宇宙デカトシヒコ!! スーパー突貫娘!! 2

さすが、アタリのミノドラあっという間にリクチュウに追いつき、相対速度を合わせて、格納庫を開け、先っぽに磁石が付いた格納用ワイヤーで、機体を補足して格納庫に入れた。


俺はたちはすぐに、格納庫に走り、コックピットを開ける。

ナノスキンスーツは、本気防御モードの黒色になっていた。

チエちゃんは、意識が無かったが、何かを怖がるようにずっと震えている。


まずいと思った、俺とシゲさんは、すぐに医務室に向かい、鎮静剤を打った後に、シゲさんが服を鋏で切って脱がせ(ブラックモードなので裸ではない)、医療用ポッドに素早く寝かせ、カプセルを閉じ医療用ジェルが満タンになった。


この鎮静剤と、医療用カプセルは、18歳以下に使用できない、記憶消去用の処理に似ているが、今回のような、大きな精神的なショックを受けたときにPTSDのような、後遺症を残さないために全年齢でも、受けられる、緊急処置となっていた。


とりあえずここはシゲさんにまかせ、おれは、V1の減速と、壊れた部品などを回収していた。

なんとか、90%ぐらいの部品を回収した後に、休憩がてらチエちゃんのお見舞いに行くことにした。

医務室には、チエちゃんと、何かあった時のためにシゲさんを残している。


そっと、医務室に入るとシゲさんが少し血を吐いたまま、寝息を立てていた。

そういえばこの人も満身創痍だった。

そして、ちょっと不謹慎な期待をして、チエちゃんの方を見た。

身体のラインが見えないように、ナノスキンスーツは風船のように膨れ上がっていた。

まったくよくできた、ナノスキンスーツだよと思いつつ、おれは嗚咽し、目からダラダラ涙を流しながら、何事も無くチエちゃんがまた元気になって欲しいと、泣き続けるのだった。


ついでにシゲさんの服を脱がして、医療カプセルに入れてあげた。

チエちゃんは、1日で医療カプセルをでて、元の元気なチエちゃんに戻ったように見える。

俺は、とりあえず一安心した。


シゲさんも体調が万全の様で、今回の失敗の原因を早速考えていた。


本来の会社なら大問題になって、報告書を書き、原因と、今後の対策と解決方法を、全社員の前で、発表しなければならないほどの大事だが、いかんせん、自己責任の自己管理武器の改造実験なので、本社は関係ありませんが、宇宙デカのスタイルだ。


そのブラックな姿勢は今回は労を奏した。


まぁシゲさんは、根っからの技術やで、チエちゃんも元気そうだし今回の大失敗を今後につなげようとというところが落としどころかな。


今後のテストパイロットは全部俺がする。

そして今後のリクチュウの改造計画が再出発した。


「やっぱり史実通り、フレーム強度が足りなかったんじゃないか?」

「まずは、それにきりますよね、あとスロットルの感度が良すぎる。何とかしてそこもクリアしたい....」


チエは寂しそうに、それを横で聞いていた。


何となくだが、もうリクチュウには乗せてもらえないんだろうなぁ、と思っていた。


「それじゃ、予想通り買っていたパーツが役に立ちますね。フレーム強化が必要だったのはVシリーズ、ナデシコシリーズも同様、あとはあいつを載っければある程度スロットルの制御もしやすくなる」

「そうだな、じゃぁおっぱじめるか」


そう言って二人は、改造を始めた。

まずはリクチュウを元に戻し、黒い素材で、フレイム補強、装甲追加、フレイム補強、装甲追加と永遠と繰り返していた。


こんなに重くしたら、動かなくなっちゃうんじゃない?となぜ追加スラスターを付けないのかシゲさんに聞いたところ、ミノドラがついてりゃ、基本追加スラスターはいらないものらしい。

ただいまのフレイム補強、装甲追加、は趣味であるらしい。

そして、その機体は完成した。

ふたりは泣いていた。


「くぅぅ、エステがここまで補強が繰り返された、経緯を思い出すと毎回泣いちゃうんですよね」

「わかるぜ、トシヒコ、俺も何回あの劇場版を見たことが」

「ええーーーーー、かっこわるーーーい、しかもかわいくなーーーい、前の方がいい」

「「うるさい小娘ぇ!!、エステがどんな経緯でこの姿になったか教えてやる!!今夜は眠れるとおもうなぁ!!」」


ふたりのオタクに火をつけてしまった。


そこへ


「ぴこんぴこん」

「うんなんだ、また、こわれたかな?」

「仕事でしょ!!バシィィィン!!」


トシヒコはハリセンでたたかれて仕事モードになった。


「ええと、今回は久しぶりに宇宙戦だ、ロボや、戦闘機で暴走している。しかも母艦らしきものもないし。統率も取れていない、これじゃただの、宇宙の暴走族だ。警告はすでに出しているが従いやしない、どうやらみんなツーリングの休憩地として地球にでも寄ろうとしているんだろう。すでに三光年ラインは突破している、撃墜が許可されている。」


V1はすでにV2に換装済みである、しかしたまたま、船の中にいたシゲさんとチエちゃんを巻き込んでしまった。

しかしすでに撤退はできない。


「二人ともジヌニーの中に避難して」


ジヌニーはしっかり固定されていて、硬い車庫の中に入っている。

過保護エアバックもついているし、もしものときは脱出ポッドにもなる。


「それじゃ、いきますか!!」


敵の中に突っ込んでいくV2。

レールガンとミノドラキャノンで次々と賊を蹴散らしていく。


「うーん、今回はナノスキンスーツを、着ていないシゲさんがいるから、長期戦は出来ないしかしこの数は...」


一向に減った気がしない、一機一揆弱いくせに数が多すぎる。

3時間がたったころ、急にシゲさんが苦しみだした。


「シゲさん大丈夫?」

「いやぁなんてことはない、Gがきつくてな、しかしこれ以上戦闘が続けばやばいかもな」


わたしはジヌニーのモニターからリクチュウだったものを見た。


「シゲさん、あれの名前なんていうの?」

「あれは、トシヒコといろいろ考えて、ブラックローズにしたんだ。本編よりピンク色を増やしている」


本編てなんだろうと、思ったチエだが目に光が宿る。


それを察したシゲさんが


「嬢ちゃん止めときな、あれはテストもしてねぇ。しかも嬢ちゃんは前回ひどい目になったばかりだろう。」

「でもこのままじゃシゲさんが死んじゃう!!」


意志の強い眼光と、自分の孫くらいの少女に心配されて「キュン」ときたシゲさんはそれ以上止められなかった。


「ジヌニーくん、一回私を外に出して」

「大丈夫ですか、チエさん、今回の任務は簡単ではありません」

「大丈夫、すぐに戻ってくるわ!!」


ジヌニーは根負けして、車庫の後ろのシャッターを開け、バックハッチからチエを外に出した。

チエは磁石にした、ナノスキンスーツで、壁にくっつきながら、ブラックローズのコックピットに向かう。


そしてコックピットに搭乗した。


IFS触ろうとしたところ、吐き気がした、そして体が震えだし、怖いという感情に支配されてしまった。


「大丈夫ですか?私はあなたの支援コンピューター「パル」細かなスロットル制御に、火器慣性姿勢制御などは全て私がします。あなたは、速度のイメージと、移動方向のイメージだけしてください。」


支援コンピューター?これが、最後のシゲさんとトシヒコのスロットル対策である。


遊びがほとんどないスロットルを、支援コンピュータで補助するために買っといたパーツを取り付けたのだ。


そして、それ以外の副次的な効果として、話し相手ができたことで、PTSDの症状が出そうだったチエの精神的緩和剤となった。


「わかった、スピードと移動方向以外全部任せるは、それじゃブラックローズ発進!!」


ジヌニーの倉庫と、ジヌニー車内が密閉され酸素が注入されていることを確認したパルがハッチを開ける。

そこからブラックローズは発進した。


「うぐぅ.....と思ったほどつらくない、イメージ通りに飛べてる!!?」


そうチエがぼうっとしている間も、パルは両手のハンドガンで敵を打ち落としていた。


「ようし、これならいける、ディストーションフィールド全開、いけぇぇ!!」


リククウの時のスピードとは比べ物にならないほど、相手に突貫するチエちゃん。

サポートのパルは、ハンドガンで敵を打ちつつ、後ろから近づいた敵をテールバインドで切り裂いていた。


トシヒコは、何が起きていたのかわからなかった。


次々と敵をブラックローズで撃墜していくチエちゃん。

すでに、ステータスにスーパーエースパイロットの称号がつけられていた。


敵は残り2割までに減った。あとは後退して、待機して、そっとシゲさんを裸にして医療カプセルに入れて、コックピットに戻ったところ敵は全滅していた。


突貫娘---------------------------------


そしてまたしても、勲章の授与、スーパーエースパイロットという、俺が一番欲しかった称号を先に取られてしまった。そしてスーパー突貫娘という二つ名で、宇宙デカ内部でも名を轟かせた。


そして、そこから始まるいつものどや顔タイム。

縦横無尽にドヤ顔した後、とうとうブリッジしてドヤ顔をし始めた。


これはもう、大人の力をわからせてあげないと、手遅れになってしまうと思い、いろんないたずらを考え出したところ、


後ろからエリに捕まりブリーフにされて猿轡をされた。


していつものルーレットが出てきて、とうとうHDDの中身開示(今までの総量)ブラウザのお気に入り開示しか残っていなかった。


なんて残酷なルーレットだろう、まだブラウザのお気に入り開示の方が人権が残る、HDDの中身を開示されたら、俺は一生豚として扱われる。


そして残虐なショーが始まった。

楽しそうにルーレットを回すエリ。

そこへ楽しそうにスナイピングの腕を上げた、チエちゃんが狙い通りに的を撃ちぬく。

チエちゃんは、どうやら俺を一刻も早く豚にしたかったらしい。

俺は必死に叫んだ


「むぐぅぅぅぅ!!むぐぅぅぅぅ!!!!!(やめろーーーー!!いっそ殺してくれーーー!!)」


無情にもパソコンは起ち上げられ、HDDの中身をクリックされてしまう。


しかしここで空気を読んだエリが、さすがに18禁はチエちゃんに見せてはいけないと事前に調査しておいた、それが入っているフォルダは触らないようにしてあげた。

しかし、チエちゃんは真っ先にそれ以外のフォルダをうまいこと選んだ。


そこには「チエちゃん」と書かれたフォルダがあった。

中身を見ると、R、SR、SSRとフォルダが分かれている。


試しに、SSRのフォルダを確認してみると、自分のホシノルリのコスプレをして恥ずかしがってる姿や寝顔が大量に入っていた。


チエは無表情になり無の感情で、拘束されているろにーさんの前に立ち


「ビターーーン!!」

「ぶひぃぃ!!」


と、ろにーさんが叫んだ。

それさえも許せなかったチエちゃんは無のまま


「ビタン!!ビタン!!ビタン!!ビタン!!」x100万回


感情が回復するまで、ビンタを繰り返した。

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