第10話 英雄の凱旋

 町に帰る途中盗賊の生き残りに遭遇した。


「エレナ、戦えるか?」

「怨みを晴らす!」

 エレナはかなり腕が立ったはず、予想通り良い返事だが、何で盗賊ごときに囚われていた?


 10人程の盗賊が立ち止まり「貴様らか!砦に火を着けたのは!!」とほざいてる。

「あぁ、綺麗に燃え尽きて居るぞ!降伏するなら命は助けてやる!」


 素直に降伏などせんだろう、長剣で斬りかかった。

 盗賊なんて、傭兵や冒険者になれないクズ達、弱過ぎて相手にならん、討伐済むまで数分だった。


「ウノフ?以前から強かったが、今のお前は神掛かってるぞ、何か変だ!何があったか落ち着いたら話してくれ」

 あれ?この程度普通だろ?・・・いや、ジェフが生きていた頃は違っていたか、ガキの頃からつるんで居たジェフは誤魔化せん。

「あぁ、ゴールドランクに昇級したら、ゆっくり飲みながら話を聞いてくれ」

「ウノフ?私も一緒に話を聞くわ!今のウノフは別人みたいだから」

 私を、ずっと観察していたと言ってたセレンも誤魔化せんだろう。


「エレナは身寄りが無いといってた、ウノフパーティーに入るか?」

「あれ?身寄りが無い事、何で知ってる?ウノフは心が読める?」

 エレナは私を頼ると知ってたが、口が滑って余計な事まで言ってしまった。


「聞きたい事はあるだろうが、今回の問題解決してからゆっくり話し合おう・・・私自身納得が行かない話だから」


 何か言いたげな様子だが強引に話を打ち切った、町には盗賊達がまだ居る、うだうだ話す余裕はない。



 町の灯りが見えた、盗賊残党が矢が届かない位置で、まだ防壁を取り巻いている。

「残りはざっと100人ほど、殲滅させるぞ!!ただし無理はするな!!」

 ジェフ達に声を掛けて盗賊達に向かった。


 

 ジェフは私と同じ長剣を振り回し盗賊を圧倒して、セレンはジェフと連係し上手く短槍を突きだしてる。

 エレンは刺突剣レイピアが初期武器だった、魔物相手では殺傷力が劣るので両手剣に武器変更させたが、対人戦闘は見事にこなして居る。

 盗賊達は広範囲に広がっているため、各個殲滅出来て戦いは楽だが、逃げ出す残り少ない盗賊を追いかけて殲滅させるのに時間が掛かった。



「私達はウノフパーティーだ!ギルドマスター盗賊は殲滅させたぞ!!」

 長い夜はまだ終らない、防壁上のギルドマスターに大声で伝えた。

 私達を見ていた様で、門に近付くと直ぐに門が開き町に入る事が出来た。


「ウノフ!今回は全てお前達のお陰で、難を乗り切れた感謝する!!」

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