6.やっと終わった掃除、そしてウササの所へ
「……」
『『『……』』』
『……』
「何だ、みんなで俺を見てきて。アルフまでどうしたんだ?」
今コケコ達と一緒に、みんなでパパを見ています。僕も、親分コケコも、他のコケコ達みんなだよ。親分コケコはさっきまで凄い勢いでパパを睨んでいて、今は呆れてる顔? でパパを見ています。
「何だ? パパ、何か変か? いつもよりも洋服が汚れていないくらいしか、いつもと違うところはないんだが?」
違うよパパ。みんなパパのお掃除にビックリして、疲れちゃってパパを見ているんだよ。僕いつも外で見ていたのに、こんなにぐちゃぐちゃにお掃除をしていたなんて。コケコ達、みんな今までごめんね。
パパに色々教えてあげながらお掃除をしていたんだけど、パパは必ず最初に、コケコ達が集めておいてくれたゴミを全部散らかしちゃうんだ。そのせいでまた集め直して。さっきなんて僕が集めてたゴミまで散らかしたんだよ。
みんなの集めてくれたゴミを、ちゃんとささっと集めてゴミ袋に入れれば、もっと早くお掃除が終わったのに。
それでやっと今、お掃除が終わったんだけど。いつも以上にゴミを散らかしたパパの事を、みんなで見ていたんだ。パパ、本当は掃除じゃなくて、ゴミを広げにきてるだけじゃない? 今までこれでよく掃除ができていたね。
挨拶以外で、ずっとパパを攻撃していたコケコ達。ずっとこのお掃除だったから、ずっと攻撃していたんだ。
『コケコ……。コケコ』
みんなでパパを見ていたら、親分コケコが鳴きました。見たら大きなため息を吐いて、餌箱を足で突いていて。
そうだ!! パパの掃除にビックリし過ぎて、それで疲れちゃって、ボケっとしちゃってたけど。まだご飯の準備してないよ。これからウササのところに行くんだから、早くコケコにご飯をあげて移動しなくちゃ!!
「パパ、ごはん!!」
「ああ、そうだな。本当に何で俺を見てるんだ?」
パパの手を引っ張って荷馬車まで移動。掃除道具を荷馬車に乗せたら、パパが餌の入った木のバケツを2つ持って小屋に戻ります。1つには色々な種が、もう1つにはお野菜が入っているよ。時々お肉やお魚もあげるんだけど、今日はこの2種類。
「さぁ、良いか。ここと向こうと、そっちと。3箇所に餌を用意するからな。パパがバケツを持っているから、アルフは餌箱に餌を入れてくれ」
「うん!!」
やっぱり最初は親分コケコの餌から。種の方には餌を掬うコップみたいな物が入っていて。僕はそれを使ってなるべくこぼさないように、餌箱へ入れました。お野菜の方は手で掴んで、同じ野菜ばっかり入れないように、ちゃんとバランスよく入れたよ。
「これでい?」
『コケコ……』
親分コケコが餌を確認します。そして。
『コケコーッ!!』
合格をもらいました。良かったぁ。よし、他の餌箱にも餌を入れて。うん、これで餌入れ終わりです。コケコ達みんな、うんうん頷いていたよ。
「さぁ、終わりだ。卵は……、今日はなさそうだな。今度卵を温めているとこを見にこような」
「うん!!」
「それじゃあ、次のウササの所へ行こう」
ふぅ、ちゃんとお掃除と餌やりができて良かった。最後もちゃんとご挨拶。僕はしっかりコケコ達にお辞儀をします。パパはそのまま出て行こうとして、お尻を蹴られていたけど。
「バイバイ!!」
荷馬車に乗って、荷馬車が走り始めたら、僕はコケコ達にバイバイをしました。そうしたらコケコ達はみんな、僕の方を向いていて、お見送りしてくれたよ。また今度お掃除に来るね!!
次に行くのはウササの所です。コケコの小屋から5分くらいの所にあるんだよ。僕ね、ウササの小屋には何回も入っているんだ。
ウササはうさぎさんに似ている魔獣で。色は真っ白な子が多くて、でも他の色の子もいっぱいます。大きさは、大人のウササは学校にいるうさぎさんと同じくらい。子ウササは僕の手くらい、とっても小さいんだ。
それから手足がとっても短くて、それなのにジャンプするととっても高く飛ぶんだ。大人ウササだとパパの背くらい、1番小さい子ウササは、僕の頭くらいまで飛ぶの。
後、耳もとっても小さくて、毛が長いウササだと、耳が見えなくて、そのままちんちんみたいな格好をすると、雪だるまみたいに見えるんだ。あっ、しっぽはまん丸だよ。
優しいウササばっかりで、僕が抱っこしても暴れないでいてくれるの。座ってるとお膝に乗ってきたり、小さい子だと僕の肩にも乗ったりします。
それに僕が怪我をしていると、みんな心配して寄ってきてくれるんだ。それで自分達の葉っぱを僕にくれるの。ウササの餌の中の、怪我をした時に使う葉っぱが入っていて、それを僕にくれたんだ。
ウササの小屋はコケコと同じくらいの大きさだから、お掃除頑張らなくちゃ。コケコの小屋のお掃除で、ちょっと疲れちゃったけど、ウササの小屋のお掃除も頑張るよ。今度はパパは攻撃されないし。
ウササは、トイレをする場所が決まっていて。そこを綺麗にした後は、小屋全体を箒で履いて、それで藁を敷いたら終わりなんだ。餌箱の場所も決まっているし。
「今日はウササの好きなニニンを持ってきたから、後で掃除が終わったら、ゆっくりあげると良い」
「うん!! ……」
「ん? どうしたんだ?」
「ウササはニニンすき。ぼくはきらい。ニニンおいしくないのに、なんですきなのかな?」
「はは、それはアルフが嫌いなだけだろう? ちゃんと食べないとママに怒られるぞ」
ニニンは人参に似ているお野菜。僕、ニニン嫌いなんだ。どのご飯に入っていても美味しくない。でも食べないとママに怒られちゃうから、ゴクンッていつも飲み込むの。何であんなに美味しくないのに、みんな美味しいって言うのかな?
「ふ、そんな難しい顔してないで、さぁ、掃除だ」
コケコの小屋から5分だから、すぐの到着。よし、ニニンはあんまりだけどお掃除頑張ろう!!
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