第27話 厨二病
喫茶<キャットファイト>
俺はユーキングが出してきたキュリア用の装備を見て驚いていた。
「なぁ?色々聞きたいことがあるんだが…とりあえずこのセット装備ってなんだ?」
「それはどれか1つでも装備してなかったり違うものを装備したら効果が無くなる仕様だ。ちゃんと全部装備をしたら効果発揮する物なんだよ」
「それはなんとなくわかるんだけど…これってかなり凄いものなんじゃね?」
「まぁそうだな。うちのパンくんが張り切り過ぎて大変な装備になってるしな!それに重量軽減とかつけやがって…俺の武器には付けてくれなかったのに!!」
重量軽減に自動調整のスキルの説明をユーキングに求めた。
ユーキングが説明するには
【重量軽減】は武具の重さを軽く出来るスキルであり、鍛治スキルのレベルが上がれば魔石を使ってスキルを付けることが出来る。鍛治だけではなく細工や裁縫などでも魔石を使っての生産ができる。
【自動調整】も同じく魔石を使ってスキルを付けている。このスキルはたとえ装備者のサイズに合っていなくても自動的にサイズを合わせてくれるスキルである。
「その2つのスキルはなかなか便利やな。それにもう一個スキル付いてるけどこいつは…」
「【闘神】は1戦闘に付き1回しか使えないスキルだけどかなり強いぞ。全ステを30%上げられる。効果時間は180秒だけどな。でもデメリットも付いてくる。そのデメリットは1秒に付きHPが1減っていくんだ。まぁスキルで全損する事は無いけど相手の攻撃受けて全損する可能性もあるから要注意だな」
「これもレベルが上がるにつれて効果も上がるんだろ?」
「もちろんな、でもデメリットも一緒に上がるから使いどころが肝心なんだよ」
(かっこいいですのぉぉぉ!!さっそくそうびしてみるのです!)
キュリアのステータスを開き装備させると小さな戦乙女がそこに現れたのだ。
槍を掲げる小さきヴァルキリーの誕生である。
「キュリアちゃんの装備もいいけど私の傑作品も見て欲しいかな」
アゲハはそう言うとテーブルに服を取り出した。
しかし…アゲハが出してきたものを見て一言。
「なんで出したのがメイド服やねん!俺の装備違うだろ!」
「えぇー!シウくん絶対に似合うから着てみよ?ね?」
「シウの高身長メイド姿…ぶふぉ!」
「断る!てか本気でこれじゃないですよね?」
アゲハは渋々メイド服をアイテムボックスに直して再度服を出した。
「メイドがダメなら執事ならいいでしょ!男の娘の執事姿…はぁはぁ…萌えるわ…はぁはぁ」
「ユーキエモン…助けてよ…あの人俺は怖いよ…」
「シウ…諦めて着てやったらどうだ?そうしたらおちつ「だが断る!!」ですよねー」
「ギンガムさんも止めてくださいよ!」
「ん?面白そうだからいいんじゃないか?」
誰が着るかよ!俺が面白くないから却下じゃ!!
アゲハが落ち着くまでに時間が掛かったが漸く本題に入った。
「今度は本当にシウくんの装備一式だから安心してね?さぁご覧あれ!」
そうアゲハが出した服の鑑定を行った。
防具:軽装一式
アサシン装備セット レア度5
製作者:アゲハ 命名者:アゲハ
体(上)
黒き闇の服 耐久値270/270
VIT+15
体(下)
黒き闇のズボン 耐久値270/270
VIT+10
篭手
闇を纏いし篭手 耐久値350/350
VIT+8 DEX+20
靴
黒馬のブーツ
AGI+15
背
魔を背負いしローブ
VIT+5 MP+50
セット効果
【隠密】 HP100up
「なんで弓使いの俺がアサシンになるねん!しかも名前が厨二臭ぷんぷんしてるけど!」
「ふふふ…私はなんて素敵な物を作ってしまったんだ…我が右手よ!よくやってくれた!!」
「ユーキエモンーー!!どーにかしてくれ!」
「アゲハはもう末期だから諦めてくれよ…俺だって我慢してんだから…」
「よーし!アゲハももう見せたからいいよな!次は俺の番だ!」
「まて!我が
「アゲハさん!現実に戻ってきて!お願いだから!ギンガムさんの武器も見たいから現実に戻ってきて!!」
もうこの人たちキャラ濃すぎるよぉ…キュリアは完全に自分の世界に入ってるし…目を輝かせながら槍を眺めてるし…
「とりあえずギンガム、アゲハは放置してシウの弓を出してやってくれ…話が進まなくなる…」
「そうだな、よし!シウよ!これがお前の新しい相棒だ!!!」
ギンガムがテーブルに出してきたのは真っ黒な弓であった。
「なんか黒い?!賢老樹って黒かった?!」
「それは…アゲハの要望なんだよ…諦めてくれ…でも性能はいいぞ!」
武器:弓
魔弓シャランガ レア度5 耐久値400/400
製作者:ギンガム 命名者:ギンガム
ATK+35 INT+25 DEX+20
【魔弓】
「もうこの装備たち最高じゃね?てかスキルの詳細を教えて欲しいんだけど!隠密に魔弓ってなにさ!」
「シウ太くん!このユーキエモンが説明しよう!」
アゲハが作ったアサシンセットについてある【隠密】の効果は、気配察知と気配遮断に加え不意打ちが加わって居るのだ。本来ならこの3つのスキルがレベル30にならないと覚えられないスキルみたいだ。
そしてギンガムの【魔弓】は、矢を自身のMPにて作り出せるスキルである。矢の威力・本数はMP消費量によって変わるのだ。
そしてこの装備品に付いてあるスキルはスキル枠を消費せずに使えるのである。しかも確率によって固有スキルとして定着する事もある。これは公式では発表されおらず、第1陣のプレイヤーによって発見されていた。定着したプレイヤーも複数居るが未だに定着する条件などは解明されていない。
「どうよシウ太くん!この俺たちの実力は!そしてこの装備達は他の素材を合成することによって進化していく装備なのであーる!使う素材によってステの上昇値が変わったり、スキルも新しいのが増えたりするのであーる!!」
「いや…言葉にならねぇけど…これかなりの金額するんじゃねぇの?アゲハさんには支払ってるけど弓やキュリアの装備の金…足りるかな…」
「本当ならタダでいいぜ!って言いたいんだけどな、さすがにそれはまずいって事で半生パンくんとギンガムで相談した結果…有り金全部でいいぞ」
有り金全部…なんだろ…聞き取り方によってはいじめにあってる少年って感じがする発言だよな?
(ありがねぜんぶおいてけーですの!)
なんでキュリアがそこで言うのかな?!君は自分の装備に夢中になってなさい!
「有り金全部な。手持ちは8万ちょいしかないけど本当にいいのか?素材とか売ればもうちょい出せるけど…」
「今後の付き合いも考えたら別に8万でいいだろよ!それに俺とお前の仲だろ?気にすんな!」
「男同志の友情ですな!そこに俺も加わるぜ!」
ギンガムが俺とユーキングの間に入ろうとした所をアゲハに止められたギンガム。
「なにふたりのイチャラブを邪魔してんのよ!この筋肉バカが!男の娘とイケメンの熱いシーンなのよ!自重しなさいよ!!」
「「自重するのはお前だろ!」」
ユーキングと俺は声を揃えてアゲハにツッコミを入れたのであった。
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