第37話 天使の笑顔



1度リアルに戻り昼ご飯を食べ少しまったり過ごしていた。

 軽く1時間経ちFLOの世界に戻って行った。


<西の森>川辺セーフティゾーン


「マスターお帰りなさいです」

「ただいま、キュリア。1時間経ったけどまたボスと戦いに行くか?」

「いいのです?」

「その為に1時間開けたんだろ。戦って運良くテイム出来るかもだしな、それに経験値稼ぎにもなるだろ?キュリアのレベルを上げておかないとな」


 再びエリアボスである森狼長と戦うことに決めた俺達は早速行動に出た。

 今回も特に苦労する事無く倒したがテイムは出来なかった。残念無念!

 流石に1時間も川辺で時間を過ごすのは無理だろうと思い街に戻ることにした。


「ツヴァイーナに戻ってポータル使ってから師匠の所に行くか。やってみたい事もあるしな」

「錬金でですか?新しい素材は特にないですよね?」

「まぁ見てたらわかるさ、そうと決まればレッツゴーなのです!」

「むー!私の真似はダメなのです!」


 俺達はツヴァイーナに戻るとポータルのある広場に向かう。

 俺とキュリアの姿を見た他のプレイヤー達は俺達を見て何かを話していたが特に気にすること無くポータルに向かいアインスドットに移動した。



 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽



 429:名無しの召喚士


 ツヴァイーナのポータル付近で狐さんが幼女と歩いていたんだが…あれは一体…



 430:名無しの調教師


 俺も見た!てか頭に天使ちゃん居なかったよな?

 まさかの幼女って…天使ちゃん?



 431:名無しの盗賊


 幼女だと!



 432:名無しの剣士


 ロリっ子だと!



 433:名無しの傭兵


 ツルペタだと?!



 434:名無しの双剣士


 おまえら通報しますたm9( ゜Д゜) ドーン!



 435:名無しの拳士


 ここにはロリコンしか居ねぇのかよ…



 436:名無しの僧侶


 てかその幼女は一体何者?

 プレイヤーか?女ドワーフか?



 437:名無しの銃士


 見た目の情報はよ!



 438:漆黒の魔女


 はーい、情報のお時間だよー♪

 あの子は人気者の狐さんのパートナーである天使ちゃんだよ〜(*ˊᗜˋ)

 リトルエンジェルから進化したんだよd(˙꒳˙* )



 439:名無しの剣士


 サクヤたん!

 え?天使ちゃんが進化したの?進化したら幼女に変わったの?



 440:名無しの調教師


 その情報を詳しく!!



 441:漆黒の魔女


 リトルエンジェルがLv15で進化。

 進化先は4つ。

 ハイエンジェル、キューピット、堕天使、戦乙女(見習い)

 この4つでした(๑´ω`ノノ゛✧

 そしてキュリアちゃんは戦乙女(見習い)になったのです!



 442:名無しの双剣士


 堕天使に戦乙女って通常進化じゃないよな?絶対に。



 443:名無しの山賊


 条件はなんだろうな?



 444:漆黒の魔女


 多分だけど、リトルエンジェルに武器を持たせてたってのが1番だと思うよ?(´・ω・`)?

 また情報が入り次第伝えるねヾ(`・ω・´)ノ



 445:名無しの召喚士


 情報┏○))アザ━━━ス!



 446:名無しの調教師


 ┏○)) アザ━━━━━━━━ス!



 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△



 雑貨<森の隠れ家>工房



「さてと、早速取り掛かるけど…キュリアは暇じゃないか?」

「私は大丈夫です。マスターのお師匠様からもし良ければ店の方の手伝いをしてくれと言われてますので」

「師匠いつの間に…」

「ひひひ、別にいいじゃろ?こんな可愛い子が店番してたらネギを背負ったカモが来るだろよ、ひっひひひ」

「悪どいばぁさんだよ…でも助かるよ。暇しないでいいからな、終わったら声かけるから無理すんなよ?」

「はい。マスターも集中し過ぎないようになのです」


 キュリアは師匠に連れられ工房を後にした。

 今まで取れた素材をアイテムボックスから取り出す。

 まず取り出したのは



「骨たちで毒の矢とかが出来たのならこれでもなんかできるよな…火炎草なら火の矢でも出来ちゃうのか?やってみるしかないよね!」


 しかし火炎草では普通の石の矢にしかならなかった。

 俺は火炎草ではなく火玉を使って再度錬金をしてみる。すると



 ファイアアロー レア度3

 火属性の付いた矢。相手に当たると燃え出す。

 ATK+6


「キタコレ!属性付いた矢が出来ちゃったよ。よしよし…順調だぜぇ〜あとは鉄鉱石を使ってどうにか出来ないかやってみるさぁ〜」


 いくつか鉄鉱石を使って矢を作ろうとするが全て失敗に陥った。

 鉄鉱石が無駄になると思い矢を作る作業は一旦やめ今度は原石から取れた宝石を手に取った。


「俺の付加スキルに新しく増えたアーツをためしますかね…」


 付加の新しく増えたアーツ、それは魔法付加である。

 アイテムに属性を付けられたり付加で使えるパワーアップなどを付けられると言うアーツであった。

 川辺から取れた原石は全て宝石であり色々な種類があったのだ。

 ルビー、ペリドット、アクアマリン、シトリン。この4種類である。


「まずはルビーに魔法付加の火!」


 しかしルビーは粉々になってしまった。


「なんで?火に合いそうな宝石ってルビーじゃね?とりあえず他の宝石でもやってみるか」


 別の宝石を使い魔法付加の火をしてみるがどれも粉々になり失敗していた。


「どれもダメ…なにが原因なんだ?大きさか?極小だからダメなのか?んー…なら錬金の合成を使ってみる?大きさ変わるんかな…」


 ルビーを10個取り出し合成をしてみると極小だったルビーが少し大きくなり小に変わっていた。

 ルビー(小)を使って再度魔法付加火をしてみると今度は、


 ファイアストーン レア度3

 ルビーの中に炎の力が宿っている。相手に当てることにより効果を発揮する。


「……これはなんぞや?当てたら火魔法の効果でも出るのか?流石にここで投げる訳にはいかねーよな…とりあえず小なら出来ることがわかったから…合成祭りじゃい!!!」


 全ての宝石を極小から小に変え、各属性を入れてみる。出来上がったのこれである。


 アイスストーン レア度3

 アクアマリンの中に氷の力が宿っている。相手に当てることにより効果を発揮する。


 ウィンドストーン レア度3

 ペリドットの中に風の力が宿っている。相手に当てることにより効果を発揮する。


 アースストーン レア度3

 シトリンの中に地の力が宿っている。相手に当てることにより効果を発揮する。


 「各属性できたけど…水じゃなく氷になってる?!なぜに?!そして説明がほぼ一緒!少しは変えようよ!」


 この後はMPが尽きるまで矢を作り、枯竭すれば休み、回復したら各属性ストーンを作りの繰り返しをしていた。

 全ての作業が終わるまでに2時間も掛かっていた。

 そして掲示板では俺の知らないところで盛り上がっていたのである。



 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△



 761:名無しの双剣士


 アインスドットの雑貨屋に幼女天使ちゃん発見!!

 店番してたんだが…可愛ええ…なにあの天使…まじ天使…



 762:名無しの盗賊


( ゜д゜ )ガタッ



 763:名無しの双剣士


( ゜д゜ )ガタッ



 764:名無しの銃士



( ゜д゜ )ガタッ



 765:名無しの剣闘士


 ガタッガタッガッシャーン!!!



 766:名無しの漁師


 1人転けたぞ?!急ぎ過ぎて転けたのか…



 767:名無しの魚人


 俺の天魚は何処にいるんだ!!



 768:名無しの侍


 海のどこかにいるさ…きっと…



 769:名無しの山賊


 天魚はどうでもいいとして、なんで狐さんの天使ちゃんが店番を?

 そんなクエあったか?



 770:名無しのハンター


 お使いクエや買い物クエがあるぐらいだから店番もあるんじゃね?でも従魔が出来るのか?人型だから出来るのか?わからん!



 771:名無しの剣士


 話しかけたら変なばぁさんに怒られたよ…でもあの笑顔やばかった…

 萌えた…



 772:名無しの吟遊詩人


 よし

 今から突撃するか



 773:名無しの漁師


 俺も行くか



 774:名無しの召喚士


 よし、俺も行こうではないか



 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△



 この日の森の隠れ家の売上は過去最高であった。





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