宇宙デカトシヒコ!! SSP出動!!   沖縄編  2

チエちゃんは、目が点になった。


「チエちゃん、後はトシヒコを手伝ってやんな」


チエちゃんは何も言えず、ふよふよと、ろにーさんの援護に向かった。

ろにーさんも遠くから、状況を把握していたが、今は考えないようにした。

とりあえず、チエちゃんが援護に来ようとしている、しかしスロットルを開けられないチエちゃんでは、足手まといになってしまう。

ぶちゃけスロットルを開けられれば、このUFO戦では無双できる。

ふよふよ近づいてくるチエちゃんに、心を鬼にして言う。


「チエちゃん、他に何にも考えないで、ただ全速力で敵に突っ込むことだけを考えて」

「え、え、それ怖くない?チエ今日初出撃なんだよ!!頑張ったからもう帰っていいころだと思うよ!!」


たしかに帰してあげたい、でもぶっちゃけ撤退できる状態でもない。


「もし、怖いときは「ゲキガンフレアッ!!」って叫んでみて」

「え、それなんか恥ずかしい」

「いいから、はいっ!」

「ゲ...キ..ガン........フレア..」

「もっと、熱血を込めて」

「ああぁもう!!ゲキガンフレアーーーーーー!!!」


リククウの目が光った。

そして、ジェット推進機が唸りををあげる。


「どきゅーーーーーーーーーーーーーん!!」


リククウは、全開の速度で、めちゃくちゃに敵を撃墜する。


「うわぁぁぁ、とめてぇぇぇ!!」


チエちゃんは、マップ兵器並みの活躍をした後に、目を回して墜落した。


「さて、俺も働かなきゃな」


ほぼ、小型UFOは残っていなかったので、軽く撃墜して、母艦らしき戦艦にいつものように、突っ込んだ。


「相手は、人型だけじゃない、いろんなタイプの宇宙字がいるな」


とりあえず、ブリッジを目指す、途中戦闘員と戦闘になる。

ハンドガンのレールガンはいつものように、リロードが間に合わなくなった。

とりあえず背中のバックにしまった。


棍を有効に使えるほど通路が広くないので、今回は剣タイプの棒を装備する。申し訳程度に、持ち手に縦長でほっそい鍔がついていた。

左腕の甲のプレートから、持ち手のついてる棒を取り出し、左腕の甲から延長用の棒を取り出しボルトで軸を固定して、ナノマシンを注入して接着し、剣の間合いの棒を完成させる。


どかどか、戦闘員を叩きながら、ブリッジを目指す、ブリッジと思われる扉の前に、嫌な予感がする人影があった。


「また、ワンオフのパワードスーツか.....」


前回のことを反省して、なるべく冷静に相手を観察。

とりあえず前回のパワードスーツより装甲が薄く軽装、格闘戦が得意なタイプだろうか?

まぁ装甲が薄いといっても、量産化ナノスキンスーツなんかより、ずっと防御硬いんだけどね。


殴るとこちらの骨が折れるし。

様子見に、バックからハンドガンを出し、レールガンを撃ち込む。

避けられもせずに弾かれる、ちょっと泣きそうになった。

気まぐれにギリギリスタンガンも打ってみた。

ちょっとびくっとしたが、少し怒らせるだけの効果しかなかった。

とりあえず、一回得意な武器を取り出すために隙を作りたい。


俺は、レッグカバーを展開して予備の延長棒を2本取り出し

右と左、逆方向に思いっきり投げた。


敵は、手投げホーミングミサイルを警戒したのか少し左右を気にして

トシヒコへの注意を外へ追いやった。


その瞬間に、背中の棍が入ったラッグが左右に展開。


ちょうどカブトムシが、羽を広げるようになり、その先から

4本の棒が出ている、それを気づかれないように、一本一本そっと取り出してボルトで軸を合わせナノマシンを注入して棍の完成である。

この間わずか、0.05秒。毎日100回練習し続けた努力の結晶である。

実は、この棒類は、レールガンの弾丸より硬くできている。

拳が効かない分、宇宙デカの最終兵器でもある。


そして、相手がこっちを向いた。

急に棍を持っていたのでびっくりしたようだが脅威とはみなさなかったようだ。

じりじりと、お互い間合いを確認しつつ、戦闘が開始された。

まず相手のハイキックから攻撃が始まった、それを棍で受け脇腹にそのまま棍でカウンターを決める。そこで一歩下がった敵に、追撃で突きを入れた。


何とかノーダメージでファーストコンタクトを終え、息をつくと、相手は背中のバーニアを吹かし、突っ込んできた激しいラッシュが続くが、何とか棍でさばききる。

こちらも、なるべくラッシュに巻き込まれないように、二次元スラスターを併用してバックステップし続ける。


そして、相手がよろよろしてきた。

ここで、パワードスーツあるある。

どんなにパワードスーツが強力でも中に人がいる限り、スタミナ切れが起こる。

どうやら相手はチアノーゼになっているようである。

ゆっくり、近づき、相手のパワードスーツにそっと手を当てて


「通拝見!!」


相手のパワードスーツは粉々に砕けた。

練習して、成功率を21%まで上げたことが功を奏した。


「ん?」


どうやら中身の人は、女性だったようだ。

インナースーツが奇跡的に見えてはいけない部分だけを残し、破れていた、これは芸術点が高い。

トシヒコは周りを見渡しバッグから、「世界一頑丈なカメラ」と書かれたカメラを取り出して連射するのだった。

また、HDDが充実した瞬間だった。


ブリッジに侵入し、いつものように偉そうな人以外を、ギリギリスタンガンで眠らせて、司令官らしき男を逮捕し尋問した。


怪獣が暴走した原因を吐かせ、興奮剤とセットで鎮静剤も持ってきているということで、鎮静剤を怪獣に打ち込んだ

すると怪獣は、目が青色に戻り、大人しくなった。よく見ると愛らしい犬っぽかった。なんか巻き込まれてかわいそうだなと思った。


どうやらガイさんが近くで慰めている。

あの人に任せておけば大丈夫だろうという、なぞの信頼があった。

とりあえず尋問を続けて、上に誰がいるんだと聞いたところ、急に苦しみだし泡を口から出し死んでしまった。


「うーん、思ったより大きな組織なのか?3光年条約を、一瞬で破って接近してきたし...」


まぁとりあえず事件は解決、怪獣は、笑顔で再び地中へ潜っていった。祠も戻してあげた。


「ところで、ガイさん、どうして沖縄にいたんですか?」

「いや、なに、トシヒコのV2に相乗りさせてもらったのさ」


いや明らかに、艦内には反応が無かったけど、もしかして外?あの「ごとん」といったやつ?


「昔から乗り物は、天井に乗るのが好きでね」


何か、すごいことを言っている。

そして惚れ直した。


「ところで、どうしてチエちゃんはリククウ操縦できたの、まさかIFSの手術してないよね?さすがにそれは、ろにーさんでも怒っちゃうよ」

「ち、ちがうわよ、あの、その、実は最初のSSPが勲章をもらったときナノスキンスーツをもらったの。ずっと着ておきなさいって」


なるほど、だからリククウを操縦できたのか。


「でもどうして、今まで言わなかったの?」

「だって恥ずかしいし、これ使うとき全身黒タイツにして服脱がなきゃいけないし、か、体のラインだってでちゃうし....」


そういうことだったのか、じゃあしょうがないね。

そしてトシヒコは、前かがみになった。


「どうしたの?ろにーさん、急に前かがみになって」

「うーん、さっきの戦闘で腰痛めたみたい、ちょっと医療カプセルに入ってくる」

「う、うん、そう、一緒に行こうか?」

「うん、大丈夫、絶対大丈夫、むしろチエちゃんは絶対来ないで」


そして男は、前かがみのまま内股で歩き出す。



最後の漢のプライドにかけて......



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