第9話 盗賊討伐【3】

「危ない所だった!ウノフお手柄だ!門を開かれたら守りようがなかった!」

「夜襲仕掛けて来る盗賊を上から照して、矢を射掛ければ安全に討伐出きる」


「盗賊はそれで良いが、町長をどうするかだな・・・そう言われると町長家族は王都に出掛けて居るぞ」

「取り合えず、今夜の盗賊狩りに集中した方が良い」

「グンド隊長、巡回兵の応援頼めるか?」

「もとよりその積もりで居るぞ」


 町長が盗賊の関係者らしく、あてにならない現状戦える者が協力して町を守らないと。


「ウノフ、盗賊討伐終わりしだい、お前達をゴールドランクに昇級させる!ゴールドランクなら国王に謁見可能、町長の悪巧み詳細を報告してくれ!」


 ギルドマスターがゴールドランク昇級と言ったか?これは予想外だ!良いとこをもっとアピールしないと。


「あぁ、王都に報告に行く、その前にサンタナ防衛は皆に任せ、ウノフパーティーで今夜、空の盗賊砦を焼き払って愁いを無くす。ゴールドランクに昇級して貰えるなら、もう一働きして来る」

「盗賊全員で来るとは限らん、居残りが居るぞ危険な任務やってくれるなら頼む!」

「あぁ任せてくれ!」


 冒険者が大勢集まっている中、だめ押しのアピールだ困難な任務で無い事はなぜか分かる。


 三人で明るい内に盗賊砦に向かった。

 森の中に隠れながら、盗賊砦の西側の位置で待機する事にした。

 日が暮れると直ぐに砦の門が開き、大勢の盗賊が町に向かった。

 不用心な事に門は開きっぱなしで、一時間待って門から堂々と三人で砦に入った。


 先頭は私、次がセレン最後尾がジェフだ。

「やはり無人だな、こちらからお宝を感じる」

「凄い!金貨の海!」

 盗賊のボスは、金貨をジャラジャラさせて眺める趣味でも有ったのか、金貨は剥き出しで宝部屋の中一面に詰められて居た。

 セレンが金貨を全て収納した、セレンは職員時代に私達より容量の大きい収納袋を購入していたそうだ。

 部屋の隅に銀貨が詰まった樽が5個無造作に置かれていた、当然収納全て回収して置いた。


 こんなに金が有ると、銅貨なんてどうでもよくなるが、確り全て回収した。


「誰か居るの?助けて!」

 奥の方から女性の声がする、声がする方に行ってみた。

「君は!エレナ!何でこんな所に?」

「ん?私エレナだけど、お兄さん会ったことあります?」

「こいつはウノフ!気にするな無茶苦茶勘が良い奴だから、君は・・・エレナさんは盗賊に囚われていたって事?」


 エレナは戦う輸送隊のメンバーだった、勿論生前の違う世界でのことだが。

 目の前に掛かっていた鍵で檻から解放した。

「ありがとう!ウノフ?何か探し物?」

「いや、この後砦を焼き払う、他に囚われている者が居るか?」

「居ないと思う、焼き払う前に武器庫から私の武器を取り戻す!」


 エレナに案内された武器庫は、軍隊に装備させるのか?ってほど大量の武器が置かれていた。

 有り難い事に、収納袋が二個置かれていた。

 エレナは一直線に進み自分の武器に防具を選り出し、装備してる。

 その間に、二個の収納袋に武器防具全て収納した。


「取り残しは無いか?それじゃ火を着けるぞ」

 照明用油を撒いて置いたので、よく燃えること!

 暫く様子を見て、完全に燃え尽きるだろうと確信し、町に帰る事にした。

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