宇宙デカトシヒコ!! スーパー突貫娘!!
スーパー突貫娘-------------------------------
「ひょっとしてミノフスキードライブとリククウって相性がいいんじゃねえか?」
リククウの宇宙仕様の案出しの時にふと、シゲさんが言った。
「あんなもの、機体に着けたら、誰も操縦できませんよ、13歳のスペシャルにしか操縦できません」
「いやぁそれなんだけどよぉ、リククウのいいところは機動性と、ディストーションフィールドと、その両方を使った、ディストーションアタックだろう?」
「だから、操縦できませんて、うちのチエちゃんにそんな危ないものには乗せられません」
「そこをようジャンク屋で投げ売りされてる、ミノドラからよぉ、わざとハズレの完成品を探すのよ。そうすれば、加速度も低くて、翼も出ねぇエンジンがみつかるかもしれねえよ?それをリククウに使えば、もう無敵の突貫機よ」
うーん、そんなにすぐにうまくいくものだろうか?一応宇宙デカは自分で装備を買うことを推奨している。申請すれば、微々たる補助金を出してくれる。
つまりブラック組織である。
「久しぶりに、宇宙デカの本部がある星に行って、ジャンク品を集めますか」
「なんの話ぃー?」
タイミング悪く突貫娘が部屋に入ってきた。
「いやぁお帰り嬢ちゃん、ちょうど今こいつと俺で、一回星に帰って、リククウの部品を買っこようって話になったんだ」
「星って、宇宙デカのある星!?絶対行きたい!!!」
シゲさんがあっさり教えてしまった。
シゲさんやしっかり責任取ってくださいよ。
宇宙デカ本部がある星---------------------
「うわぁぁぁすごおおおおい、クソピカピカしてて、チューブの中を、車が走ってる、まるで、みらーーーい、超みらーーーーーい!!」
チエちゃんははしゃいでいた。
相変わらず、言葉遣いに気になるところがあったが、それを注意するのはおねえさんの、仕事である。チエちゃんに嫌われたくない俺は一切注意しない。
ダメな大人というなら、通背拳をお見舞いしてやる。
「うん、グチャグチャなクレープみたいなやつは見た目のわりにうまい、こっちの宝石みたいなやつは、一瞬ゼリーかと思ったらわらび餅のような感触ね。わぁ色によって味が違うんだ、黄色はバナナかぁ、うんうまい」
さっそくチエちゃんは買い食いしていた。こんな他の惑星でいきなり買い食いをする胆力もすごい、しかし、体質に合わないとか考えないのだろうか?
まぁ一応ナノスキンスーツで人体に有害なものは、摂取させないように、スーツが取捨選択している。チエちゃんは俺と違い説明書をちゃんと読むタイプで、おれが、3年気が付かなかったこの機能をすでに使いこなしているんだろう。
「チエちゃんそんなに、お金使っちゃっていいの?お小遣いすぐなくなっちゃうよ?」
「うんそれは大丈夫、宇宙デカから、地元の協力者が業績あげると、すごいたくさんのお金がもらえるの!(口止め料も含めて)だから、ぶっちゃけもう人生3回遊んで暮らせるくらいのお金もらちゃった、てへっ」
今の「てへっ」はSSRクラスだったので、是非カメラで連射したかったが、それよりショックだったことがある。
こちとらただの平社員、サラリーしか貰っていない。
この、圧倒的な資産の差を見せつけられてこれから先の人生のアドバイスや、進路について、すべて何も言えなくなってしまった。
むしろ、チエちゃん俺をヒモにしてくれないかな。
ちょっと、宇宙デカを辞めたいと思った瞬間だった。
「それじゃ、早速、ジャンク屋行くか」
とシゲさん。
「そうですね、ひょっとしたら、一日で見つからないかもしれないし長期戦も考えるか」
「ええ、チエもうそんなに冬休み残ってないよ~」
「大丈夫、地球での一日は、こちらで50年だから、残りの冬休みが三日あれば150年は居られるよ」
「そんなにいたら、チエおばあちゃんになっちゃうよ....」
とりあえず、ジャンク屋がありそうな方へ向かう。
すると、だんだん治安が悪くなっていき、スラム街っぽくなってきた。
「お、シゲさんじゃねえか?久しぶりだな」
「よぉ、丸メガネ、儲かってるかい?
「ぼちぼちよ、で、今日はなにが目当てだい?」
「なに、ハズレのミノドラを探していてね」
「この辺で、格安で売り出されているハズレのミノドラしらねぇか?」
「いやぁ、あんな在庫を圧迫する推進機なんて、どこも安売りしているが、ハズレを見つけるのは、結構苦労するぞ。」
「とりあえず、うちのを見ていくかい?」
「ああそうさせてもらう、とりあえず店頭に飾られてあるものを見てみるか?」
それは、たくさんの傷や、ところどころに、穴が開いていて、それを巧妙に隠し、金ぴかの新品に見えるようになっちた。
シゲさんと俺は、顔を合わせる。
「「これ、テストさせてもらっていい」」
同時に声が出た。
計測の結果、このミノフスキードライブの出力は、平均の30%しかなかった。
「6回払いでお願いします。」
購入を速攻決めた。
その後、シゲさんと悪ノリで、エステならあれだろうと、ガンガン追加装甲や強化フレーム、マメ鉄砲などを買い漁った。
ただの、オタクの買い物だったが、二人ともリボ払いの沼にはまってしまっていた。
一通り買い食いが終わって、店の中で眠っていたチエちゃんの元にふたりは戻った。
「ふぁれ、お買い物終わったの?」
「ああ、終わったよ、一晩泊まって明日帰ろうか」
ホテルとレストランがある、方へ向かう。
そこに出来上がってる男が、レストランの外のテーブルでひとりはしゃいでいた。
「あれ、ブラックじゃねえか?」
「そういうお前は(勃起男)黄土色じゃねえか!?」
「飯がまだなら一緒に食おうぜ」
チエちゃん以外は、乗り気だったので、一緒に飯を食うことにした。
チエちゃんは、よく親戚にいる、酒を飲むと下品になるおじさんのような空気がして、黄土色のことが苦手だった。
「紺色の話、聞いたか?」
「いや、聞いていない、あの後どうなったんだ」
「まだ、カプセルの中だとよ、いやでも、あれはしかたがねえ、死んでもおかしくねえ精神攻撃だったからな」
「俺も、もしあれを自分が食らったらと思うと、身震いがするよ、紺色目をさますかな?」
「覚ますさ、それまで、待とう、そして起きたら、第一期生全員でぱっーとやろう」
「ああ、約束しよう」
そこで、黄土色が小声になる。
「お前、この後、宿で寝るだけなんだろう?どうだこの辺の夜の街は、質がたけえんだぞ。この後どうだい?まだ童貞なんだろう?まずはプロの方を卒業しよう」
「ご、ごく、そうだなおれも75歳の大人だし、そろそろいいころ合いかもな」
酒を飲んでいたトシヒコは、冷静さを失っていた。
そのやり取りをチエは見逃していなかった。
夜、ホテルの同室のチエとシゲさんを起こさないように部屋を抜け出した。
そして先にお店に着いた。
黄土色と俺はそわそわしながら、待合室で、待つ。
そして、先に黄土色が呼ばれた。
黄土色はウィンクをしつつ親指をたて
「グッドラック!」
と言って颯爽と案内に着いていった。
そして、とうとう僕の番が来た。
ドキドキしながら部屋に案内される。
そしてドアを開けた瞬間、目が点になってしまった。
そこには腕と足を組んで、ベットの端、座っているチエちゃんがいた。
案内人はは僕を部屋に押し込みドアを閉めた。
どうやらチップをもらっていたようだ。
そしてチエちゃんは、自分の下に来るように下を指さした。
顔は悪魔を超えて、無になっていた。
俺はチエちゃんの前まで行き、正座をした。
そして、チエちゃんは無言で
「ぱちーーん」
ビンタされた。俺は震え上がった。そしてチエちゃんはそのまま無言のまま。
「ぱちーーーーーーーん!!!」x100
お互い、ナノマシンスーツを着ていたことによる奇跡このまま朝までビンタされ続けるのではないかと恐怖で怯えていたところ。
チエちゃんは、ビンタを辞め、僕のシャツの首の後ろ側をつかみ、引きずってどこかへ、向かうようだった。
店を出るときチップを店員に渡して、そのまま、元のホテルに戻り違う部屋に放りこまれた。
そして無言で俺を寝かせて腕枕をさせて五秒で寝た。
「うごぉがぁあああああああ!!!!」
ものすごい勢いで寝ている、100回全力ビンタで疲れたのだろう俺はチエちゃんにそっと布団をかぶせて、寝顔を世界一頑丈なカメラで、連射してから寝た。
実験--------------------------
とりあえず、リククウの、リパルサーリフトと、ジェット推進機を外しハズレミノドラを載せた。
最早宇宙戦用装備として、ではなく、陸、空、宇宙の汎用エステになってしまった。
シゲさんが
「とりあえず、便宜上「リクチュウと呼ぶ」」
と言った。なんか性能のわりに可愛い名前になったな。
「早速テストを開始してみるか」
「チエちゃん、ちょっとスロットル開けるだけでいい、まずはゆっくりならしていこう」
「わ、わかったわ」
そして、チエちゃんは、そっとスロットルを開けた。
ただ、そのそっとが、普通のジェット推進ならほぼ、クリープ現象ぐらいだったのだろうがそこは、ハズレでもミノドラだった
リクチュウは3Gで急加速を始めた。
「チエちゃん、IFS手を放して、早く」
しかし、彼女には聞こえていない、その間もドンドン加速つづけていた。
「う、ぐぅ..」
通信機から痛々しいチエちゃんの声が聞こえる。
その次の瞬間
「バキィーーーーーン」
下半身と上半身が割れた、その後もどんどんパーツが壊れながら、リクチュウは加速し続ける
「と、とりあえず、重力波ビームは切った、すぐにエネルギーが切れて加速は止まるはずだ、でもまずいぞ、このままの速度でロストしたら、こんな広大な宇宙じゃ見つけようもねぇ」
「焦っている暇ないよ、シゲさん!!V2急加速」
慌てて座席に座るシゲさん。
く、ロストしてたまるか、こんなことで、こんな簡単なことでチエちゃんを失ってたまるか!!
しかし、リクチュウとの距離は縮まらない。
逆にロストの方向にレーダーが動いてしまっている。
く、こんなことなら、俺がテストパイロットやるんだった。
「えぇぇぇい、シゲさんすまん、内臓破裂は覚悟してくれ」
「えぇ、そこは肋骨骨折位まででゆるしてくんない」
俺はミノドライージーのパージボタンを押す。
V1に戻して、なるべくハンドルは触らずに目標を、リクチュウに設定してスロットルを開ける。
ナノスキンスーツを着ていないシゲさんは、すでに血を吐いていたが、すまん、今はチエちゃんだ!!!
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