19.僕の大切で大好きなアルフ(アルフの頭に乗っていた仲良しウササ視点)
みんなが起き始めて、僕達ウササもみんなで起きて、今日のお話し。だって、今日は初めて、アルフが僕達の小屋をお掃除しに来てくれたんだよ。コケコ達のお話しが聞こえてきたけど。僕達もこれからの事をお話ししなくちゃ。
『ねぇねぇ、今日は僕達ちゃんとできていたかな?』
『お掃除の邪魔にはならなかった?』
『ちゃんとその辺、お話ししないとね。またお掃除しに気に来てくれた時、僕達の小屋、あんまり汚いから、もうお掃除いやって言われたら大変』
『ご飯も1匹ずつ貰えなくなっちゃうかも』
『お前は、頭の乗せてもらえなくなっちゃうかもしれないもんな』
『うん!!』
いつも僕だけが、アルフに抱っこしてもらえるし、頭に乗せてもらえるんだもんね。もしそれをしてもらえなくなっちゃったら大変。
まずはお掃除の話からした僕達。僕達はコケコ達みたいに後でまとめなくても、ちゃんと同じ場所にするから、トイレは大丈夫だと思うんだ。それに僕達は綺麗好きだからね。その辺にオシッコやうんちがあるのはダメ。
僕は生まれた時から魔獣園で暮らしているけど、自然に住んでいるウササ達も、ちゃんと決まった場所にしているんだって。
でも時々、親子でここに来る子で、まだオシッコやウンチが分からない子には、ここのみんなで教えてあげるんだよ。
この前も新しく来た小さい子に、みんなで教えてあげたの。お父さんウササとお母さんウササは怪我をしていて、今治療中だから、子供に教えてくれてありがとうって。
『うん、おトイレは大丈夫そうだね。まぁ、ちゃんとおトイレをするのは当たり前だけど、少しでも周りに飛び散って汚くなったら、アルフのお父さんに片付けて貰えば良いよ』
『そうだね。アルフにはご飯の方を片付けてもらえれば、カピカピ野菜だから、あんまり汚れないもんね』
うんうん、それが良いね。汚いのはアルフのお父さんで良いや。
『じゃあ次、藁を敷くのはどうだったかな?』
『アルフ、初めてなのに、藁を敷くのがとっても上手だったね』
『うん! こうふんわり敷いてくれたもんね』
『アルフのお父さんはいつも通り、敷いてもらえるのは助かるんだけど。今日のアルフの藁を見ちゃって、触っちゃいとね』
『アルフのお父さんは普通、アルフはとってもふかふかで、寝る場所をみんなでじゃんけんしないといけなくなっちゃった』
あのね、アルフが藁を敷いてくれた所と、アルフのお父さんが藁を敷いてくれた所。藁がね、ぜんぜん違ったんだよ。もともと僕達が使わせてもらっている藁はとってもふわふわで、僕達大好きなんだけど。でみね今日はいつもと違うことが。
アルフのお父さんの敷いた藁はいつも通り、でもアルフが敷いてくれた藁は、いつも以上にふわふわだったんだ。
こうお空に浮かんでる、もこもこに見える雲。あのもこもこ雲に乗ったら、こんな感じなのかなって。本当にとってもふわふわだったの。
だから誰がそのふわふわの場所で寝るのか、取り合いになっちゃって。じゃんけんで決める事になったんだ。僕が大丈夫だったけど。僕がいつも座っている場所に、ちゃんとアルフが藁を敷いてくれたからね。
今日アルフのお父さんの藁の方に行ったみんなはブツブツ。だからもし今度、アルフとアルフのお父さんが藁を敷きにきてくれたら、交代するって決まりました。
『僕達、ちゃんとお手伝いできたかな?』
『大丈夫だと思うよ。でもあんなにふかふかな藁なんだから、僕達が潰しちゃわないように気をつけながらお手伝いしないとね』
『そうだな。アルフが1人で藁を隙間なく敷けるようになるまで、俺達でしっかりと手伝おうな』
『今日の1列に並んで敷くの良かったんじゃない? あれなら隙間がない所をあんまり踏まないで歩けるから、更にふかふかを維持できるよ』
『うん、そうだね。じゃあアルフが藁を敷く時のお手伝いはそれでいこう』
藁を敷く時の事が決まったよ。これで少しはアルフが楽になると良いなぁ。
なんて、みんなで今日のことをお話ししている時でした。コケコの親分とグリフォンのグーちゃんが喧嘩する声が聞こえて。喧嘩っていうか、グーちゃんがコケコ親分に自慢話しをして、コケコ親分が怒っているだけだけど。
何々? ふ~ん、贈り物をしたんだ。それから魔法を使って遊んだ? でもさ、僕、グーちゃん達の事で、ある子から報告を受けてるんだよね。
僕達は勝手に外に出られないでしょう? それなのにアルフが小屋に来てくれた時しか、アルフにアピールできなくて。
だから僕はアルフが来てくれるまでに、アルフが今何が欲しいか、何をして欲しいのか、情報をもらうんだ。
それでアルフが来た時に、僕にできる限りで、アルフの望みを叶えてあげようって思ってるの。アルフが契約できるようになったら、1番に契約してもらうためのアピールだよ。
でもそう考えているのは僕だけじゃないんだ。魔獣園のみんなが、アルフと契約したくて、色々アピールをしているんだよ。
それで今回グーちゃん達はアルフに贈り物と、魔法で遊んであげたみたいなんだけど。その情報を僕に伝えてくれたのは、小さなアントのアトです。
僕にアルフの情報をくれるのもアトで、同じ子に情報を貰っているんだ。アントのアトは、どこにでもいる小さな小さな虫だけど、僕のお友達なの。
それでそのアトが言うには、今回のグーちゃん達の贈り物と魔法、アルフのお母さんにとっても怒られたんだって? グーちゃん達はコケコよりも先に贈り物を贈ったって、魔法で一緒に遊んだって、とっても自慢げに話しているけどさ。
確かに贈り物も大事だけど、それでアルフに心配かけたでしょう? それじゃあダメなんだよ。心配しなくちゃいけない贈り物は、本当の贈り物と遊びとは言えない。
魔法だって、そのうち自分で魔法を使えるようになったら、誰かの魔法で遊ぶんじゃなくて、自分の魔法で遊び始めるかもしれないんだから。
その点僕は今日、レベルアップしたんだ。今までも頭の上や肩、お膝に乗せてもらって、抱っこもしてもらったけど。いつもアルフのお父さんやお母さんが一緒で。半分以上お父さん達が、僕を支えていた感じ。
でも今日は、1人でしっかりと僕を抱きしめて、いっぱいなでなでしてくれたんだよ。これは他の魔獣達はしてもらっていないでしょう。だからきっと、アルフの今の1番大好きは僕のはずなんだ。
僕はコケコ親分とグーちゃんに聞こえるように、今日のことを知らせたよ。そうしたらコケコ親分もグーちゃんも、とっても慌てちゃって。
ふふん、どうだ!! 僕が一歩リードだ!!
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