第5話 媚薬えっち
暴力的な陵辱から目を覚ます。冷たい床の上で寝起きしているせいか疲れが取れない。
私が起きるのを見計らったかのように、牢にオークたちが入ってくる。
今日も始まった。慣れることのない陵辱と暴力。しかし今日は様子が違った。オークたちの動きはいつもよりキビキビとしている。
オークに続いて魔王が牢にやってきた。始めから魔王がいるのは珍しい。オークの動きが違うのはこのせいか。
今日はなにか違う。本能的に感じとった勇者の予感は的中する。魔王に続いて鎖に繋がれた年端も行かぬ女の子たちが、勇者と同じく全裸で鎖に繋がれ入ってきた。その数10人。みんな怯えて震えながら周りをキョロキョロと見ている。
「今日は趣向を変えようと思ってな。」
そう言って魔王が手を叩く。すると1体のオークが服を脱いで勇者の前に仰向けに寝転がった。
「自分で動いてイかせろ。」
魔王が言う。
(その程度のこと…?)
勇者は訝しむ。日々の陵辱に比べれば自分でオークをイかせるなど…屈辱ではあるが生易しい。それともあの女の子たちに私の乱れる姿を見させるという趣向なのだろうか。それはそれで辛いけれど…
「20分以内にイかせなければ1人づつ殺す。」
世間話でもするかのような気軽さで魔王は言い放った。
「なっ!?」
新しい趣向とはこういうことか。外道が。勇者は視線だけで魔王を殺してやらんとばかりに睨みつける。しかし魔王はどこ吹く風だ。
「分かったわ…やってやろうじゃないの…」
気乗りは当然しない。余りにも分の悪い勝負。でも、あの子達が助かる可能性があるのなら。
この状況でも勇者は勇者であった。
勇者がオークにまたがる。そしてオークの男根に自分の陰部を合わせて…魔王に止められた。
「まあ待て。話は終わっていない。」
そう言うと魔王は懐から小瓶を出した。透明なガラスの小瓶の中には、やはり透明の液体が入っていた。魔王は勇者の顔を掴んで口を開けさせると、小瓶の中身を勇者に無理やり飲ませた。
「んぐ!?」
すこし粘り気のある液体が喉を通る。ゴクリと飲み込んだ次の瞬間、勇者の心臓が跳ね上がった。
「んんっ!?」
体が火照る。心臓がバクつきうるさい。液体が通った場所、口と喉がうずく。そして段々と、体中が、そしてお腹と股が切なくなってたまらなくなる。
「なに…これぇ…!」
勇者は胸を抑えてうずくまる。意識していないと股をもじもじと動かしてしまう。
「インキュバスの体液を調合した媚薬だ。効果はてきめんだろう。」
インキュバス、男の姿をし女を抱いて精気を抜き取る魔物。その愛液には女を狂わす効果があると言われていた。魔王はそれを特別調合し即効性の媚薬へと改良した。勇者はそれを飲み込んだのだ。
「なんで…こんな…!」
「いつも苦しい陵辱ばかりだったからな。たまには気持ち良くなっても罪はなかろう?」
ニヤけ面で魔王は言い放つ。なんとか反抗したい勇者であったが時間が立つにつれて全身…得にお腹の疼きがおさまらなくなってくる。
挿れたい。挿れたい。挿れたい。
勇者の脳内が淫欲で満たされそうになる。しかし視界に写った少女の姿を捕らえられ、なんとか意識を保つ。
「ほら、そろそろ始めるぞ。」
時計を出した魔王ははじまりの合図を告げる。
「さあ、始め。」
はっとした勇者はオークの上に再びまたがる。すでにイキリたち準備万端のオークの男根、それを勢いよく挿入した。
「イッッッッ!!」
瞬間、猛烈な快感が脳を駆け巡る。星が瞬くように目の前がチカチカする。頭の中で真っ白な羽が飛び散るようなイメージが浮かぶ。
(うそ…私…挿れただけでイッちゃった…?)
想定外の快感に勇者は戸惑っていた。まさか媚薬の効果がここまでとは思ってなかった。
「ほら、早くしないと死ぬぞ。」
魔王の言葉に女の子がビクッと震えた。涙を浮かべ勇者の痴態をすがるように見つめる。
(新しい趣向ってこういうことか。)
内心に怒りがこみ上げる。私はともかく、あの子達はなんの罪もない。それをおもちゃのように扱う。魔族、魔王、やはり殺さなければならない。
しかし勇者は、とりあえず目の前の問題に取り組まなくてはならない。
(こんなんで動いたら、私…)
勇者は逡巡する。しかし時間は刻一刻と迫る。
覚悟を決めて勇者は腰を動かし始めた。
「あん!んあ!あん!」
勇者の嬌声が牢に響き渡る。勇者の股からは愛液が止めどなく溢れてちゃぷちゃぷと淫猥な音を立てる。
「あん!んあん!あん!」
「そんなんでは間に合わんぞ。」
勇者の慎重な腰の振り方に呆れた魔王が言った。
(そんなこと分かってる…でも、これ以上激しくしたら…私がイってしまう。)
魔王「あと10分。」
魔王が時間を告げる。流石に勇者も焦りが見える。ふとオークを見ても余裕の表情。このままでは間にあわない。
勇者は葉を食いしばると、腰を深く大きく落とした。
「イグぅっ!」
二度目の絶頂。しかし勇者は腰を動かすのをやめない。
(イったばかりで敏感なのに、気持ちよすぎて辛い。)
「あっあっあっ!イクっ!イク!!」
激しく規則正しく腰を振る勇者。何度も何度も絶頂を迎える。男根が膣を広げ奥に突くたびに脳内が真っ白になる。足がガクガクと震えて力が抜けそうになる。
ヨダレを撒き散らし、恍惚と苦しみの入り混じった表情で腰を振る勇者に、オークの興奮は否応なく高まる。男根が膨れ上がり、大きく波打った。
「んあ!イク!イクぅうぅ!」
中に熱いものをぶちまけられ、勇者もまた烈しく絶頂する。背筋をエビのように伸ばし体と大きく震わせると、オークの胸の中に倒れ込んだ。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
行きも絶え絶えでオークにしがみつく勇者。その姿は雄々しく陵辱に耐える姿でもなければ、痛みに泣き叫ぶ姿でもない。淫欲に乱れた1人の女だった。望んだ姿ではない。女の子を救うために心を殺してそうなっていた。
「残念、23分だ。」
しかし無慈悲に魔王は告げる。
魔王が女の子たちの後ろにいたオークに目配せすると、オークは短剣を抜いて女の子の腹を突き刺した。
「あ゛ぐっぁぁぁ!」
叫び声。女の子が倒れる。刺された場所を抑えるが傷は深く血がトクトクと流れ出る。
「ウソ!そんな!ちゃんとイかせたじゃない!」
「だから時間切れと言ったろうに。」
呆れた風に魔王は言う。オークがイクその時まで時間は告げない。それが魔王のやり方だった。
死が現実となり、残りの女の子たちは泣き出した。
「お母さん!たすげで!たすけてぇぇぇ!」
「やだぁ!やだぁ!」
牢から子供の泣き声が響き渡る。魔王はそれを見てニヤニヤと勇者に告げる。
「さあ、次と行こうか。」
新たなオークが、勇者の前に寝転がった。
勇者は絶望的な顔でオークに跨った。
挿入。そして絶頂。気分は最悪なのに身体は反応してしまう。
それでも女の子たちを生き残らせるため、必死に腰を振り続けた。
全員が殺された時、勇者の心はついに壊れた。
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