24.俺達の子供達はどこに!?(前半アルフ視点、後半親モルー視点)
「さぁ、そろそろ家に戻る準備をしましょう。降りたらシマウにありがとうをしましょうね」
「うん!!」
1番大きなシマウの背中に乗せてもらって、柵の中を3週もしてもらった僕。そろそろお家に帰る準備だって。ママにシマウの背中から降ろしてもらって、すぐに1番大きいシマウにありがとうをします。
「ありがと、ございます!!」
『ヒヒィーッ!!』
今のは、どういたしまして、だって。たぶん!! それからママがお芋の入っていた籠を持とうとしたら、今度は別のシマウが籠を持ってくれて。
「あら、ありがとう」
『ヒヒィッ!!』
みんなでぞろぞろ小屋の方へ戻ります。シマウみたいな魔獣がいる小屋は、夕方まではドアが開いていて、柵の方へ出入り自由になっているんだ。だから広い場所でゆっくりできるの。
でも僕がお家に帰る時や、他の小屋に行くために、小屋から外へ出る時は。いつもみんなが小屋まで来てお見送りしてくれます。だから今日もみんな、僕のお見送りに小屋までついて来てくれてるよ。
「今日はアルフがお芋をあげたから、少しお芋の量が足りないかしら。後で補充しに来ましょう」
ママが餌箱を見て、どのご飯が足りないか確認していたら、1匹のシマウが僕の所に近づいて来て、今度は大きなお芋ねって、言って来ました。
あのね、話して来たシマウは、今日のお芋が皆んなよりもちょっと小さかったんだ。
お芋はみんな同じ大きさじゃないから、どうしても大きいお芋と小さいお芋の差がでちゃって。だから次来た時は、前の時に小さいお芋だったシマウに、大きなお芋をあげるの。
「うん!! つぎはおおきいの!!」
返事をしらた嬉しそうな顔をして、シマウが僕から離れます。そうしたらすぐに別のシマウが寄って来て、同じように大きなお芋のお約束をしました。そしてそして、その後も何匹か僕の所に来て、お芋のお願いをして来たんだけど。
「ねぇ、アルフ、どうして同じシマウが、何度もあなたの所へ来ているの?」
そうママが僕に聞いてきました。ママ、また間違ってます。
「ちがうよ、ママ。おなじシマウじゃないよ。みんな違うシマウだよ!!」
「あら、そうなの? ママ、同じシマウに見えたわ。そういえばあのシマウは縞模様の線が少し太いかしらね?」
もう、パパもママもどうして分かんないのかな? みんな似ている模様だけど、それぞれ違う模様だし、色だってみんな違うのに。パパとママはいつも間違うんだよ。
同じシマウにご飯をあげようとしたり、健康診断をしようとしたり。みんな同じシマウに見えるんだって。
シマウだけじゃないんだよ。他の魔獣も間違うの。えとねぇ、ウササも色々な色の子がいて、真っ白ウササに、白だけどちょっと青ぽく見えるウササでしょう。それから白だけど、ちょっとクリーム色の子。みんな違うのに、パパもママも同じって。
「ママ、ちゃんとみて!!」
「そうね、ごめんなさい。……良く分かるわよね?」
みんなにちゃんとお約束して、最後に藁を少しだけ追加して、僕とママは小屋の外に。
「バイバイ!!」
『『『ヒヒィーッ!!』』』
みんなが小屋から顔を出して、バイバイをしてくれます。それから僕とママは荷馬車でお家に帰って、パパが帰って来るのを待って、みんなでお昼のご飯を食べました。午後はママはどこに行くのかなぁ? 魔獣さんとたくさん遊べると良いなぁ。
*********
『どうしてどこにも居ないの!? みんな返事をして!!』
『落ち着け!! 今みんなで探しているから!!』
『でもあなた!!』
『おい!! これじゃないか!! みんな来てくれて!!』
その声に、皆で急いで声の方へ向かう。
『なぁ、これじゃないか? あの子達が外へ出るのは、ちょうど良いサイズだし、チビなんて、楽々通れるだろう。それにこれを見てくれ』
呼ばれた場所に行くと、捜査をしてくれていた、1番捜査が上手なモルーが、ある物の前に。俺達が行ったのは、小屋のある端の所で。
この端にはだいたいいつも荷物が置いてあって。わざわざ荷物の置いてある場所で、ゆっくりしないから、あまり来ることはないんだけど。今日はそこに荷物がなく、広々としていた。
そしてその端に問題が。小さい子なら完璧に通れるサイズの穴が空いていたんだ。そして調査してくれたモールが、その端の穴に付いていたと、俺達に渡してきた物。それは……。
『これは……、1番兄の毛か!?』
『たぶんそうだと思う』
『まさか、ここから外へ出たのか!?』
『何匹だ!! 何匹見当たらない!!』
『チビを含めて8匹だ!!』
『全員でここから出たのか?』
『そんな!? 私の可愛い子!?』
『落ち着け!! おい、止めろ!!』
チビの母親が穴から無理やり出ようとする。チビ達にとっては問題ないサイズでも、大人の俺達が通れる穴ではなく。無理やり通ろうとすれば、怪我をしかねない。俺達は何とか母親を止めて、他のモルーに別の場所へ連れて行ってもらった。
『どうする。ここから出たのが俺達が寝てからすぐなら、もうかなり遠くへ行ってしまっている可能性もある』
『それか、我々は方向音痴だと、よく皆に言われちるからな。迷子になってはいるが、思ったほどここから離れていない場所にいるか』
『昨日にここから抜け出して、まだどこかで楽しく遊んでいて、ただ単に帰って来ていないだけ、と言うのが1番良いのだがな』
『本当はな。だが1番最悪な事態を想定して動かなければ』
『勿論!! アルフが来てくれるのが1番良いんだけど』
『アルフがいつ来てくれるか。いつのだったらそろそろ遊びに来てくれることだろう?』
『ああ。だが、それも毎回違うからな。とりあえず他の魔獣と連絡を取ってもみよう!』
『俺達の声がどれだけ届くか』
『それでもやらなければ』
どうかみんな、無事でいてくれ!!
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