第19話 取引
喫茶<キャットファイト>
個室に2人が入ると既にアゲハとギンガムは椅子に座って待っていた。
「待たせてすまんな。こいつのイメチェンに時間取ってしまってね」
「きゃぁぁぁぁ!!!可愛いぃぃぃ!!!シウくんもぅ女の子になろ?ね?ね!!」
「えぇ…全力拒否しますね?俺は立派な男なんで…」
「女装すれば似合うかもしれんな…作る装備はそちらの方向で行こうか」
「ナイスギンガム!よし!立派な服を作るわよ!」
「まじでやめろよな?!女装なんかしないからな?!」
「まぁそんなことより集めてきたんだろ?それを話してからだな」
ユーキングが話を変えると気持ちを切り替え、取ってきた素材について話し出した。
ドロップで取れた素材を2人に伝えた。賢老樹の事はまだその時伏せていた。
「どんだけ取ってきたのよ…しかもシャドウスパイダーの糸まで…一応はレアモンスターでレア素材なのよ?それなのに取ってくるなんて…」
「こっちは普通にトレントの素材だな。そうそうトレントの上位種何かに出会える訳ないしな。出現率も低いし!」
「あー…いや、まぁなんと言うか…」
俺が言いづらそうに顔を逸らすとユーキングが聞いてきた。
「ん?なんか顔を逸らすってことは…なんかあったな?まさかエリアボス倒したとかいわないよな?」
「俺のこの貧弱装備で行けるとお前は思うのか?ん?そうじゃなくてトレントなんだけど…これもあるんだよね」
3人にワイズトレントからドロップした素材の事を話すと
「んなぁ?!取ってきやがってる!まじでこいつやっちゃってるよ!」
「ユーキングの言ってた通りだな!ほんとにやらかしてるよ!ガハハ!」
「シャドウスパイダーにワイズトレント…何この子…怖い…」
えぇ〜なんか俺ディスられてね?おかしくね?素材取ってきただけですやん!
あっキュリアそこちょっと痛いから優しく扱ってね?
「でもちゃんと取ってきたんだからいいだろ?!これでいいんだろ?!な?!」
「これだけあれば充分作れるけど…そうね、シャドウスパイダーの素材は買い取る形にするわ。少しでもお金は欲しいでしょ?」
「俺はワイズトレントの素材達と引き換えに弓を作るわ!木材5個に枝3個、そんで魔石を貰うぜ!すっごいの作るから期待しておけよ!早速作りに行くぜーー!!ガーハッハッハッハッハッハ!!!」
え?!トレード…ってか素材を渡した瞬間に走って行っちゃったよ…なにあの人…テンション高すぎてこわたん…
「アゲハさんは蜘蛛の糸と蝶の羽だけでいいんです?魔石も一応はありますけど」
「それなら蝶の魔石も使うことにしようかしらね。シャドウスパイダーの糸は全部で5万Gで買い取るからよろしくね♪最初のエリアでは結構なレアだから良いのが作れるわよぉ〜」
「5万もいいんです?!その金額から作ってくれる装備代を引いて貰っても良いんですけど…」
「そうしていいのならプラマイゼロになるわよ?」
「特に気にしてないから大丈夫です。あっ、出来ることなら狼とかの毛皮たちを買い取って貰えたら最高なんですけど。どうせ俺には使い道ないし」
「なら喜んで買い取るわよ。クランの子達が喜んで使うだろうしね」
俺は大量にある毛皮たちを在庫処分してもらった。俺の財布が豊かになったぜ!ぐふふ!
とりあえずアゲハさんとの話は終わりフレ登録も済ませたらユーキングがこんな事を言ってきた。
「他にも素材あるんだろ?西なら兎の角、東ならカブトムシの甲殻に蟷螂の鎌があるんじゃね?」
「ん?あるけどなんで?」
「それでもしかしたらキュリアちゃんの装備作れるかもやで?クランの奴に話したら作ってみたいって言ってきた奴がいたからな」
「あーパンくんの事か〜あの子ホントならここに来たがってたもんね。手先が器用だから小さい装備でも作れそうだしね」
「作ってくれるなら喜んで渡すぜ!なぁキュリア!」
(ついにわたしせんようのそうびができるのです!たのしみなのです!)
「ははっキュリアちゃんも喜んでるみたいだな。なら作るように言っておくわ!」
「頼んだぜぃ!んでいつ頃出来そうなんだ?そろそろイベントもあるし間に合いそうか?」
「私たちをなめたらダメよ?明日には完成させてあげるわ!楽しみに待ってなさい!うふふ…私の右手がさっきから疼いて疼いて…うふふ…」
なんかアゲハさんのキャラが…さっきまでのお姉さん系の人だと思ってたのに…まさかの厨二さんなのかな…
「キュリアちゃんの装備一式も渡せる様にしておくから明日を楽しみにしておくんだな!この後暇なら中央にある露店に行ってみたらどうだ?生産系のプレイヤーが色々出してると思うから時間潰しになると思うぞ。それにアクセとか買えるなら買ってステの底上げしといた方が戦闘が楽になるからな」
「まあ要らない素材も買い取ってくれたから金に余裕が出来たんで見に行ってみるわ」
こうして俺たちはその場で解散した。とりあえず昼前だし軽く露店に行ってみて物色してみますかね。
後、師匠の所にもいって錬金ポーションを作っておかないと!実の実験じゃ!
キュリアさん?実を食べないでね?お願いだからね?なんか後で買ってあげるからね?ね!
(やきとりがたべたいのです!かってくれないとりぷりるのみをたべちゃうのです!!)
おっけー!買うから食べないでね!約束だかんね!!
シウはキュリアに住人が売っている焼き鳥を2本買い、キュリアと食べながら露店に足を運んだ。
中央広場にはプレイヤーが様々な露店を出していた。
ほぇ〜なんか色々とあるもんだね〜。武器に防具になんでもあるんだな。
とりあえず今の目的はアクセ系が欲しいんだけど誰か出してないかな…
キョロキョロ周りを見ていると1人の女性プレイヤーから声をかけられた。
「ねぇねぇ。そこの狐さん、少し見ていかない?」
ゴスロリ風の服を着ており、黒髪のサイドテール。頭には猫耳が着いているプレイヤーであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます