25.午後はママのお薬作りと畑のお手伝い
「それで、シマウの様子は?」
「順調よ。後数回治療すれば、完璧に回復するでしょう」
「そうか。じゃあその後も少しここにいてもらって。後はどうするか自分で決めてもらおう。ただ、シマウ達が住んでいる場所は、ここから少し離れているからな」
「そうね。そこまで連れて行ってあげても良いけれど、それだとこちらの予定を調整しないと」
「後は他の魔獣達みたいに、元住んでいた場所には戻らず、近場の森へと行くかだが。何故かみんな近場で止まるからな」
「その近隣の森や林は、うち家から旅立った魔獣でいっぱいになりそうよね」
「ハハハッ、さすがににそこまではならないだろうが。もしそうなったら、隣の山を、どうにか俺達の土地にするか」
「そんなことできるわけないでしょう。でも、これからも土地は広げないといけないでしょうし、その事は考えておかないとね。裏の方は完璧に広げることになるでしょうね」
「そうだな。そうなると色々と申請しないといけないからね。手続きが面倒だから、気をつけておかないと。あいつに全部任せるか」
「はぁ、できるわけないでしょう?」
お昼になって帰って来たパパ。ご飯を食べながらパパの行った方の魔獣さんの話しを聞いて。僕はシマウにご飯をあげたことと、背中に乗せてもらったことをお話ししたよ。
それからママの治療したシマウのお話し合をして。みんなニコニコのお昼ご飯でした。
午後はパパはまたまた別の場所へ。僕とママは魔獣さん達の所には行かないで、ママのお薬を作るお手伝いをしたり、畑に行く事になりました。魔獣さんと遊べないのは、ちょっとしょんぼり。でもママのお手伝いと、畑に行くのも大好き!!
だって僕のお手伝いしたお薬で、魔獣さんが元気になってくれるのは嬉しいし。畑で僕が育てたお野菜を、魔獣さん達が美味しい美味しいって食べてもらえるの、とっても嬉しいんだもん。
「じゃあアルフ、お水を持って来てくれるかしら。アルフの小さいバケツで良いわよ」
「うん!!」
すぐに畑の近くで沸いている、お水を汲みに行く僕。後でお手伝いする畑だよ。お家の裏にあるの。もっともっと大きな畑は別の所にあります。
それから僕のお家の隣に、小さなお家があって、そこでママは薬を作っているんだ。なんでお家で作らないで、隣のお家で作るのか。
僕は少し前に1回だけ見たことがあるんだけど。僕がお部屋で遊んでいて、小鳥さんが窓の所に遊びに来てくれたんだ。それで窓の所へ行った時、ボンッ!! って大きな音が。僕も小鳥さんもビックリ。
それで急いでお外を見たら、小さいお家からモクモク白い煙が出ていたんだ。それで僕も小鳥さんもまたまたビックリ。
パパが僕達の所へ来て、そのまま部屋から出るなって言ってどこかへ。そのままモクモクお家を見ていたら、パパやお家で働いている人達が、モクモクお家に集まって来ました。
そうしたらちょうどモクモクお家の中から、真っ白な人が出て来て。最初、誰? って思ったんだけど。良く見たらママだったの。ママ、髪の毛もお顔も、お洋服も真っ白だったから、すぐにママって分からなかったんだ。
その後はちょっとして、モクモク煙は止まって。パパがね戻って来た時、やっぱり家を別に作って良かったって言っていました。
後でパパにお話しを聞いたんだけど、小さいお家の爆発、初めてじゃなかったんだ。あの小さなお家は、ママ専用の薬を作るお家なんだけど。前はあのお家はなくて、大きなお家の方でお薬を作っていました。
ママはお薬を作るのが得意だから、みんながママの薬を買いたいって。だからママはお家で薬を作って、お友達のお家で薬を売ってもらっているの。
ただ、ママのお薬はとっても良いお薬なんだけど、ママはお薬を作るのが苦手なんだ。できるまでにいっぱい失敗しちゃって。お部屋の中がメチャクチャに。
でもメチャクチャだけなら良いんだ。お片付けすればお部屋はきれいになるから。ママはメチャクチャにするだけじゃなくて、なんと時々爆発をさせちゃうんだよ。ボンッ!! って。だからそのせいでお部屋は壊れちゃうし、隣のお部屋もボロボロに。
パパが1度や2度くらいなら別に良かったけど。部屋を直した次の日にも爆発させたり、何度も何度も爆発させたりするから、毎回家を直すのが大変で。だからの小さな家を作ったんだぞって。
大きなお家を直すのは大変だけど、小さなお家を直すのはすぐに終わる。それに小さな家で家のことを考えずに、薬だけに集中して調合できた方が、良い薬ができるはずだ。俺もその方が落ち着けるって。
だからママは小さなお家で薬を作っています。僕は最初から途中までお手伝い。お水を運んできたり。僕でも違いが分かる薬草を、同じ種類で分けたり。その後薬を作るときは、僕は大きなお家か、畑で遊んでいるんだ。爆発したら大変だから。
「ママ~、おみずもってきた!!」
「じゃあ、この入れ物とこの入れ物に、少しずつお水を入れてくれるかしら。それからこの2種類の草と、後このお花を、あの袋のなかから3つずつ探して持って来てくれる? 3つずつよ」
「うん!!」
お部屋の端っこに置いてあった大きな袋の中から、2種類の草と1種類の花を探します。でも袋を開けた途端。
「くしゃあぁぁぁ!!」
「あっ、そうだったわ。今回の物はあの泥が付いているんだったわ。アルフ離れて!」
急いで袋から離れます。それからママが袋から草と花を鷲掴みにして、袋を閉じて別の場所へ。ガチャガチャ、シュウシュウ音がして、少ししてママは草と花を持って戻って来ました、
「も、だいじょぶ?」
「ええ、もう大丈夫よ。ビックリしたでしょう? ごめんなさいね」
「くしゃくしゃだったぁ」
「そうね。でも、どんなことをしても、こればかりはどうしようもないのよね。本当困るわよ」
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