22話 留学先到着とイタリアの冒険者免許

1年って年取るたびに早く感じるよね。特に中学生に入ったらそれをよく感じるようになる。俺なんて毎年12月に「もう1年たったの?早くね?」って言ってるような気がする。


とまあそんなわけで気づけばゴールデンウイークも過ぎ5月も半ば、今日は5月14日です。そして今日は俺が留学に行く日。空港にはたくさんのクラスメイト達が見送りに来てくれた。


ってわけではないんだよね。まあ夜だしあいつらは普通に寮の門限だからしょうがない。まあ留学に行く見送りは昨日の夜、寮で済ませてきたし何なら留学自体も1か月だけだから別に見送りをするレベルのものではない。じゃあなんで見送りをしたかだって?

合法的に深夜までドンパチしたいからに決まってんじゃん。


それともう1つ。ゴールデンウイーク特別杯に勝ったよっていう話が残ってる。まあ当たり前か。ちなみにネットだと桜杯の再放送だったりといろいろ言われていた。


そんなとこかな?後はまあ話すことはないと思う。というわけで最後にクラスの綾人にでも連絡しておくか。



『ヘイヘイヘーイ✨

 元気してる?ちなみに俺はめっちゃ元気!

 今飛行場にいるんだけどさ、飛行場ってなんかめっちゃワクワクしね?俺はめっちゃワクワクする。なんでだろうね?空に対するあこがれ?みたいな感じ。やっぱライト兄弟様様だわ。


まあというわけで今から留学しに行ってきまーす。

行先はなんとバチカン!バカチンじゃないよ!

お土産で聖書買ってきてあげるから泣いて感謝しな!


というわけでアデュー!』


こんなもんでいいか。まあ今はちょうど授業中だろうからこれに気付くのは早くてお昼、遅くて夕方になるだろう。そんな風なことを思っていたら予想外にも綾人から返信が来た。


『おっさん臭い』


普通に罵倒された。悲しい。

とはいってもよくよく考えたら俺が書いた文章もきもいからおあいこか。


『ひどいなぁ』


『気持ち悪い文章を送るのが悪い。』


うーん、正論。

俺、正論嫌いなんだよね(五〇悟風)


そんな風に会話していたらついに飛行機に乗る時間になった。


『じゃあそろそろ行ってくる』


『気をつけろよ』


『何が?』


『バードストライク』


飛行機に乗る前なのに縁起でもないこと言いやがった。もしほんとに墜落したらあいつのことを一生怨もう。





『メーデーメーデー』


みたいになったら面白かったんだけど残念ながら16時間の快適なフライトを終えて今俺はイタリアにいる。そしてこれからバスでバチカンに移動するところだ。


「イタリアって感じだ~」


なんて口ずさんでいるが実際にどこがイタリアっぽいかはわからない。まあなんとなくってやつだ。


ということでイタリアの街並みを眺めながらバスで移動。ついでに街並みに写真をいくつか撮っておこう。



しばらくバスに乗っていたらイタリアの地中海性気候に当てられて眠っていたようだ。さすがバラの月と言っては何だがカラッとしている温かさだからか日本よりは寝心地がよさそうだ。


そんな風に考えているとついにバチカンについた。そういうわけでバスから下車してここからは歩く。さすがは世界遺産というわけで荘厳なキリスト教っぽい建物が町全体に広がっている。


バスに荷物を残して手ぶらで市内を歩いていると1つの建物に到着した。付き添いの先生が受付らしき場所で話をつけると中に入ってい来いと言われたので我らが生徒13人は建物の中に入っていく。


「ようこそいらっしゃいました」


と初老の男性が話始める。イタリア訛りの英語で少し聞きずらいが内容は理解した。


要約すると「来てくれてとてもうれしい。ここから1か月この地で様々なことを学んでほしい。困ったことがあったら何でも聞いてくれ」というわけだ。


まあ歓迎してますよーという意だろう。


初老の男性の話が終わると今度はまたバスに戻り、バチカン近郊の宿泊施設に泊まることになった。なんとキッチンにお風呂付のまるで日本のマンションのような部屋に感動していると先生から連絡があった。


『今日はこの後は予定がないので自由に行動してもようが遅くても夜6時までには自分の部屋に戻るようにしてください。

6時半から泊まる場所のスタッフが観劇会を開いてくれるため絶対に遅れないように』


時刻はまだ午後1時、まだまだ暇だし何ならまだ今日はお昼を食べてないせいかお腹がすいてきたのでとりあえず部屋に事前に送っておいたスーツケースを運びとりあえず昼飯を食べるために街へ繰り出した。





イタリアにいるからとせっかくと言っては何だが町にあったらチェーン店じゃないレストランに入ってみた。


ここで出てくるめちゃくちゃ綺麗なイタリア語。ちなみに俺はイタリア語が喋れないし何なら理解すらもしていない。じゃあどうやって会話するのか。もちろん魔法だ。


言語を理解する魔法。ただしヒアリングに限る。


まあこの状況じゃあヒアリングで十分だから魔法を発動して店員が言っていることを理解する。


「ご注文はナニニシマスカ?」


とのことなのでスマホのグーグル翻訳にカルボナーラと書いて店員に見せる。


「カルボナーラ?OK!」


ここで気づいたことはイタリア語でもカルボナーラはカルボナーラだった。わざわざ翻訳サイトで訳さなくても


「カルボナーラ」


と答えておけばよかった。まあ別にいいか。


そんなこんなでスマホをいじっているとテーブルにカルボナーラが届いた。イタリア本場のカルボナーラだ。


写真を2枚とって早速いただきます。





めちゃくちゃおいしかった。なんというか濃厚さが違った。めちゃくちゃおいしいパスタ。後でイソスタに挙げておこう。


ということで腹ごしらえも済んだわけだしなっちゃいますか。イタリアの冒険者に。


イタリアに限らずEU内の冒険者のなり方は簡単だ。自分の生年月日などの情報を冒険者協会に伝えたら講習を受けずともすぐに冒険者になれる。ちなみにEU加盟国内で取った冒険者の資格はEU加盟国内のすべての国で使える。便利だね。


というわけでなりましたイタリアン冒険者。


さて、ここからやることはただ1つ。イタリア国内の大会に出て大会を荒らす。つまりは世界進出だ。


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