第5話 縄文、弥生時代ですよ

「では、第5回を始めますよぉ。此処から日本を離していきますね」



「漢字がちげぇぞ。話すじゃなくて、離すになってんぞ」



「合ってますよ。元々、日本は大陸と繋がってましたからね。ですが、地殻変動とか色々あって、一万年ほど前に大陸から切り離され。今の形に落ち着くのです」



「元々は大陸にくっついていたんだな」



「大陸と繋がっていたときに、*色んな動物が渡ってきましたけど、どうでも良いですよね」

 *マンモスやナウマンゾウ、オオツノジカ



「いや、どうでもよくねぇだろう。教科書に載ってるから、一応重要なことだろう」



「そうですね」



「興味ねぇから流しやがった、こいつ」



「日本列島が生まれた1万年ほど前を縄文時代と言って。この時代は集落通しの争いも少なく。比較的、穏やかな時代でした」



「つまり、平和だったってことだな」



「縄文時代が平和だった要因として挙げられるのは、縄文土器の存在ですね。この縄目が付き、無駄に分厚い土器が生まれたことで。煮炊きが可能となり、食べられる食料の幅が増えました。また、この土器は貯蔵にも優れており、地下に貯蔵することで長期間の保管を可能にし。秋に蓄えた収穫物で冬を乗り切ることが可能となりました」



「へぇ、土器一つでそんなに便利になるんだな」



「また、食べたら当然ゴミが生まれます。そのゴミは、貝塚と呼ばれるゴミ捨て場が造られ。其処に捨てられてました。また、縄文時代の人々は竪穴式住居と呼ばれる。地面に穴を掘って、屋根を被せた住居に住んでいました」



「地上ではなく。地面の下に住んでいたのか」



「マイン○ラフトでも一々、木を切って、壁造ったりするより。地面を掘って造った方が手っ取り早いでしょう。つまり、そういうことです。因みに、私はマイン○ラフト、三日で飽きました」



「よくわかんねぇが。アンタに創造性がねぇことは分かった」



「ああ、あと縄文時代の特色としてよく言われるのが、此の時代の日本が無駄に先進国だったってことですかね。磨製石器という、石を磨いて造られた石器が一万年ほど前に使われており、人類最古の磨製石器ではないかと言われてます。また、縄文時代末期になると一部地域で稲作も始まっており。此れ等の事実から。……縄文時代って、裸でどんぐり食ってた時代でしょ。って認識が覆されつつあります」



「いや、その認識。ぜってえ、それアンタの偏見だろう」



「ドングリうまいですねぇ。ボリ、ボリ、ボリ」



「生で食うな、生で! せめて煮ろ、縄文土器あんだろ、そこに!」



「さて、争いも少なく。つまらなかった縄文時代も人口増加によって終わりを迎え。弥生時代に変わっていきます。弥生時代の特色は何と言っても、略奪と争いと戦いですね」



「楽しそうに語ってるけど。ろくでもねぇ時代に聞こえんだけど」



「弥生時代になると人口が増え続け。縄文時代のように狩りや採集では生活が回らなくなってきました。その為、手間が掛かり、面倒と言う理由で、余り乗り気ではなかった稲作が本格的に始まっていきます」



「その言い方だと、縄文時代から稲作があったんだな」



「ええ、一部地域では、縄文時代に稲作が行われていましたよ。ですが、大多数の地域では狩りと採集で賄えたため稲作の必要性が感じず。弥生時代になって徐々に日本中で稲作が広まっていきます」



「……わっかんねぇな。至る所で稲作が行われ。食料が賄えるんだったら。争いにならねぇと思うんだが」



「稲作を行うと言うことは、大規模な集落が出来ると言うことです。集落が出来れば、其れはやがて国へとなり。発展した国は、他の小さな集落や、同じように発展した国を吸収、或いは簒奪によって取り込もうとします」



「話し合いで、解決とか出来なかったのか」



「遺跡見たら分かりますよ。弥生時代で有名なのは、佐賀県の吉野ヶ里遺跡よしのがりですね。この遺跡からは、首のない遺体や凄惨な死体が見えますからね。……第一、話し合いができるのなら。この世界は人間が支配する世界になってませんよ。きっと、原人や旧人らと共存した世界になってるはずです。話し合っても分からない。分かる気がない。分かる必要がない。だから、殺し合い。此方の正義を押し通すのです。人間というモノは正義を盾にすると何処まで残酷に無関心になれる生き物ですよ」



「…………」



「さて、最後に弥生時代の特色について話していきますね。弥生時代になると大陸や朝鮮半島から様々な稲や、そして青銅と呼ばれる銅と錫を混ぜて造られた青銅器、そして鉄器が伝わります」



「青銅ってよく聞くが。どうして銅と錫を混ぜて造るんだ。鉄をそのまま加工した方が早くねぇか」



「鉄が溶け始める温度は、大凡1500℃であって、相応の設備がなければ加工することは出来ません。ですが、銅と錫を合わせた青銅は900℃から溶け始めるため。原始的な*でも加工でき。技術的な面から青銅が鉄より先に使われるようになったのです」

 *炉とは、金属の溶解や土器など加工する設備の総称です。



「はぁ、そんな理由があったんだな」



「また、炉の発展によって高温による土器製造も可能になり。弥生土器は高温に焼かれたため、赤褐色で薄手にもかかわらず堅いと言う特色があるのです」



「土器も進化してるって事か」



「さて、次の回は、弥生時代に存在した邪馬台国についてです。分からないことだらけですから、あまり深く考えなくて結構ですよ。それでは、また、お会いしましょう。……このラジオは、ごらんのスポンサーの提供でお送りしました」



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「いや、ラジオ知らねぇけど、ラジオじゃねぇだろう。つうか、提供いたの!」

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