第15話 西から東
<西の森>セーフティゾーン
時間を見たら昼過ぎてたから一旦セーフティゾーンに来て、今回はしっかりとテントを購入したからテント張ってログアウトして飯食ってきた俺です。満腹なんです。かるく眠いんです。
正直…テンション上がりすぎてやばくなってたね、あれ。
(ますたー…こわかったです…あのわらいは…あくまのわらいでした…)
うん、自重しようかね。とりあえずユーキングからメールが来てたから確認してっと…
『15時にキャットファイト集合。それと目立った行動やめなさい』
…え?なんか目立った行動したっけ?なぁキュリアさん?
(さっきまでのこうどうはめだってないの…です?)
誰も周りには居なかったよね?あれ?誰かいたの?まぁいいや…
薬草もしっかりと回収もしたし、矢の材料も取れたし。また茶葉が複数取れたけど…師匠に聞くのすっかり忘れてたや…後でまた工房借りる時に聞こう。キュリア覚えといてね。
(かしこまりなのです!)
キュリアのレベルもだいぶあがったな、おっ?俺のレベルも上がってるわ。
11か…スキル枠増えたからなにを取ろうかな…スキルはまぁ後で考え……ん?なんか称号の所に…
よし見なかったことにしよう。
とりあえずは街に戻って師匠の所に戻りましょう。
びゅーんと移動しますかね。
<アインスドット>雑貨屋(工房)
はい、猛ダッシュでびゅーんと工房まで戻ってきましたよっと。アインスドットに戻ってくるまでに葬ったモンスターの数は覚えてないけどね。
そんなことより師匠に茶葉の事を聞くのです!
「師匠に1つお尋ねしたい事がありますです」
「なんだい?ホムンクルスの作り方はまだアンタに教えられないよ?」
「誰も教えてとか言ってなくね?一言も言ってないよね?そんな大層な事を教えてもらうつもりないからね?!」
「違うのかね、それなら賢者の石かい?それとも転移石かい?どちらにしろまだあんたにゃ「だから違うからね?!」それならなんだい!」
「人の話をちゃんと聞こ?ね?俺が聞きたいのはこの茶葉についてなんだけど。なにかに使えるの?」
「あんた達の情報網でわからなかったのかえ?」
「調べたけど普通にお茶の材料としか載ってなかったんだよ」
勿論、俺は掲示板で茶葉に付いて調べていた。
調理スキル持ちがお茶の原料として使うか、裁縫師達が布を染める為に使ったりするしか情報は載ってなかった。
「そうさね…ポーションを作る時に一緒に合成してごらん。やってみたらわかるよ」
師匠に言われた通り錬金シートの上に薬草・水・茶葉を乗せて俺は錬金を行ってみた。
そして出来上がったのは、
錬金ポーション(お茶風味)レア度2
HPが20%回復する。
MPが5%回復する。
クールタイム60秒。
「MPまで回復出来るようになった?それにお茶風味って…」
「それは弟子にしか教えない作り方さね。薬師でもポーションを作る時に茶葉を使ったりしてるけど私と同じ考えだろうね。簡単に教えずに弟子のみにしか教えないってね」
「弟子の特権ってやつか…茶葉でお茶風味なら他の素材を使ったら色んな味ができるのか?」
「それは自分で確かめてみるんじゃね。どうせまた今から工房に籠るんじゃろ?私は店に戻るから終わったら顔を出すんじゃよ」
俺はユーキングと合流するまでひたすら茶葉ポーションを作った。
時間までに出来上がったのは30個程だ。
師匠に顔を見せてユーキングとの待ち合わせをしているキャットファイトに向かった。
喫茶<キャットファイト>
店に着くと個室に案内された。既に部屋にはユーキングが居たのだが見知らぬ人物が2人いた。
「おう、来たか。その子が例の天使かよ…マジ天使じゃんよ…」
「うちの娘はやらんぞ!!」
「お義父さん!娘さ「歯を食いしばれぇぇぇ!!!」」
とりあえず殴ってみたけどこっちの手が痛いんですけど?俺ダメージ食らってね?あっ、食らってないのね。ならいいや。
んなことより…
「漫才はこの辺にしていいか?本題に入りたいんだけどな」
「シウの方から言い出したんだろよ…とりあえず2人を紹介する前にポーションをいいか?」
「錬金ポーションなんだが…渡す前にこれを見て欲しいんだけどな」
俺は先程作ったお茶風味ポーションを1つ取り出してユーキングに見せた。
「ん?これは?え…錬金ポーションなのにMPも回復だと…」
「ちょっと私にも見せてよ!錬金ポーションなんでしょ?これ君が作ったの?」
「ほぇー!2陣からだよな?まさかダブル回復をこんな直ぐに作るなんてな」
ユーキングの他にまだ紹介もされてない2人も興味津々で錬金ポーションお茶風味を見ていた。
「この1個だけなのか?」
「一応30個は作ったけど俺も使うから売るとしても20が限界だぞ?」
「売ってくれるのか!それなら1個500Gで買い取る!」
思わぬ所で金額がアップして喜んで笑顔になってしまう俺はどうなんだろ…
「合計30000Gで錬金ポーションとトレードな。今送ったから確認してくれ」
「おけ、こっちも送った」
こうして俺とユーキングはトレードを終わらせた。めっちゃうはうはです。
そして俺たちのやり取りに取り残されていた2人の紹介に入る。
「いい加減私たちの紹介をしてくれてもいいんじゃないのかしら?キング?」
「そろそろ放置プレイに快感を覚えそうなんだが?」
「2人はクセが凄いけど生産職プレイヤーではトップクラスだからそこだけは安心していいぞ。シウのことを話したら食いついてな、それなら紹介してみましょって感じで今に至る」
「装備を作ってくれるなら是非ともお願いしたい。俺の装備だけじゃなくてキュリアの装備も出来たらお願いしたいんだけど…」
俺の頭の上で寝ているキュリアを指で指してお願いをしてみた。
「きゃーー!!ほんとに天使ちゃんをテイムしてるんだね!!フェアリーとは違うわね!可愛さが全く違うわ!!この天使ちゃんの服は私に任せて!最高級品を作るから!!因みに私は裁縫師のアゲハ、これからよろしくねシウくん」
「俺は木工職のギンガムだ、お前さんの弓を作ってやるよ。期待していいからな!それと…その天使は魔法のみの攻撃方法か?」
「俺もそれは思った。武器とか使えるスキル構成なのか?」
ギンガムとユーキングはキュリアの事について聞いてきたのでドヤ顔で俺は答えた。
「一応スキルで槍術は取った!だけど…このサイズだから武器が…ないんだよぉぉぉぉ!!アイアンフィストのおっちゃんには相談して作ってみるとは言われたけどさ!」
「槍か、それならクランの鍛冶師に一応声掛けとくわ。お前の天使に興味津々だったしこの話をしたら直ぐに作ってくれると思うぞ?とりあえずメールだけ今のうちにしておくわ。期待はしていていいと思うぞ」
とりあえず俺たちはお互いに自己紹介を終えて装備について話をすることになった。ここでひとつ重要な事を聞かなければ…
「装備を作ってくれるのはものすごく嬉しいんだけど…今の手持ちは約4万ぐらいしか金はない!どれぐらい金は要るんだ!」
するとアゲハが
「素材を持ち込んでくれたら値段は下げられるわよ?」
「俺も木材さえ持ち込んだら安くできるぜ!」
なんだと?!でも今の俺のアイテムボックスには狼の皮とか皮とか皮とかだぜ?
「森狼の皮は使えるのか?」
「んーまぁあるに越したことはって感じかしらね。そうねぇ…東の森には行ったことあるかしら?」
「東の森…まだ未踏の地だな。そこなら必要な素材が取れるんです?」
「東の森は昆虫系のモンスターだからな。蜘蛛の糸にトレントの木材。後はビートルの甲殻や蝶の羽とかが最高の素材になる。後、夜はゾンビなんかのアンデッドが出るから気をつけろよ?レアモンスターで言うならリビングアーマーだな」
ユーキングが東の森について説明をしてくれた。夜の事は聞きたくなかったけどな…あの恐怖が思い出される…
西の森と違って東は昆虫系モンスターしか出てこない。アゲハからは蜘蛛の糸・蝶の羽があれば良いと。ギンガムからはトレントの木材を持ってくれば良いと言われた。
ユーキングからはリビングアーマーと戦ってみて感想を欲しいと言われたけど直ぐに却下してやったよ。
そして東の森には希少種も現れるとの事だ。珍しい素材を手に入れることが出来るのだが強さが格段に上がるらしい。
しかし俺はなるべく安くなるならと言うことで行ったことのない東の森に挑戦することにした。
キュリアは未だに俺の頭で我関せずと言う感じで熟睡している。
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