20.なんか外が煩い?

「う~ん」


 目を開けて周りを見ると、まだ部屋の中は暗くて。テーブルのランタンと、天井に上げてくれている、ママの光魔法の小さな光の玉が、綺麗に光っていました。う~ん、まだまだ夜中?  


 次はカーテンの方を見てみます。カーテンの隙間からは、全然明るさを感じないし、やっぱりまだ夜中かな?


 僕はズルズルとベッドから降りて、窓の方へ行ってみる事にしました。なんかねぇ、ガウガウ、ワァワァ、ギャアォォォ、きゅう、コケッケーって、魔獣さん達の鳴き声がいっぱい聞こえるんだ。


 昨日僕はお家に帰ってきてから、パパといっぱいお話ししました。とっても楽しかったんだもん。ママにちょっと怒られちゃったけど、楽しかったことはパパにちゃんとお話ししなくちゃって思って。


 泥はいつもよりも気持ちよかったとか、すぐにぐーちゃんやグリちゃんが、泥の小屋を作っちゃったとか。最後は魔法に乗せてもらえて、楽しいことばっかりだったんだもん。


 それに楽しいことばっかりじゃなくて、ちゃんとみんなの小屋のお掃除もできて。初めてでまだ2つの小屋しかお掃除できなかったし、全部1人でお掃除はまだできないけど、でもちゃんとお掃除する所はお掃除できたと思うんだ。


 ね、楽しいこと嬉しい事がいっぱいだったから、パパに報告。パパはお掃除の時に一緒だったけど、でも感想はまだ言っていなかっやもん。


 そうしたらパパはずっとニコニコ。ママみたいに怒らないで僕のお話しを最後まで聞いてくれました。


「そうかそうか、楽しかったか。じゃあ明後日も頑張ろうな!」


「うん!!」


「楽しかったでしょうね。私がこの子と子タート達の『ひょおぉぉぉ』と『ボボボ』だか『』ボー』だか。喜んでいる声を聞いて、その現場を見た時の気持ちと言ったら。もう、『ひょおぉぉぉ』じゃあないわよ。『ひょおぉぉぉ』じゃ」


「まぁまぁ、今日くらい良いじゃないか。今回は初めてのお掃除も頑張ってくれたし、それくらいの楽しみがあっても。でも次からはママを怒らせないように気をつけないとな」


「うん!」


 あのね、お掃除は今日は初めてだったでしょう? だからまずは何日か置きに魔獣さんの小屋もお掃除をするんだよ。それで慣れてきたら、少しずつお掃除の回数を増やしていくんだって。うんとねぇ、僕が5歳くらいになるまではゆっくりだって。


 楽しいお話しが終わって、夜のご飯を食べた僕達。それでみんなでゆっくりするお部屋でゴロゴロしていたら、僕いつもよりも早く眠くなっちゃって。ママが疲れたんでしょうって、だからいつもよりも早く昨日は寝たんだ。


 もしかしたら早く寝ちゃって、途中で目が覚めそうになっていたのと。いつも夜は静かなのに、今日はいろんな魔獣さん達が鳴いているので、目が覚めちゃったのかも。


 僕は窓の所に、小さな僕専用の椅子を運んで行って、その椅子に乗ってかカーテンを開けました。

 うん、まだまだ外は真っ暗。魔獣さん達がいる所には、それぞれ小さな灯りがついているけど。向こうの方は真っ暗で、お空にお星様がいっぱいキラキラしていました。


 僕は窓を開けて、魔獣さん達にお話ししてみます。僕の声、聞こえるかな?


「みんな、どしたの? きょうは、よるにおはなし? みんなねるじかんよ。えと、よるのまじゅうさんは、おきててるのいいけど」


 お昼に起きている魔獣さん、夜に起きている魔獣さん、みんなそれぞれ起きている時間が違うもんね。でも絶対にお昼起きている魔獣さん達の声も聞こえたもん。どうしてみんな起きて話しをしているの?


 僕がみんなにお話しした時でした。たぶんお屋根に鳥さんが乗っていて、その鳥さんが大きな声で鳴いたんだ。

 そうしたら、僕のお家に小屋が近い魔獣さん。あれはローバーかな? ローバーが大きな声で鳴いて。その次はちょっと向こうの魔獣さんが鳴いてね。僕のお家から離れていくように、魔獣さん達が鳴いたんだ。


 その途端、また魔獣さん達が、今までよりも大きな声で鳴き始めて。なんかみんなとっても慌てていたよ。ただ鳴き声は数十秒続いた後に、すぅっと、静かになったんだ。今まであんなの鳴いていたのにだよ。


 今日の魔獣さん達、本当にどうしたんだろうね。


      *********


『親分大変です!! アルフさんが起きてしまったようです!!』


『ええい、分かっている!! お前達、これより絶対に話すな。奴らとの話の続きは、朝になってからだ』


『『『はい!!』』』




『兄貴、まずいぞ! アルフが起きてしまったと!』


『分かっている! まったくコケコとウササのせいで、声が大きくなってしまったか。奴らとの話は一旦おしまいだ! 今からは何も話すな。どうせ朝になれば、向こうから先に文句を言ってくるだろう』


『ああ、そうだな』




『わぁ、大変!? アルフ起きちゃったって!!』


『コケコ達やグーちゃん達が煩くするからだよ。僕達は静かにお話ししてたのに。でもみんなが静かになって、僕達だけ話してたら、今度は僕達が煩いって言われちゃうかも。今からみんな静かにだよ』


『『『うん!!』』』


      *********


『あ~、ここに小さな穴があるよ』


『本当だ? なんでここに穴があるんだろう?』


『僕達、ちょうど通れそうな穴だね』


『なぁなぁ、ちょっとそこまで行ってみないか?』


『え~、危なくない?』


『大丈夫だって。あそこに俺達とアルフのおもちゃが置いてあるだろう? あそこまでならいつも遊びの時の行ってるんだから大丈夫さ』


『パパとママに怒られちゃうかも』


『怒られる前に帰ってくれば良いだろう?』


『う~ん、今日は夜の働いている人間がい、お休みかな? 時々誰もいなくなるもんね。大きな魔獣がいる方には人がいるけど』


『だから、今なら誰にも見つからずに行って帰って来られるじゃあないか。ほら、行こうぜ!!』


『本当に大丈夫かな?』

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