第23話 平和な時間


 彷徨う鎧から無事に逃げ出した翌日、アインスドットの宿屋からどーもこんにちは俺です。


 今日は昨日の戦利品の確認からスタートなんです!


(ますたーおかえりなのです!)

「ただいま、キュリア。今から昨日手に入れたアイテム達を確認してから師匠の所にいこうな」

(はいなのです!)


 てなわけで、早速確認していこー!


 スケルトンの頭蓋骨×12

 スケルトンの肩甲骨×10

 スケルトンの魔石×6

 ☆スケルトンの恥骨×4

 ゾンビの腐肉×35

 ゾンビの魔石×7

 ☆ゾンビの脳みそ×2

 ☆ゾンビの目玉×4

 黒蝶の羽×9

 黒蝶の触覚×16

 ☆黒蝶の鱗粉×5


「結構な数になってるけど…黒蝶以外のレア素材がなんとも言えないのはなんでだろう…嬉しいような嬉しくないような」

(ほねとくさったおにくなのです!おにくがいっぱいなのです!)


 流石にアゲハさんやギンガムさんにアリスは欲しがらないだろうな。武具に使えそうな素材じゃないだろうから。

 やっぱりこれは師匠の所に行って使えるかどうか確認してもらわないとな。

 持って行って、あの彷徨う鎧の素材が欲しかったとか言われた時は悲しいぜよ…


 確認したからさっさと師匠の所に行ってみよー!

(れっつごーなのですー!)



 雑貨屋<森の隠れ家>


 師匠の店に行くと店番は師匠がしていた。


「今日も工房を使うのかい?昨日使ったばかりだろ?」

「師匠が昨日言っていた夜の森で手に入れた素材を早速持ってきましたよっと。なんてたって新しいレシピが貰えるからね!さぁ愛しの弟子に早くレシピを!」

「別に愛しいとは思っておらんがね…レシピをあげる前にどんな素材を持ってきたか見せてご覧。それに応じてやるレシピが変わるからね」


 師匠が店番をノワルさんと交代をして工房に移動した。


「ひとまず全ての素材を1つづつこのテーブルにおくんだね」

「了解っす!さぁこの大量の素材を見てくださいな!」


 1つづつとは言えかなり大きいテーブルに置くと結構な量になるな。

 頭蓋骨とかデカいのあるしな。骨系はまだいいとしても…脳みそとか目玉はかなり気持ち悪いんですが…ホルマリン漬けされてるけど…なんか変な実験をしてる怪しいヤツな気分ですわよ…

 1番まともなのが黒蝶の素材だけというね。


「ほぉ、殆どの素材が揃ってるねぇ。残念なのが鎧の素材が無いことかねぇ」


 やっぱりそこ言われるのね!俺だって倒せるなら倒したかったけどあの鎧さんは無理なんだよ!レベル差がぁぁぁ!!


「まぁ鎧の素材があったとしても錬金には使えないからいらないがね!」


 なら言うなよぉぉ!俺の傷口をえぐるなよぉぉ!!


「それじゃあこの素材達でなにが出来るか説明をしてあげようかね」


 骨達は粉末にした後にポーションと錬金すると状態異常が回復出来る薬になる。

 ポーションだけじゃなく、相手にデバフを付けられる薬品も作れるとの事。

 恥骨さんはかなり優秀らしい、効果は自分で作って確認しろと言われたよ。


 ゾンビの素材の腐肉は相手を状態異常に出来る薬品系が作れるとの事。

 目玉と脳みそは今の俺では使い道がまだ無いから師匠が買い取ってくれるって!どんな使い道なんやろ…ホムンクルス作るのに必要とか?まぁ金に変わるから別にいいけどね!


 黒蝶シリーズは羽と触覚は薬に、鱗粉は攻撃系のアイテムに使えるみたい。まだそういや攻撃系アイテムを使ったこともないし作った事も無かったな。今回で初めて作れるかな?


「こんな感じさね、お前さんが今作れるレシピをまとめてやるから後でしっかりと確認するんだね。今から作るかい?」


 んー、確認しながら作っても良いけどギルドに行って報告してからの方がいいかな…少しは金になるしな!

 それに一応はアゲハさん達にもこの素材たちが欲しいか確認もしときたいし、ユーキングにも連絡とりたいしな。


 ギルドに行って素材系のクエストを無事に報告したけどさ…討伐クエストも受けた方が効率全然いいよな?この数日は素材系しかしてないやん!討伐クエストを受けてから森に行けばよかった…受けて数日は報告するまでに猶予あるからやるべきやん…今日からは受けてから狩りにいこ…

(どんまいなのです、ますたー!)

 うぅ…キュリアいい子…小さいおててで俺の頭を撫でてくれて…


 とりあえず、今日は西の森のエリアボスに挑むつもりだから西関係のクエストは受けておきますかね。



 ギルドでやる事は終わったからアゲハさん達にメッセを送ってと…

 ユーキンくんはインしてるかな?おっ、してますにゃ〜なら早速コールしてみるかね。


「あっ、もしもし?俺だよ俺?わかる?俺だけど」

『おー!マサアキか!久しぶりじゃのぉ!この前の金はしっかりと振り込んでおいたからな…って変なオレオレ詐欺するんじゃねーよ』

「乗ってくるお前もどうかと思うけど…んな事より聞きたいことがありますねん。今時間あるか?」

『アインスドットまで戻る時間はねーかな?通話じゃ駄目なんか?』

「いや、通話でおっけー。なら早速聞くんだが…彷徨う鎧ってあんなにレベル高いもんなの?掲示板見た情報と違ったんだが」

『はぁ?彷徨う鎧はレベル高くても21とかだろ?俺が倒した時で22だったけど。お前は違ったんか?』


 嘘だろ?じゃぁあの鎧さんは何者?!なんであんなに高レベルだったの?!


「…27」

『…え?高すぎじゃね?まさか死に戻りした?』

「なんとか逃げた!自分の頭を投げてきて俺のHPがくっそ飛んだけど逃げきれた!てかやっぱりあんな高レベルはおかしいよな?」

『レアの中でも激レアな彷徨う鎧なのかもな。他にもそんなモンスター居るかもしれないからちとこっちでも調べてみるわ』


 さすが狂戦士様ですわ!頼れるぅ〜!


 この後は多少雑談して通話を終えた。

 通話してる間にアリスからメッセが来ていたから確認すると、黒蝶の羽は欲しいらしい。アゲハさんとギンガムさんは武具に使えないから要らないかなーだって。そりゃ腐肉とか要らねーよな!

 とりあえずアリスに黒蝶の羽を数枚送っておくかね。


 残りの素材達は錬金行きだな。

 師匠の工房に戻ってレッツ錬金だぜぃ!




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