17話 デート②
昼飯を食べ終えるて引き続き水族館デート再開!
残りの展示を見回った後はイルカショーやペンギンショーがあるため全然暇にはならない。ただただ展示している魚を見るだけだろ途中で会話がとぎれとぎれになって気まずくなったりするからこういったショーがあると便利だ。
「そろそろイルカショー?」
「あと40分ぐらいあるよ」
「20分前ぐらいに行けば席とかもとれるしそれまでは売店でお土産かわない?」
「賛成!」
イルカショーが始まるまで俺たちは売店で買い物をすることにした。
「このぬいぐるみ可愛い~」
「ペンギン?」
「そうそう。可愛くない?」
「可愛いよね。でも俺はどっちかっていうとイルカのほうが好き」
「どっちもかわいいよね」
ぬいぐるみを見ながら売店を回る。こういうお土産屋で売ってるものって無性にうらやましく感じちゃうよね。現に俺もぬいぐるみを買おうかどうか迷ってるし。どうしよう、買っちゃおうかな...
「湊は買わないの?」
「え?」
「私はもう買うって決めちゃったけど、」
「なら俺も買おっかな」
「乗り気だね~」
結局買ってしまった。まあ悪い気はしないし何なら最近ぬいぐるみ欲しかったし別に悪い買い物じゃないと思う。
「俺ストラップとかキーホルダー買おうかな」
「いいねぇ、お揃いにする?」
「オッケー」
ついでと言っては何だがおそろいのキーホルダーを買った。水色のいかにも水族館って感じのやつ。後でカバンに着けとこ。
そんなこんなで売店で時間を潰しているといつの間にかイルカショーの15分前になっていた。
「そろそろ行こっか」
「ほんとだ、もうこんな時間...」
もともと20分前に行く予定が思ったよりもお土産を買うのに夢中でもうすでに過ぎていた。ちょっと急ぎながらイルカショーの場所へ向かうとすでに席に座っている人が何人かいた。
「席が空いててよかったー」
「ちょっと焦っちゃったね」
「うん。俺飲み物買ってくる」
「じゃあ私のもお願い。後でお金払うから」
「オッケー。何がいい?」
「炭酸系で」
「了解」
席に自分のバッグを置いた後、駆け足で自販機に向かう。こういった場所って自販機の値段若干高く感じちゃうんだよね。まあ実際のとこところは別に高くもないし何なら通常価格なんだよね。偏見って怖いねぇ
「炭酸系かぁ...ソーダでいいか」
自分の分と彼女の分、2本の炭酸ソーダを買って席に戻る。でも炭酸だから走れないんだよな。一応まだ開演まで時間があるからゆっくり歩いていくか...
そんな風にのんきに考えながら席に戻ると俺の彼女がナンパに絡まれている場面に遭遇した。
◆
「オネーチャン今暇?俺らと遊びばね?」
なんて言ってるんだろうなって思いながら席に近づく。案の定ナンパだった。
「彼氏と来てるので遊べないです」
「でも今いないじゃん。そんな彼氏よりも俺たちと遊ぼうぜ」
「いやです。他を当たってください。まあそんなんじゃ誰とも遊べないと思いますけど」
「は?なめてんの」
そしてそこにちょうど俺参上。まあナンパに絡まれてるシチュに遭遇したらやることは1つだよね。ナンパ君の方に手を掛けて一言、
「俺の彼女に何してんの?」
するとナンパ君たちがびっくりして後ろを振り返る。俺は笑顔をキープする。まあせっかくのデートでこの後も雰囲気台無しにしたくないからね。
「ちっガチで彼氏いんのかよ」
思ったよりもあっさりナンパ君たちは引いてくれた。まあ引かなかったとしたらしたでちょっと大変なことになるから聞き分けが良くてよかった。
「ごめん、遅くなった」
「全然、それよりもさっきのかっこよかったよ」
「マジ?照れるな」
「笑顔はちょっと怖かったけど」
「え?」
どうやら笑顔になったのはちょっと失敗だったようだ。
◆
イルカショーが始まり、イルカたちが次々と技を披露していく。
「かわいいね」
「うん」
最初はシロイルカたちが優雅に飼育員たちと一緒に泳ぐ。子供のころにこういうの夢だったんだよね。人生で一度はイルカと泳いでみたいよね
「イルカと泳ぎたいなぁ」
「わかる。かわいいもんね」
「絶対楽しいしね」
イルカショーを見ながら雑談する。ところでこのイルカショーは観客に水がかかるタイプかかからないタイプかどっちだと思う?
正解は水がかかるタイプのショー。だからさっき自販機に飲み物を買いに行ったついでに無料で貸し出しているカッパも一緒に貰ってきたんだけど。
「そろそろカッパ着たほうがいいかな」
「そうだね」
シロイルカの優雅なショーが終わり次はおそらくダイナミックなショーだと予想してカッパを着始める。そして次のショーは予想通り水がかかるタイプのショーだった。
「イルカってすごいね」
「わかる。めっちゃ高く飛ぶしね」
「ところでイルカの『とぶ』ってフライの飛ぶなのかジャンプのほうの跳ぶなのかどっちなんだろう」
「フライのほうじゃね?なんとなくそんな気がする」
「イルカはフライしているのか」
幸いイルカのショーの最中には水はかかってこなかった。厳密にはかかってきたんだけれどもすべてカッパがガードしてくれた。カッパ様様です。だけれども買ったぬいぐるみの存在を忘れていた。
「待って私のペン助めっちゃ水かかってるんだけど」
「待って、ペン助?」
「うん。私のぬいぐるみの名前」
「もう名付けたんんだ」
「うん。それよりもペン助に水がかかっちゃったよ」
「後で選択すれば何とかなるでしょ」
「ペン助~」
イルカショーが終わりペン助が濡れたがそれ以外は特に被害がなく。寮に戻ったらペン助を洗濯しようということで話が終わった。そしてその後もカメやペンギンのショーや展示を見ていると気づけば時刻は5時を回っていた。
「見終わった~」
「面白かったね」
「うん、久しぶりに水族館これてよかったわ」
「私も」
水族館を後にして、駅へ向かう。道中はずっと今日の水族館の話題でいっぱいだった。そして駅に着いたとき、トラブルが発生した。
「電車遅延?」
どうやら電車が遅延しているらしい。駅員に詳しい話を聞いてみると線路で壊れている部分が見つかったせいで止まっているらしく復旧には3時間ほどかかるそうだ。
「最後の最後にトラブルかぁ」
「まあ仕方ないよ。学校のほうに連絡入れとくね」
「ありがと」
学校に連絡を入れて寮の門限に遅刻することを伝える。連絡したところゆっくり帰ってきなさいということだった。こうなると暇である。現在の午後5時から午後8時まで何もやることがない、わけではない。
「じゃあ夕飯食べちゃおうよ」
「いいね」
というわけでスマホで近場のレストランを探す。こういったときはインターネットに力を借りるに限るのだ。
「ここのレストランにしない?」
「イタリアン?」
「うん。海沿いのお洒落な店」
「じゃあそこにしよう」
こうしてデート続行となった。
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