28.小鳥さん達のニニンの葉っぱ

「う~ん、どれほろうかなぁ。ぼくは、どれでもいいけどぉ。まじゅさんたちのごはんは、おいしいニニン? がいいよねぇ」


『『『ピピピッ!!』』』


「ほんと? じゃことりさんたちは、じぶんでえらぶ?」


『『『ピピピッ!!』』』

 

 小鳥さん達は今ね、僕達はニニン好きだけど、葉っぱの方が好き、って言ったの。それで僕が自分達で選ぶ? って聞いたら、うん、選ぶ!! って。たぶん。


「じゃあ、みんなでそれぞれえらぼう!!」


 僕は小鳥さん達に、気に入った葉っぱがあったら引っこ抜いてね。それから僕が引っこ抜いたニニンと混ざらないように、僕とは違う場所に置いてねって。そう伝えてから、自分で掘るニニンを探し始めたよ。


 ニニンは葉っぱがいっぱいで、葉っぱの根元を探すのがちょっと大変。時々間違えて、葉っぱの根元じゃなくて、太い葉っぱを引っ張っちゃうんだ。

 ホクホクも皮を剥かないようにしないといけなくて、掘るのが難しいけど、ニニンも引っ張るのが難しいんだよ。


「どれにしようかなぁ?」


 ママは前に、モルー達はニニンの葉っぱの上の方が、少し黄色くなっているニニンが好きって言っていました。後は緑が全然ない、全部が黄色の葉っぱが好きって。

 ニニンの葉っぱは、みんなそれぞれ違うの。あっちのニニンは赤黄色だし、こっちのニニンは濃い緑一色だったり。全部のニニンが違うんだよ、実はみんな同じだけど。


「あっ!! これがいいかも!!」


 ちょうど葉っぱの上の所が黄色い葉っぱを発見!! これならモルー達喜んでくれるかも!! ちーちゃん、いっぱい食べられるようになったかな? 僕の掘ったニニン、食べてくれると良いなぁ。


 ちーちゃんは、モルーの中で1番小さい赤ちゃんモルーです。僕はちーちゃんのお兄ちゃんと仲良しなの。それでお兄ちゃんモルーが赤ちゃんモルーのことを、ちーちゃんって呼んでいたんだ。だから僕もちーちゃんって呼んでいます。


「しっぱいしないように、しっかりとねもとさがす!!」

 

 こっちの葉っぱをどかして、そっとの葉っぱはこっち。あれはそっちで、これはそっち。あっ!! ここが根元かな? 大丈夫? 間違ってない? ちゃんと確認。

 小鳥さん達だけじゃなくて、他の魔獣さん達も葉っぱを食べるから。魔獣さん達にはちぎれてるお野菜あげたくないもんね。


 うん! 大丈夫そう。よし! 引っ張るぞ!! 僕は踏ん張って思い切りニニンを引っ張りました。でもすぐには抜けなくて、もう1回力を入れます。


 ふぬぬぬぬぬ~!! 力を入れた時でした。隣から小鳥さん達の声が。


『ピピピピピ~ッ!!』


 僕は1度力を抜いて、小鳥さん達の方を見たんだ。そうしたら、みんながそれぞれ葉っぱを咥えて、同じ方向に引っ張っていました。気に入った葉っぱが見つかったみたい。みんなもがんばってる、僕も頑張らなくちゃ!! 僕はまた踏ん張ります。


「ふぬぬぬぬぬ~っ!!」


『ピピピピピ~ッ!!』


 ズボッ!! ズシャッ!! ほとんど同じでした。ニニンが抜けて、でも力を入れていたから、僕はそのまま後ろに尻もちついて転がっちゃって。小鳥さん達も僕の方へ転がって来て。でもしっかりとニニンは抜けていたよ。


「えへへへへ、ちょっとしっぱい。でもニニンとれた」

 

『『『ピピピピピィ~』』』


 小鳥さん達も、失敗失敗だって。僕は立ち上がると、籠の中にニニンを入れて、小鳥さん達は籠のちょっと横の所にニニンを運んできて。小鳥さんさん達は、この葉っぱだけでお腹がいっぱいだから、この後は僕をお手伝いしてくれるって。


 モルー達のご飯、1個じゃ足りなから、後4つ引っこ抜こうってお話しをして。みんなで葉っぱの上が黄色い葉っぱと、全部が黄色い葉っぱを探しました。そうしたらみんながすぐに見つけてくれて。


 それでみんなで葉っぱを引っ張ったら、今度は転ばないで引っこ抜くことができました。それに葉っぱも切れてないから完璧!! 


「ぜんぶぬいて、そしたらみんなのごはん!!」


『『『ピピピッ!!』』』


 次々ににニニンを抜いていきます。やっぱりみんなでやると早いねぇ。さささっと終わっちゃいました。


「ニニン、おいてくる。まっててね!」


 急いで僕が抜いたニニンを、ニニンをしまう場所へ持っていきます。それから砂遊び用の僕のおもちゃを持ってきて。おもちゃのナイフが入っているんだけど、それで葉っぱを押さえて葉っぱを折ると、綺麗に葉っぱが取れるんだ。


 せっかく小鳥さん達が抜いたニニン。ちぎるより綺麗に折れている方が良いと思って。それで残った葉っぱは、小鳥さん達のお土産に、持って帰ってもらうんだ。


「ちょっとまってねぇ。こうして、こうして……、こう!!」


 パキッ! って音がして、綺麗に葉っぱが折れました。


「どぞ!!」


 先頭にいた小鳥さんに葉っぱを渡します。そうしてどんどん渡していって、みんなに配り終わったら、みんなが葉っぱを突き始めました。

 みんなが葉っぱを食べている間に、僕は他の葉っぱを折ってまとめておきます。ママに後でツルで縛ってもらうの。


 てみんなが葉っぱを食べた後は、畑でみんなでかくれんぼをして遊んだよ。とっても楽しかったです。そして夕方前、ママのお仕事が終わって、僕達の所にママが来ました。


「ちゃんとホクホクもニニンも取れたみたいね」


「ママ、これ縛って。ことりさんたちの、おみやげ」


「分かったわ。このツルで縛りましょう。最後はこのツルも食べられるし」


 ママがささっとニニンの葉っぱをまとめて縛ってくれました。その葉っぱの束を、小鳥さん達がみんなで掴んで、少しだけ飛びます。


「また、あそぼ!!」


『『『ピピピ! ピピピピピ、ピピピィー!!』』』


 葉っぱありがとう、みんなで食べるよ。また遊ぼうね!! だって。小鳥さん達は返事をしてくれた後、ちょっとフラフラしてるけど、いつも小鳥さん達がいっぱいいる場所の方へ飛んで行きました。他の小鳥さんも喜んでくれたら良いなぁ。


 今日ママは、お家を爆発させなかったから、そのまま大きなお家に戻ります。お薬はまた明日、続きを作るんだって。明日は僕の引っこ抜いたニニン、モルーにあげるんだ。みんな喜んでくれるかなぁ。

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