第36話 リベンジパート2
川辺で錬金の分解に熱中していた時、サクヤとキュリアは最初の頃は暇そうに見ていたのだが暫くするとPvPでキュリアの訓練をしていた。
キュリアのスキルに空きがあった事でキュリアとサクヤは話し合って俺の事を無視して2人でスキルを決めていた。
【反撃の狼煙】のスキルをキュリアは新しく取っていた。
【反撃の狼煙】
相手の攻撃を避け攻撃をした際ダメージ率上昇。
このスキルは本来ならカウンターと一緒に取るべきスキルであるがサクヤには目論見があった。反撃の狼煙はカウンタースキルの補助的な役割を持つものなのだがカウンターを取らずに反撃の狼煙だけを取ったわけは…
「今から練習してスキル無しでカウンター出来るようにしちゃおう!受け流しやパリィも上手な人はスキル無しでガンガン決めちゃうから!キュリアちゃんなら出来る気がするの」
「でも…マスターの許可が…」
「おにぃは今話しかけても無駄よ…あれだけ自分の世界に入ってたら小一時間は戻ってこないから。待ってるだけじゃ暇だしね♪」
「それなら…お願いします!」
こうして2人は練習をしていたのだ。
サクヤは魔法主体なのだが短剣術を持っており高レベルまで上げていた。
キュリアに教えるのには充分な時間は無かったが俺が自分の世界から戻ってくるまでみっちりと教えこんでいたのであーる。
~~2時間後~~
「全部分解し終わったぜぇぇぇぇ!!つかれたぁぁぁぁ!!ん?2人が居ねぇ…」
「やっと終わったの?おにぃ?私たちも疲れたわよ!ねぇキュリアちゃん」
「そうだねお姉ちゃん!でも上手に出来るようになったから私は満足です!」
「え?お姉ちゃん?サクヤがキュリアのお姉ちゃん?いつの間にそんな関係になったの?」
「おにぃが没頭してる時に訓練してたからその影響かな?それよりもうすぐお昼になるんだよ?終わったんなら買ったパンでも食べよーよー」
「お腹すいたのです…」
「なら食べますかね。食べた後サクヤはどうするんだ?街に戻るのか?」
「そだね〜ホノちゃんとリアちゃんが明日のイベントに向けて色々作ってるみたいだし様子見に戻るかな?おにぃはどうするの?」
「俺たちはボスと連戦してみようと思ってる」
「今度はしっかりと戦うのです!マスターをちゃんと守れるようになりましたからね」
「連戦っていっても1回倒したら1時間は戦えないのは知ってるよね?」
エリアボスは1度倒すと1時間のクールタイムが設けられるようになっている。
経験値も多い上にドロップも良いのが出るため乱獲されないように措置されていた。その事を俺は知らなかったのだ。
「まじか…ならこの後すぐに行ってから一旦ログアウトするか…リアルでも飯食わないとだしな」
「ちゃんと調べておきなよ…これだからおにぃは…やれやれ。鉄鉱石とかはどうするの?そのままじゃ使えないよ?」
「とりあえずは色々実験してみたいから取っておくさ。もしホノニャンが欲しいって言うなら売るよって言っておいてな」
「りょーかーい。それじゃ私は戻るね♪キュリアちゃんの進化先は掲示板に載せるの?てか載せないと周りがうるさいと思うけど…」
「だよな〜サクヤに任せていいかな?あの掲示板に俺は書き込む勇気がない!」
「わかったよ首狩り狐さん!しっかりとみんなに伝えておくね〜」
サクヤは1人街に戻っていった。
俺とキュリアはボスと戦うためにエリアボスフィールドの元に歩み出した。
「てかキュリアはもうスキル埋めたんだよな。俺はどうするかな」
「2人で勝手に決めてごめんなさいです…」
「別に怒ってないからいいさ。それより俺が決めなくても出来たんだな、それに驚いてるんだよ」
「何故か自分で取れるようになってたので…これからは前衛は私に任せてくださいです!」
「頼りにしてるぞ?」
キュリアの頭を撫でながら優しく言った。
俺達はボスエリアに足を踏み入れ戦闘準備をする。
「マスター、森狼ボスは私が相手をしてもいいですか?以前のリベンジをしたいのです」
「無理だけはすんなよ?フォローはするけど危ないと思ったら下がるんだぞ」
「はいなのです!」
「んじゃ【付加】パワーアップにディフェンスアップ」
付加を掛けると同時にボス達が現れる。
以前とは違い、俺がインパクトショットを放とうとしたがボス達は素早く走り出し散らばっていった。
しかし俺は焦らずに森狼を一体ずつ攻撃していく。
(焦らなくても森狼達は楽に倒せる。キュリアに雑魚を近寄らせなければいいだけ!)
キュリアの元に向かおうとしている森狼を素早く矢で打ち抜くとすぐ様近くに迫っていた別の狼に狙いをすまして打ち抜く。
キュリアはボスと一騎打ちをしている。
「以前の私とは違うのです!槍術アーツ…乱れ突き!さらに剛一閃!」
【槍術】アーツ
乱れ突き
素早い突きを4回繰り出す。
【槍術】アーツ
剛一閃
力強い薙ぎ払いで相手を切り裂く。
ボスは剛一閃を受け後ろに飛ばされるが着地したと同時にキュリアに向け走り出す。
鋭い爪で薙ぎ払って来たが白兎の石突で右手を弾くと同時にカウンターでボスの喉元に槍を突き刺そうとするが間一髪で躱す。
森狼を全て倒した俺はキュリアに付加を再度掛けてボスに攻撃を仕掛ける。
「新しいアーツだぜ!喰らいな!スナイプショット!」
【弓術】アーツ
スナイプショット
正確な射撃で相手を貫く。
俺はボスの右目に狙いをすましてアーツを繰り出すと見事に右目に刺さり唸りあげる。
するとボスは雄叫びを上げ出す。
「キュリア!結界を俺に!そんでキュリアは飛んで回避!」
「了解です!結界!」
ボスの雄叫びは森狼を呼び出しさらに恐怖の状態異常を掛けるが新しい薬を取り出し呑んで直ぐ様回復する。
状態異常は回復したが、さらに地響きを使い俺の動きを止める。
キュリアは光の翼を出し空中からシャインフェザーを使い新しく現れた森狼を攻撃するがシャインフェザーの威力はそこまでない為、足止め程度にしかならなかった。
その間にボスは俺に突撃をしてくる。体当たりをし、爪で素早く攻撃をするが結界でなんとか耐えていた。
「結界がそろそろ限界だ!一旦ボスを離すことは出来ないかキュリア?」
「やってみます!」
キュリアは2匹の森狼を光に変えると同時に素早くボスに向かって飛び出す。
「あちらに気を向けるのです!【幻影】!」
ボスの後ろにミラージュを出すと後ろを振り向き噛み付くと同時にキュリアはアーツを出す。
「剛一閃!蒼月斬!」
右から薙ぎ払いからの左下から切り上げ攻撃し俺から離すことに成功をした。
この攻撃でボスのHPはレッドゾーン近くまで減っていた。
「うし!地響きの状態異常はまだあるけどなんとか動ける!ラストアタックはキュリアに任せるぞ?」
「はいなのです!」
「視力を奪ってやる!スナイプショット!ほれキュリア!いけ!」
スナイプショットで左目の視力を奪い、天を仰いでボスは唸るとキュリアはボスの頭上に飛び上がり白兎を構え、
「今回は私の勝ちなのです!光となるのです!」
キュリアは光の翼を輝かせボスの脳天に白兎を突き刺す。
HPを全損させると同時に光になって行った。
「今回は危なげなく倒せたな、キュリアもリベンジ成功だな!」
「はいなのです!姫とは違うのですけど、無念は晴らしたのです!」
「それならまたさっきの川に戻って一旦休憩だな」
俺達は川辺のセーフティゾーンに向かいそこでテントを張りログアウトした。
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