第42話 イベント始動
中央広場には大勢のプレイヤーが集まりイベントの始まりを待っていた。
俺達もその中の1人である。キュリアと話していると背後から声をかけられた。
「シウさんお久しぶりです」「おにいさんおひさ〜です!」
「ん?リアちゃんホノちゃん?おっ装備が変わってるね」
声をかけてきたのはサクヤの友人であるリアとホノニャンだった。
2人でパーティを組んでこのイベントに参加するらしい。
「シウさんはキュリアちゃんと2人なんですか?」
「そうだよ。まだ仲良くなった人が少ないからね…ある意味ボッチなのさ!」
「おにいさん自虐だね!おにいさん有名だから、声かけられてもいいと思うんだけどなぁ〜」
「有名になりたくてなった訳じゃないからね?」
「あっ!シウさん!お久しぶりです!!」
さらに声をかけてきた人物がいた。
重装備をしているラードがそこにはいたのだ。ガチガチに鎧で身を固め背中にはラードの主装備である大盾を背負っている。
その後ろにはシンルーとリーティアも居た。
「ラードくんやっほ。なかなかの重装備になってるね、完全にタンク役なんだ」
「はい!アタッカーはリーティアがするんで、自分はヘイト稼ぎが役目なんです!シウさんも装備が…弓使いからアサシンに転職ですか?」
「格好だけね!背中にはちゃんと弓を装備してるよね?!そこをちゃんと見て!それに転職したらこのイベント参加出来ないじゃん?」
「そうですよね!あっ!そろそろ時間ですよ!」
ラードと話していると12時になった。
すると中央広場にある噴水の上に1人の人物が現れた。
『みなさーん!こーんにーちわー!…あれ?声が聞こえないな?こーんにーちわー!なんだよみんな元気ないなぁーそんなんでイベント大丈夫なのかい?』
「なんだあれ?歌のお兄さんかなにかか?」
「よくわからないですの…でも突然現れたのです…」
「多分ですけど運営じゃないですか?時間になって現れるぐらいですから!」
『まあ馬鹿なことはこれぐらいにして自己紹介でもしようか。私はこのゲーム、FLOの運営の1人…そしてGMだよ!そしてそして〜みんなのアイドルのまーくんだよ!まーくんファンクラブのメンバー募集してるからみんな入ってね!』
「あれが運営かよ…しかも自分でアイドルとか言ってるよ…」
「あれはちょっと…さすがの僕でもあれは引きますよ…」
「あんなんがGMで大丈夫なのか…」
『さーて…今回のイベントは2陣の君たちだけのイベントになってるよ〜。特にめんどくさい事はない!ただモンスターを倒して倒してポイントを稼いで報酬を貰っちゃおう!ってイベントなんだ。ポイントはモンスターの強さで変わってくるからね〜。でも気をつけてね?死に戻りしちゃうとデスペナにポイントの減少が付いちゃうから死んじゃだめだぞ?』
「雑魚を大量に倒してもポイントはそんなに増えないんだろうな」
「そうですね!狙うは大物ですよ!」
ラードは大物をやる気満々である。逆に俺は雑魚でポイントを稼ごうとしていたが、まーくんの言葉で少し考えを改めていた。
『もちろんこのイベント中には特別なモンスターも現れるからね〜出現条件があるからそれは君たちが発見してね。他にもレアなクエストも発生しちゃうかもだぞぉ〜?もちろんテイムも可能だから頑張ってね!召喚士のみんなは頑張って倒して魔石をGETしちゃえ!従魔も1プレイヤーと見なすから頑張ればランキングに入っちゃうかもだぞ☆ポイントはみんなのメニュー画面に載るようになってるからそれぞれ確認してね!途中経過も発表するからワクワクソワソワしながらイベントを楽しむのだー!ソロ、パーティ部門それぞれ100人にはプレゼントがあるからね!1陣の人達もレアイベントに参加出来るけど報酬はもちろんありませーん♪手助けして貰っても良いけど…ポイントは半減だぞ♪それでは今から3日間頑張ってね〜♪それじゃぁ…イベントスタートだぁぁぁぁ!!!』
まーくんがスタートと言うと同時に花火が打ち上げられる。
するとプレイヤー達は一斉に動き出し各エリアに向かって走り出していた。
「それじゃシウさん!僕達も行ってきます!ガンガン倒して上位目指しますよ!」
「キュリアちゃん!気をつけてね!無理だけはしたらダメだからね!」
「はいなのです!」
キュリアを抱きしめていたシンルーは渋々キュリアを離してラードの近くに来た。リーティアは無言で俺に向けて親指だけを立てて
「…グッドラック」
「ありがとさん。リーティアも頑張ってな」
ラード達は北に向けて走り去っていった。
その後もリアとホノニャンと少しだけ話して別れていった。
俺達は普段から狩りをしている西の森に向かっていった。
西の門を出て平原に行くとプレイヤー達がトビウサギを狩っている姿をたくさん目撃していた。トビウサギには目もくれずに森に走り出した。
<西の森>
「やっぱりここにも結構なプレイヤーが居るなぁ…どうしますかね…」
「違うエリアに行くのです?」
「せっかくここに来たんだから少しでもポイント欲しいしな。なにかいい方法無いかのぉ」
「前みたいに奇襲かけるのです!最近のマスターは普通過ぎて面白くないのです…」
「えぇ…普通が1番じゃんよ…でも森だし…俺のフィールドだよな?ならやるしか無いよね?殺るしか…ぐふふ」
「マスターの裏の顔が出てきたのですぅぅ!本性が現れたのですぅぅ!!」
「スキル枠も1つ増えてる…この際だからなにか取るか…」
俺は新しくスキルを取るためにスキル一覧を眺めている。その間にキュリアは近くに現れた森狼や角兎を倒していた。
「これにするか。【跳躍】ゲットン!ジャンプした時に補正が掛かるから何とか木の上でも着地成功するっしょ!キュリアはどうするんだ?」
「私は光の翼で追いかけるのです!自動回復がいいお仕事してくれるのです!」
「なら問題ないな…それではただ今より…殲滅戦に向かうぞ!」
「ラジャーなのです!首狩り族の族長殿!」
せっせと木の上に登っていきジャンプしながら木の上を移動することに成功していた。
この姿をもちろんの如くプレイヤーは見ておりこう口にしていた…
「ヴォーパルフォックスが現れたぞぉぉぉ!!」「総員首を守れぇぇぇ!!」「奴の近くに寄るんじゃねぇぞ!狩られるぞ!」「この森から狼たちが消えてしまう…絶滅危惧種に認定されちゃう…」「いいネタが入ったでござるよ…」「揺れる尻尾…食べちゃいたい…」「キュリアたん…はぁはぁ…」
俺は森の中を飛び回りながら森狼達の首を狩り続ける。
キュリアは狩りそびれた獲物を光の翼で滑空しつつ白兎で串刺しにしていた。
この2人をみてプレイヤー達は恐怖に慄いていたのである。
「獣共よ…俺に首を寄越せぇぇぇ!!」
「私の穿き丸が喜んでるですぅぅぅぅ!!」
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