27.小鳥さんとホクホク掘り

「どう? 今度こそ匂いは取れたかしら」


「クンクン、フンフン、……だいじょぶ!!」


「そう、良かったわ。じゃあ、こっちの草と花は?」


「クンクン、フンフン、……だいじょぶ!!」


「はぁ、これで次の作業ができるわね」


 部屋に戻る僕とママと小鳥さん達。さっきまだ臭い草と花に気づいた僕。でも僕、草を触っちゃって、僕の手まで臭くなっちゃったんだ。それで急いで特別なお水が置いてあるお部屋へ移動して、僕の手と草とお花を洗ったママ。


 だけどなかなか全部の匂いが取れませんでした。いつもとっても臭い泥。でも今日の泥は、いつもよりももっと臭い泥だったみたい。

 それなのにママは、1回洗って匂いを嗅いで、もう大丈夫ねって言ったんだよ。まだまだ臭いのに。


 だから僕はまだ臭いってママに伝えて、もう1回洗ってもらいました。それでも取れなかった匂い。そしてママはやっぱり臭くないって。


 僕は窓から小鳥さん達を呼びました。僕が呼ぶと、いつもすぐに何羽か飛んできてくれるんだ。今日もすぐにきてくれたよ。

 それですぐに僕の手の匂いと、草と花の匂いを嗅いでもらったら、小鳥さん達はとっても嫌そうな顔に。それから翼で全体を覆って、くさっ!! って仕草をしたんだ。それでもう1回洗って貰った僕。それでやっと匂いはなくなりました。


「アルフは良く匂いが分かったわね。小鳥さんは気づけるでしょうけど。ママ、全然分からなかったわ」


「くしゃかった。ママ、わからない?」

 

「そうね、ママは分からなかったわ。アルフは匂いに敏感なのかしらね」


 あんなに臭いのに、どうしてママは分からないのかな? 部屋に戻ってからは、小鳥さん達と一緒に、草と花を分けて。ママは使わない草と花を、別の入れ物に入れて。

 

 草と花を分けた後は、薬を作る時に必要な道具を用意しました。道具は地球のガラスみたいな物で作ってあるんだ。魔獣さんの何か? を使って、作られているんだって。その魔獣さんはお家にはいないみたい。


 割れるといけないからその道具はママが準備。他の木でできている道具は、僕と小鳥さん達で用意しました。


「さぁ、これで準備は良いかしら。お手伝いしてくれてありがとう。この後は危ないから、畑で待っていて」


「うん!!」


「そうね、ホコホコとニニンを掘って待っていて。籠がいっぱいになったら、遊んでて待っていて良いから」


「ホコホコ!! ニニン……」


「ふふ、今日のあなたのご飯にニニンはでないわよ。それは明日モルーの所へ持って行ってあげるニニンよ」


 良かったぁ。夜のご飯にニニンは出ないって。モルーはモルモットに似ている魔獣で、ウササみたいに小さいんだ。赤ちゃんモルーは僕の片手の半分くらいだよ。


「それからニニンの葉っぱを小鳥さん達にあげてね。お手伝いして貰ったお礼よ」


『『『ピピピッ!!』』』


 小鳥さん達は窓から先に畑に。僕は玄関から畑に。さっきまで小さいお家の中は、匂いで危険だったけど、今度はママの薬作りが危険。ボンッ!! って爆発して、僕も小鳥さん達も、真っ白しろになっちゃうかも。


 急いで畑に移動した僕。畑の近くに道具をしまってある小さな小屋があって。そこから僕用の小さな籠と、僕用の小さなスコップを持って、小鳥さん達が待っている場所へ。まずはホコホコから掘る事にしました。


 ホコホコはジャガイモと似ていて、蒸して食べたり、色々な料理に使って食べたり。蒸したホクホクにウシシのミルクから作ったチーズをかけて食べると、とっても美味しいんだぁ。


「ホクホクからほります!! おてつだい、おねがいします!!」


『『『ピピピッ!!』』』


 最初に僕がスコップで土を掘ります。ホクホクは土のけっこう深い場所にできているから、最初は勢いよく土を掘るよ。

 でも根っこが見えたら、そこからはそっとそっと。じゃないとホクホクがスコップが当たったら、ホクホクの皮が剥がれちゃうからね。


「よいしょ、よいしょ、ほっ! はっ!!」


『ピッピ!!』


『ピピッピ!!』


 僕が声を出すと小鳥さんが僕を真似して鳴いて、僕を応援してくれます。


「ほっ! はっ!」


『ピッピ!!』


『ピピッピ!!』


「ほっ!! あっ、ねっこ!!」


 根っこが見えて、そこからはゆっくりゆっくり。


「そ~と、そっと」


『ピ~ピ、ピッピ』


「ゆっくり、ゆ~くり」


『ピピピ、ピ~ピ』


「ゆっくり……、ホクホクはっけん!!」


『『『ピピピッ!!』』』


「いまからぼくがとるから、みんなつちをとってね!」


『ピピッ!!』


 僕はそこからスコップを使わずに、もっともっと静かに掘っていって。ツルが見えたからそれを引っ張りました。そうしたら3個のホクホクがツルについてきたよ。


「じゃ、おねがいします!!」


『ピッ!!』


 1匹の小鳥さんが前に出て来て、僕からホクホクの付いているツルをクチバシで受け取ると、そのままちょっと横に移動して、そのまま顔を振ります。そうすると少しづつ土が取れ始めました。

 ホクホクの土は、けっこうサラサラしているから、ちょっと振ると土が取れるんだよ。


「じゃ、つぎほります!!」


 僕もすぐ横に移動。また土を掘り始めて。ホクホクは掘っちゃうと、その場所に他のホクホクはできないんだ。だから隣に新しい穴を掘るの。


「ほっ! はっ!」


『ピッピ!!』


『ピピッピ!!』


「そ~と、そっと」


『ピ~ピ、ピッピ』


「ゆっくり、ゆ~くり」


『ピピピ、ピ~ピ』


「ホクホクはっけん!! つぎ、おねがいします!!」


『ピピッ!!』


 その後もホクホクを掘った僕。籠に入れたらいっぱいになるかな? っていうくらい掘ったら、掘るのは終わり。最後にもう1回、みんなでホクホクの土を綺麗に取ったら、籠にホクホクを入れて。

 その後は、小屋の中のホクホクをしまっておく箱があるから、そこまで運んで、箱にホクホクを入れたら、ホクホクは終わりだよ。


 僕達は次のニニンの方へ移動します。ちゃんとみんなにニニンの葉っぱあげるからね!!

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