第20話 アクセサリー


<アインスドット>中央広場



 1人の女性プレイヤーから声をかけられた。


 彼女の見た目は、黒髪で長さ的には胸辺りぐらいの長さだろう。髪型はサイドテール。そしてその頭には猫耳が付いている。服装はゴスロリ風のドレス見たいな感じである。黒を基調にしており所々赤や金などの装飾をしている。


(見事に全身黒だな…猫耳も黒だし…)

(ますたーはきつねさんですけどあのひとはねこさんなのです!かわいいのですぅ〜もふもふしたいのですぅ〜!)

(したらダメだからね?!勝手にしたら怒られるからね?!)


「ねぇ?狐さん?聞いてるの?」

「んぁ?!聞いてるよ?!聞いてる聞いてる!それで俺に何か用ですか?」

「キョロキョロしてたから何か探し物でもあるのかと思ったのですけど?違ったの?」

「あー露店に来るのが初めてだったからどうすればいいのか解らなくてね」

「そうなんだね、なら私の商品を見ていかない?アクセサリーが主だけどね。一応買取もしてるわよ」

「お?それなら都合がいい!丁度アクセ系を探してたんだよね。ナイスタイミング!」

「要望のアクセサリーがあれば言ってね。売るだけじゃ無くて素材の買取もしてるからなにかあれば買い取るわよ」

「アクセの要望としてはAGIかDEXが上がるアクセが欲しいかな?素材の買取か…カブトムシの甲殻とかでいいならあるけど…」

「そのどちらも上がるアクセならこれがいいかしら…まずはこのふたつを見てから買取の話をしましょうか」


 彼女が見せてきた2つのアクセサリーの詳細はこうだった。


 疾風のネックレス レア度3 耐久値250/250

 AGI+5


 生産の指輪 レア度3 耐久値250/250

 DEX+5


 (おぉ!なかなかいいんじゃないか?耐久値も結構高いじゃないか。

 しかし!気になるお値段は!!)


「2つとも欲しいけど…金額は…」

「2つで2万って所ね」


 oh......なかなかのお値段…買えないことはないけどまた金欠に陥るじゃんか…アゲハさん達に払わなくていいけど…どないしましょ…

 なら先に素材の買い取りをしてもらうか?そうしたら少しは余裕出来るかな…とりあえず聞いてみるか…


「欲しいのは山々だけど俺のお財布事情が…先に素材の買取をお願いしても大丈夫かな?」

「えぇいいわ。どんな素材を売ってくれるのかしら?」


 ならとりあえず持ってる素材を伝えるか。

 カブトムシの甲殻の残りに…悪魔(ゴキブリさん)の羽と触覚と…蜘蛛の目玉とか…賢老樹も残ってたな…こんな感じかな?


「買い取るなら甲殻と羽…賢老樹?!なんでそんな素材があるのよ!」


 賢老樹の木材が有ったから伝えたらまたまた驚かれた。そんなに貴重な物なの?確かにレアドロップだけどさ…近づかなかったら普通のトレントじゃんよ…


「ねぇ?その素材で私にアクセ造らせてくれないかしら?多分買おうとしたアクセよりいいのが出来るわ。むしろ買い取るから造らせて!」


 顔が近い近い!可愛い顔が俺の目の前に!


(わたしがいるのにうわきはめっ!なのです!!)

 痛い痛い!キュリアさん耳を引っ張らないで?!叩くのもダメだから!痛いから!意外と敏感なんだよ?!


「も…もちろん良いけど、むしろ作ってくれるなら有難いぐらいだよ」

「OK!それならこの木材は2万で買い取るわ!他の素材と合わせて合計3万Gね!それじゃトレードするわよ!」

 なかなかの鬼迫でトレードを終わらせたよ。興奮してる美少女って…なんか萌える…

 意外と他の素材たちも高く売れた…気がする…相場はわからんけどな!でもいいんだ…俺にはどうせ必要ないしね…アイテムボックスの肥やしになるだけだし…ギルドのクエストで減らしても大量に余るしね…


「それとフレ登録もするわよ!出来たら直ぐに連絡するから!」

「お…おぅ!」


 こうして無事?にフレ登録をし終わって彼女の名前が判明した。


『アリスとフレンド登録しました』


「これから宜しくな、アリスさん」

「こちらこそ宜しく、首狩り狐さん…いえ、シウ」


 ん?首狩り狐?なんだそれ?まぁあながち間違っちゃ居ないけどさ!


 とりあえずアリスさんと話し終わって直ぐにどっか行ったからここにはもう用事はないし…師匠の所にでもいって実が使えるか実験してこよ。


 雑貨屋<森の隠れ家>工房


 さて師匠は居なかったけど師匠の娘さんのノワルさんが居たから工房を借りると一言声を掛けてここに来ましたよっと…

 ではでは…出来るか解らんがリプリルとソレンズを使って錬金ポーションを作ってみましょう。

 用意するのはこちらですね〜

 薬草と水とリプリルになります。

 それでは〜レッツ錬金術♪

 出来上がりましたのはこちらです!


 ばばーーん!


 錬金ポーション(スッキリリプリル味)

 HPが28%回復する。

 クールタイム60秒


 今回はHPのみの回復になったな。しかも味!すっきりってどんな味だよ!わかんねーよ!

 まだソレンズもあるからそっちもやってみますか…


 錬金ポーション(微炭酸ソレンズ味)

 HPが60秒間5秒毎に1%回復する。

 クールタイム180秒


 リジェネ?!これ良くね?!役に立つんじゃね?!クールタイムが長いけど便利なやつキタコレ!

 そして微炭酸!炭酸要素無かったよね?!素材で炭酸になるようなヤツあったかな?!でも多分美味しいよね!

(のんでみたいですぅ…よだれだらだらなのです…ごくっ)

 …1本だけな…


 とりあえず実験成功なのです!もちろん実を全部使って錬金ポーション作ったよね!作らないと損だよね!

 ノワルさんに報告して工房を出ましょうかね。

 工房から出ようとしたら師匠が帰ってきた。


「来ていたんだね。もう今日は終わりかね」

「そうっすね。ポーション作り終わったんで」


 出来上がったリプリルポーションを見せると。


「ふむ、そのポーションが出来たってことは東に行ったんだね?」


 ポーション見ただけで分かるのかよ。流石師匠だな。


「東に行ったんなら今度来る時に夜出てくるモンスターの素材も持ってきな。そうしたら新しいレシピをあげるさね」


 まじっか…夜っすか…でもレシピの為に行くしかないか。

 とりあえず頭には入れておく事にしときますかね。




 さてと…師匠と話し終わって俺の目的ももう終わったしな。少しだけどっちかの森に行って狩りしてこよかな…

 昼まで1時間以上はまだ時間あるし…

 東では首チョンパ出来なかったから西に行って遊んで首狩ってこようかな

 とりあえず軽く西の森で遊んでこよ。ぐふふ…


 狼たちよ…



 首を洗って待ってな!!




 約1時間程…西の森では不気味な笑いがこだましていた。


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