13話 4回戦と敗北
【観戦板】桜杯をみんなで見ようぜ
221:名無し
頭おかしいって
222:
これももう決勝戦だろ
223:
さすが日本に17人しかいない魔術師
224:名無し
>223 すまんが魔術師ってなんや?魔法使いとなんか違うんか?
225:名無し
世の中のすごい魔法使いはほかの魔法使いから尊敬の念として魔術師って呼ばれているんや。
226:名無し
>225 サンクス
それはそれとして次の対戦相手が可哀そうやな
227:名無し
>226 そうでもないぞ。これに勝ったほうが間宮湊を戦うんだから可哀そうなのはこいつらや
228:名無し
草
229:名無し
さすがに魔術師には勝てんだろ
230:名無し
>229 ところがどっこい去年、五月雨灯は間宮湊に一度も勝ってない
231:名無し
>230 距離さえ取れば勝てるだろ
去年の敗因、距離詰められて負けだから今年はそれを対処すれば大丈夫
232:名無し
>231 対処できるんならしてるんですよ…
233:名無し
間宮湊「刃物の扱いなら最強です。
肉弾戦も得意です。
魔法も使えます
戦いの中で相手の動きを見て成長します
今まで一度も負けたことがありません」
234:名無し
>233 うーん、これは魔王www
235:名無し
>233 一応魔法は無属性しかつかないから…
236:名無し
間宮湊「魔法はそんな得意じゃないです」
(高次元魔法じゃないと割れないシールド、そのシールドを割ることができる魔法弾)
237:名無し
理不尽の極み
238:名無し
草、勝てるわけないじゃん
239:名無し
てかなんでさっきの試合で魔法弾使わなかったんや?
240:名無し
>239 相手の一番得意な戦い方でねじ伏せるのが好きだから
241:名無し
ゲスの極みで草
『長い長い耐久戦の末勝ったのは、五月雨灯選手。魔女としての貫禄を見せつけました!』
第3回戦が終わった。試合は2人の魔術師の耐久戦となり、最終的に海原碧生の集中力が切れた瞬間に、五月雨灯が放った一撃に倒れた。お互いに全力を尽くしたいい戦いってやつだ。
「そんで、次の試合で俺が五月雨を倒すってわけだ」
「そういうの捕らぬ狸の皮算用っていうらしいぞ」
「過去に何度も狸を取ってるもんねでね。もう取りなれてるんですよ」
「今年はそうはいかないだろ。さっきの試合見た?」
「まあ普通に戦ったら面倒だろうね」
「じゃあ普通じゃない戦い方なら?」
「よゆーで倒せるよ」
「一応聞くけどその戦い方って燃える?」
「大炎上だね」
「そっかぁ」
俺が今回使う戦い方はたぶんネットでバッシング受けるタイプの戦い方。まあルール違反じゃないから一応問題ない。だけど観客から見たらクッソつまらない戦いになる。
「さぁ、燃えるぞ~」
ステージに行くと去年よく見た顔、五月雨灯だ。彼女との去年の成績は11戦11勝で俺の勝ち。そのうち炎上しない戦い方で戦ったのは8回。残りの3回は結構燃えた。ちなみに燃えた理由は3つ。
1つ目、試合開始とともに爆音鳴らして鼓膜破壊。ひるんだ瞬間、俺が顔面に蹴りを入れて勝負がついた。
2つ目、試合開始とともにシールドを使って場外に押し出して決着。
3つ目、試合開始とともに俺がステージ上に魔力を放出。空気中の魔素濃度が20%を超えたために彼女が発動した魔法が誘爆し自滅
である。うん、我ながら非道だな。まあ今回もその非道なやり方で勝つんだけどね。ちなみに一番炎上したのは2つ目。そりゃあ決勝戦が10秒もかからずに終わったんだからチケット勝った人からしたらふざけんなって気持ちにはなる。でも悪いな。反省するつもりはないんだ。(ゲス顔)
『それでは準決勝、試合開始です』
試合が始まったとともに俺は彼女の周囲360度にシールドを展開する。はい俺の勝ち!
シールドは基本的にすべての物質を遮るといわれている。唯一シールドを通過できるものは光だけ。なら相手の周りにシールドを展開したら?
答えは当然、窒息死する。というわけで俺は彼女が倒れるまでシールドを展開し続ければいい。
「ふざけんな!」
「真面目にやれ!」
観客から野次が飛んでくるが気にしない。というか暇だな。そう、この戦い方にはシールド内の空気がなくなるまで暇になるという弱点もある。あとシールドが割れたらおしまいという弱点もある。そこは心配いらない。無属性魔法しか使えない俺が無属性魔法に費やした時間は実に10年間。シールドの強度は世界最高水準だ。そんなわけでシールドが割れる心配はない。
さらにシールドに囲まれた彼女は魔法を放つことすらできない。もし魔法なんて放ったらシールド内で自滅する。そんな未来しかない。
「というかいくら全属性持ちだとしても俺のシールドを敗れるわけがないでしょ」
彼女は世界でも数少ない全属性持ちの魔術師だ。全属性…全属性⁉
もしかしなくてもあいつ風魔法使える?
「普通に頭から抜けてた」
風魔法ということは酸素を生成できるということ。つまり空気攻めができないということ。
ちょっとそれは想定外。
「しょうがない。場外でいいか」
とりあえずシールドの座標を少しずつ移動して彼女を場外に運ぶ。
『五月雨選手が場外に行ったことによりこの試合の勝者は間宮選手です』
観客からは大ブーイング。当たり前だ。
「お前やっぱ頭おかしいわ」
月島君もあきれてますっと。まあ言いたいことはわかる。
「ごめんね。うまくいくと思ったんだけどな」
「いやどっちにしても大炎上だよ。ネット見てみ?」
「どれどれ…」
SNSでは俺の戦い方で大炎上していた。
「うけるんだけど」
「それはそう。だけど普通に火消が面倒だぞこれ」
「どうしようか。」
「謝罪会見?」
「何を謝るんだよ。五月雨に勝ってしまってすみませんでしたってか?」
「それいったらもう取り返しがつかないぞ」
「わかってるって。まあ今考えても仕方がないだろ。次はお前の番なんだから」
「それもそうだな。よし、頑張ってくるか」
「おう、いってら」
◆
「すまん、負けてわ」
「まあなんというかお疲れ」
準決勝、綾人はシード枠の白石勇人に負けた。
「いやー、想定外だったわ」
「まあ3決でがんばれ」
「おう」
白石勇人に負け、残る試合は月島綾人vs五月雨灯と俺vs白石勇人になった。
『桜杯も大詰めです。次は3位決定戦、月島綾人選手と五月雨灯選手です』
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