第61話 確定



 俺はヴォルから貰った飴を食べると何故か固有スキル【雷魔法】を覚えてしまった。


「どうした、シウ?なんかフリーズしてねーか?」

「ユーキエモンに1つ質問していいであるか?」

「なんだいシウ太くん。伊達にトッププレイヤーの1人じゃ無いってことをシウ太君の質問で見せてやろう」

「なら聞くけど、飴を食べただけで固有スキルをゲット出来ることは可能なのであるか?」


 ユーキングに先程起きた現象について質問すると、ユーキングは何故か固まっていた。


「…ねぇシウ太くん?まさかとは思うけど…今食べた飴ちゃんで覚えたって言わないよね?」

「素直に答えてあげよう!覚えてしまった!どや!!!」

「お前何?一体何者?チート野郎なの?なんなの、いっぺん死んでみる?ねぇ」


 ユーキングは俺の肩を掴んで揺さぶり始めた。


「揺れる揺れる!酔うからやめてけれ…素直に答えたのになんだよ…もぅ」

「確かにチケット以外でも覚える事は確かにあるけど滅多にないわ!しかもお前さん…まだチケット余ってるやろ!それを使ったらまた職業増えるかもしれねーじゃ無いかよ…何こいつ…マジで…疲れるわ」


 ユーキングがガックリと肩を落として疲れた雰囲気を出すと、先程までソファで寝ていたキュリアが顔だけこちらに向けてユーキングに言葉を投げた。


「マスターと一緒に行動してたらもっと疲れるのですよ?それ程で疲れてたら…まだまだなのです」

(そうなのじゃ、主の行動は奇抜じゃからそれしきで疲れてたら身が持たないのじゃ!)

「君たちひどくないか?!俺ってそんなに奇抜な行動してないよね?!」


 俺の発言を聞いたキュリアは驚き、姫は絶句していた。


「弓をメインで使ってるのに首狩り呼ばれてるのに…それを奇抜と言わないでなんと言うのです…」

(笑いながら首を狩る者なんて…主ぐらいなのじゃ…それなのに…認めてないのじゃ…そこに妾は恐怖を感じたのじゃ…)

「シウは遠距離だけじゃなくて近距離でも行けるのに…なのに弓使い…そして運良すぎ…何この子…やだこわい」


 2人と1匹に散々な事を言われ続ける俺は1人叫びながら教会に走っていった。


「もうジョブチェンジしてくるもん!みんなのばかぁぁぁぁ!!!」


「キュリアちゃん達置いていきやがったぞ、あいつ。どうする?ここで待ってる?」

「待ってるのです!お菓子のお代わりを要求するのです!」(お代わりなのじゃ!)

「あのマスターあってのこの子達か…飼い主に似るってよく言うけど…この事だよなぁ…」


 キュリアと姫はユーキングの言葉を聞いておらずにお菓子をひたすら食べ続けていた。




 教会<アルビオン>


 教会に走ってやってきた俺は直ぐにジョブチェンジ出来る部屋の前までやって来て、神官に話しかけていた。


「おや?先程の…もう一度この部屋をお使いになられるのですか?」

「はい!直ぐにお願いします!」

「かしこまりました、ではこちらへ」


 部屋に入ると直ぐに水晶に触れる。

 そして表紙された画面を見て


(?!また職業増えとるやんけ!なんでや…あっ…まさかの雷魔法覚えたせいか?うそーん…)


 選べる職業が増えていたのだが俺は軽く詳細を見るだけ見て選ばなかった。


(もう俺は選んでるの!新しく増えても気にしないの!俺が二次職で選んだのは…これだ!)


『二次職【魔弓刀士】で宜しいですか?YES or NO』


「勿論YESじゃ!ぼけぇ!!」

「部屋の中ではお静かにお願いします」

「あっすみません…」


 二次職に選んだのは魔弓刀士。

 弓と短剣もしくは刀剣を装備しており、尚且つ同じ撃破数で無ければならない。更にステータスでも条件がありSTRとDEXの合計が100以上で無いと現れない職業であった。

 割り振りしていなかったステータスポイントを使っておりその条件も満たしていた。

 サブ職業は錬金術師のままで変更はしなかった。

 部屋を出て俺はすぐ様アゲハ達に魔弓刀士にジョブチェンジした事メールで伝えた。

 そしてメールボックスには一通のメールが届いており、俺はそのメールを確認した。


(ほほぉ…アプデするのか。今日の24時から3時までね。まぁ寝てる時間だから関係ないか。ん?またイベントのお知らせ?)


『新イベント『希望を求めこの地を守れ』については後日詳細を発表致します。』


(この前イベント終わったばっかりなのに直ぐに新イベントかよ。前回は俺たち2陣の為のイベントだったから今回は全プレイヤーの為のイベントなんだろな…今回はどんなイベントなんだろ)


 イベントについて考えながらキュリア達の待つユーキングのクランハウスに戻っていった。

 キュリア達と合流するとシウはクランハウスを後にして宿屋に向かう。

 宿屋でログアウトをした。



 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△



 PN:シウ Lv30

 種族:魔獣人(妖狐)

 メイン職業:魔弓刀士

 サブ職業:錬金術師(【錬金Lv30】)


 HP:220(120+100)

 MP:450(200+250)


 STR:40

 VIT:95(20+75)

 INT:50(25+25)

 MND:30

 AGI:65(30+35)

 DEX:134(70+64)


 ステータスポイント30→0


 スキル

【弓術Lv30(進化可能)】【短剣術Lv30(進化可能)】【鷹の目Lv29】【付加Lv30】【魔力上昇Lv25】【水魔法Lv25】【体魔力自動回復Lv20】【調教Lv3】【気配察知Lv28】【気配遮断Lv28】【影魔法Lv21】【投擲】【騎乗】【空き】(【隠密】【魔弓】【瞬足】【負の遺産】)

 固有スキル

【狐火】【氷炎魔法】【魔獣化】Νew【雷魔法】


 称号

【水精霊ディーネの加護】New【雷精霊ヴォルの加護】【錬金術師の弟子】【首狩り族】【妖狐の友】【冥府への送り人】


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