第24話 姫
師匠の工房に戻って来たけど師匠は何処かに行ってるみたいで居なかったけどノワルさんに許可を取り工房に入った。
新しく作れるようになったアイテムは…
毒・麻痺・火傷・鈍足・混乱、それぞれに効く状態異常回復薬。
相手を毒・麻痺・鈍足・混乱にさせられる状態異常薬。
投擲アイテムの麻痺玉に毒玉。
この3パターンの新アイテムを作り出せた。
(へんないろのおくすりさんたちなのです…)
「だよなぁ…回復薬なのに紫とか…飲む気にならない色なんだよな…状態異常薬は分かるけど…回復薬が…」
この他にも、矢を作る素材があれば毒矢に麻痺矢も作れるみたいだけど在庫がねぇ…昨日取るの忘れてたもんなぁ…後でどうせ西の森に行くから補充して作ってみますかね。
とりあえず町でやる事やったから西の森に行ってみよー!
まずは西の森のセーフティゾーンまで突っ走るぜぃ!
問題なくセーフティゾーンまで来て、矢の素材も取ったからとりあえず休憩がてら毒矢とか作りますかね。
毒矢×10
麻痺矢×10
数少ないけどとりあえずは完成。
休憩もしたからそろそろエリアボスの所に向かいますかね。
俺はセーフティゾーンを抜け、エリアボスのある場所までやってきた。その場所は今までの森とは違い、開けた場所であった。周りは木で覆われており自然のコロシアムのようである。
その場を1歩踏み込むと目の前に画面が突如現れこう書いていた。
『エリアボスに挑みますか? YES or No』
「もちろんYESだろよ!キュリア!いくぜぇ!」
(あいあいさーなのです!)
YESをタップすると周りの木々から五体の森狼が現れ、目の前の木々から一体の巨大な狼が現れた。
森狼達はグレーの体毛なのだがその狼は薄緑の体毛である。すぐさま鑑定をその狼にしてみると、そこに書いてあった名前は
「……なんか名前違いません?!ここのボスはエリートウルフのはずだよね?!逃げ場はないからやるしかないか…初弾は花火を打ち上げさせてもらうぜ!弓術アーツ…インパクトショット!」
インパクトショットを森狼姫目掛けて放つ。
森狼姫に当たると同時に爆発が起き姫の周りに砂埃が立つがそれをかき消すように森狼姫は俺目掛けて走り込んできた。
「ダメージは与えてるけど動きが早い!キュリア!結界を頼む!そして周りの狼達にライトボールで攻撃!」
(らじゃ!)
結界に護られた瞬間に森狼姫は目の前に来ており、飛びかかって来た。飛びつきながら鋭い牙を持っている口を大きく開き噛み付こうとしていた。
「ローリング回避ぃぃぃ!!からの毒矢に付加火パワーショット!!」
前転をして噛みつきを回避しながらも弓で反撃をするが効果はイマイチであった。毒矢が刺さっても毒にはならなかった。
周りの狼達はキュリアが牽制してくれているお陰で数匹は距離を保っていた。
しかし、背後から体当たりをくらうが結界が護ってくれていた。だが結界を張ってから60秒が過ぎようとしていた時、背後の狼に気を取られ姫の事を忘れていた。
弓を構えクイックショットで狼を討つと同時に頭上のキュリアから
(ますたーうしろなのです!)
後ろを振り返ると爪を生やした右手でなぎ払おうとしていた。
「キュリア結界を…痛ってぇ!!」
(ますたー!!)
キュリアに結界を頼もうとしていたがまだクールタイムで使えずにいた。そして姫の攻撃の方が早く俺は吹き飛ばされた。
HPは一撃で3分の2を持っていかれすぐ様錬金ポーションを使うが回復は追いつかない。
森狼はまだ3匹残っており俺に向かって走ってきている。キュリアも逃げながらもライトボールで攻撃をする。
俺も弓をその場で構え森狼に狙いを定めたが左から姫が向かってきておりそちらに弓を向けた瞬間に姫は飛びかかってきた。
間一髪で避けたが森狼に噛みつかれる。なんとかダガーで顔を突き刺す。
残り2匹と姫だけ。2匹は同時に飛びついてくるがシウがバックステップで回避をし避けたのだがそこには姫がいた。
姫は手で俺を抑え込み大きな口を開けた。
「あー、うん。俺オワタ」
一言言うと姫は頭に噛みつき、俺は光となり消えていった。
<アインスドット>教会
祝!初死に戻り!今日はお赤飯炊かないとだね!
はぁ…負け戦ってのはわかってたけどやっぱり負けると落ち込むもんがあるな。
(ますたーよしよしなのです)
あぁ…癒されるぅぅぅ。さすが天使様…
それよりも2時間はデスペナだからどうしようもないな。
うーむ…とりあえずユーキングがインしてるから連絡してみっか。
「もっし〜今暇してる?」
『えー、今は暇っちゃ暇だけどなに?またなにかやっちゃった系?』
「やったと言えばやった、やってないと言えばやってない!とりあえず聞いて欲しいことがあるんだよ!」
『仕方ねぇな、ならキャットファイトで待っててくれ。すぐ行くから』
喫茶<キャットファイト>
個室で待っていると直ぐにユーキングはやって来た。
「早速だけどなにを君はやらかしたのかな?」
「ユーキエモンはせっかちさんだなぁ〜とりあえずエリアボスに負けた」
「え?今のレベルなんぼだっけ?ソロでも13はあれば行けるはずだぞ?お前はそんな低くないだろよ」
「俺が17でキュリアが10、でも出てきたオオカミさんが違ったんだよ!なんだよあのオオカミさん!」
「はぁ?違ったて…エリートウルフじゃなかったのか?まさかの上位種出しちゃったの?!君なにしてんの?!そのボスの名前は!」
「何してる言われても…知らんがな!名前は森狼姫だったなレベル25だった」
「………キングクラスですやん。かー!初心者にゃきっついボス出してしまったな」
「そんなにやばいやつなのかえ?」
「王や姫とか付いてるモンスターは基本強い。エリートウルフは狼系モンスターの通常進化版だけど姫が付いてるなら特殊進化だな。それをボスとして出すには条件が必要なんだわ」
ユーキングが説明をするには通常のボスは進化しているモンスターが普通なのだが、戦った森狼姫は森狼の特殊進化をしていた。
姫が出る条件、それは…
「森狼を駆逐しすぎたな!そして尚且つFLOを始めて日が浅い、ログイン日数も関係するみたいだからな。まだ助かってるのは西の森で尚且つ姫ってのがありがたい。王なら魔法使ってくるからな」
「なにその設定…他のエリアボスの条件もそんな感じなのか?」
「基本的にはボスと同じ種族の討伐数とか特定のアイテムを持ってるとかだな。お前の場合は討伐数だな!エリアボス倒すまでは姫がずっと出るから諦めろよ〜」
「まじかて…どーすっかな。装備一新したらまた挑んでみるか…てか挑まないと終わんねーじゃんよ!先に進めないやんけ!」
「その通りだな。でもキュリアちゃんと2人なら行けたんじゃねーの?」
「キュリアは今現状補助ぐらいしか出来ないからな。攻撃出来てもライトボールだけだし。幻影使ってもあの場所じゃ意味が無い、結界も避け続けてたら効果時間過ぎるし」
先程の姫との戦闘の話をユーキングに話してヒントを貰おうとした。
「ソロで行くならヒットアンドアウェイが1番、パーティプレイなら1人タンクが入れば楽勝だけどお前らはヒットアンドアウェイで行くしかないな。てか
俺はバフの存在をすっかり忘れていたのだ。今までずっとエンチャントのみしか使っておらずバフを掛けていなかった。
「そういや有ったな…忘れてたぜ…よし、次からはしっかりとバフを掛けよう。うむ」
「やれやれ…まぁ装備も新しくなりゃ次は勝てるだろ。それよりスキル枠埋めたのか?」
「それがまだ。どれがいいのかわかんなくてな」
「弓使ってるならDEXが上がるようなスキルを取るか、それとも後方支援系のスキルを取るかだな。キュリアちゃんが育てばお前は後ろから狙撃だろ?」
「まぁそうなるな。森だけ攻めるなら立体機動とか欲しいけど他のエリアでは上手く使えそうにないから辞めたんだよな」
一応は考えて居たのだ。立体機動は確かに木々があるような場所では使えるスキルなのだが平原や洞窟、山などでは使い道が無いのだ。
「スキルはまた後で考えるとして…ユーキエモンよ…称号について教えて欲しいんだけど」
「称号?精霊の加護以外にもなにかあるのか?あぁ弟子についてか?あれは掲示板に載ってるだろ?」
「いやな…その…狼の首を狩り続けたら変なのが増えたねん」
「…なんの称号だ?」
「首狩り族」
いつの間にか増えていた称号についてユーキングに素直に話した。
「相手の動きを鈍くする為に足ばかり狙ってたやつは卑怯者の称号は聞いたことあるけど…首狩り族なんて…お前らしいっちゃお前らしいけどさ」
「俺らしいってなんやねん!」
「だって掲示板で有名じゃん?」
ユーキングが言うには特定の行動をやり続ければ称号が増えるらしいが首狩り族は初見だったらしい。
他にも詐欺師や死神などの変わった物があるみたい。ユーキング自身も狂戦士って称号持ってるみたいだし。
「称号の効果は確認したのか?意外といい効果あるかも…だぜ?」
言われた通りに首狩り族の効果を見てみると
【首狩り族】
相手の首を攻撃すると大ダメージもしくは即死になる。
ダメージ倍率:3倍
即死確率:75%
うん、どちらにしろ雑魚相手だと即死ですね。狼相手だと今の俺でも即死に出来ますやん…
「これはなかなかやばいでやんす。硬いモンスターでも効果あるんだろか…」
効果をユーキングに伝えた。
「それなら今度北にでも行って確かめてみるか?装備を整えたとしても出るのはゴーレムとか居るからな…こっちのクランから何人かと共闘してみるか?」
「まぁそっちがいいなら俺的には助かるが、いいのか?役に立たないかもだぞ?」
「弓でもダメージは通るから大丈夫だぜ?事前に掲示板で出てくるモンスターを調べとけよ。少しは対策ぐらい錬れるだろ」
「わかったよ。とりあえず明日以降だな。装備が整ったらまた姫に挑む!イベント前に北と南に行っておきたいしな」
「それならまた明日だな。俺の予想では昼前には渡せると思うぞ。3人が笑いながら工房に篭ってるからすぐだろうよ」
アゲハさんの厨二ぽい笑いが想像出来てしまう…
とりあえず明日に期待だな。師匠の工房に行って錬金したら今日は落ちる。
そして色々考える!よし、そうしよう!
そして掲示板では…
:::::::::::::::::::::
【守れ!】首狩り狐さんの行動日誌Part7【首を!!】
1.このスレは首狩り狐さんの行動を観察するスレである。
>>980は次スレを作ること。
:::::::::::::::::::::
459.名無しの剣士
森にて狐さん発見!
460.名無しの樵
ほんと狐さん森すきだよなwww
森に住んでるんじゃないのか?w
461.名無しの双剣士
狐さん今日も首狩りお疲れ様でーす!
462.名無しの槍使い
>>459詳細はよ!(_・ω・)_バァン…
463.名無しの剣士
狐捜索隊で森を巡回中に奴を見かけたんだ。
その時の狐さんの行動は…
464.名無しの拳士
(;・`д・´)…ゴクリ
465.名無しの魔法使い
(;゜д゜) ゴクリ…
466.名無しの剣士
木の上を飛んで移動していたんやで!!
467.名無しの盗賊
リアル忍者www
どこを目指してるんだよwww
468.名無しの剣士
でもかなりの頻度で落下してたぞwww
不覚にも笑ってしまったwww
469.名無しの薬師
狐は飛べません。
470.名無しの召喚士
飛べない首狩りはただの狐だ!
471.名無しの剣士
その時の首狩りさんの行動を録画出来ていたらお前らは萌えると思うけどな…(小声)
472.名無しの銃士
!
473.名無しの盗賊
なぜだ!萌える要素が首狩りにある訳がないジャマイカ!
474.名無しの剣士
「失敗しちゃった…てへへ」
みたいな感じで頬をポリポリしてたんやで!
遠視スキルでしっかりと確認したんやで!!微妙に照れてた感じで萌えたんやぞ!!
475.名無しの薬師
キツネたん(;//́Д/̀/)'`ァ'`ァ
476.名無しの調教師
その時の尻尾はどうなってた!!
477.名無しの剣闘士
その時の耳はどうなっていた!!
478.名無し大盾使い
その時のお前の首はあったのか?!
479.名無しの剣士
尻尾はしゅんってな感じで下がってて微妙に揺れ動いてた。
耳はペタンって閉じてた。
俺の首は…あれ?目の前に俺の体が見える…
480.名無しの樵
狩られてるぅぅぅ!!!
481.名無しの剣士
冗談だわ!ちゃんと繋がってるわ!!
やべ?!こっちを向いた!!
482.名無しの細工師
逃げろ!直ぐに逃げるんだ!!
483.名無しのハンター
狩られる前に逃げるんだ!!
484.名無し剣士
やべ…進み出した…
ちと追いかけるわ!続報を待つんだ!
485.名無しの銃士
まじか〜でも今日はいいネタ貰ったから良しとする!
・
・
・
・
637.名無しの剣士
俺…無事に帰還…した…
638.名無しのハンター
おかー。てかなんか疲れてね?
639.名無しの剣士
あの後も木の上で首狩りしてるの見てたんだけど、動いては止まっての繰り返しをしてたんだわ…
暫くしたら…追いかけられたんだよ!
640.名無しの盗賊
強襲www
641.名無しの山賊
追いかけられるとか恐怖でしかないwww
642.名無しの剣士
もうあれはホラーやで…笑いながらダガーを振り回しながら…叫びながらこっちに来るんだもん…
643.名無しの盗賊
いい経験をしたじゃないか…
644.名無しの拳士
(。-人-。)
645.名無しの僧侶
(。-人-。)
646.名無しの神官
(。-人-。)
647.名無しの剣士
お前ら…人事と思いやがってwww
1度目の前でやられてみやがれ!!俺と同じ恐怖を味わえ!!
バーーーカーーー!。・゜・(*ノД`*)・゜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます