定が下って。ようやく、高句麗に平穏が訪れます」
「高句麗にとっては波乱の時代だな」
「大陸が落ち着き始めた頃。日本では聖徳太子が亡くなり。蘇我氏が絶大なる権力を持ちますが、其れを良く思わない者が現れ。そろそろ、やっちゃう? ってな感じで、蘇我氏を暗殺します。この暗殺した正義の使者の名は、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)と呼ばれる人物でした」
「ちょ、待って。暗殺して正義なの?」
「正義の書物、日本書紀によると。中大兄皇子「あいつら悪い奴ら輩やからな。斬られてしゃぁない奴らやねん。決して、私利私欲のために斬ったんちゃうで。さて、天皇の地位に就くか。えっ、皇室を血に染める蛮行したから。周囲の者が反対してるって? ……これは教育やな」ってな感じで中大兄皇子が、涙ながら国のためを思って斬ったって書いてます」
「いや、涙見えねぇんだけど。野心しか見えねぇんだけど」
「蘇我氏が権力の中枢から物理的にいなくなったことで。中大兄皇子と中臣鎌足が権力を握り。豪族が支配していた土地や人々を国家に帰属する方針を示します。これを、公地公民制と言い。これらの改革を大化の改新と言います。まぁ、言い換えるなら、大化のクーデターですね」
「血生臭ぇな。もっと、穏便にできなかったものかねぇ」
「日本で中央集権化が進む最中。朝鮮半島に動きがあり。朝鮮半島南部の新羅(しらぎ)と言う国が、唐の助力を得て。朝鮮半島南部に位置する百済を滅ぼしちゃいます。百済の残存兵が日本に助けを求めに来ると。国内では二つの意見に分かれました。唐を敵に回したら不味いから、百済を見捨てる派と。これまで百済を支援してきたんだから今更見捨てられないよ派です。話は平行線でしてが、中大兄皇子が、百済支援を乗り出すことを表明すると。朝鮮半島に大軍を派遣することが決定されます」
「中大兄皇子が百済支援を決めた理由って何なんだ?」
「それはもちろん。邪魔な豪族を、纏めて始末したかったからですよ。仮に、勝てば朝鮮半島の権益を得られますし。負けても有力豪族の力は削ぎ落とされ。自分に歯向かう力は残らないと確信したからですね。これぞ、一石二鳥ってやつですよ」
「いやいやいや。一石二鳥で済まされる話じゃないよね」
「日本は合計4万ほどの兵を送ったとされてますが、殆どが亡くなっちゃいました」
「えっ、そんなに、唐が強かったのか」
「ええ。唐は楼船と呼ばれる。巨大な戦闘船を大量に持っていましたし、海戦の経験が豊富です。対する日本は、あくまでも人を運送する船であり。戦う前からものすっごく不利でした」
「けど、兵数は揃ってんだろう。善戦とは行かないが、一矢は報いれたのか?」
「一矢も報いることは出来なかったですよ。近づく前に鴑や火玉攻めによって、船は炎上し。殆ど為す術もなかったとされてますからね。……こうして日本は唐と新羅連合に大敗します。この戦いを白村江(はくすきのえ)の戦いと呼ばれます」
「そういや、高句麗はどうなったんだ。空気になってるぞ」
「高句麗は後継者騒動で一気に弱体化しており。白村江の戦いの後に、唐と新羅に攻め込まれ。滅んじゃいました。……こうして朝鮮半島は新羅が統一することになり。新羅や唐が日本に攻めてくる筈だったんですか」
「だったのですが?」
「新羅が朝鮮半島を手に入れると、唐の内政干渉うざくない。といきなり、手のひらをくるリンパして。唐と新羅の中が一気に険悪になります。唐は、新羅が日本と組まれたら面倒と感じ。日本に対して、白村江の戦いで捕らえた捕虜を返還し。日本に対し融和的に動くことによって、日本は赦されたのでした。めでたし、めでたし」
「いや、めでたくないよ。もの凄い数の兵が海の藻屑になっちゃてるよ」
「さて、次回は中大兄皇子、天智天皇になる。をお送りします。因みに、天智天皇の天智は死後の送られた名であって。天智の意味は悪逆非道とされた中国、殷王朝最後の王、紂王が持っていた天智玉に由来する。とんでもない名です。トリビアになりましたか? それでは、まったねぇ」
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