宇宙デカトシヒコ!! SSP出動!!   沖縄編

SSP出動!!--------------------------------------


「SSP出動!!」


冬休みに入って暇を持て余した、急に叫び出した。


「寒いし、春くらいからの出動でいいんじゃない、怪獣や、魑魅魍魎だって冬眠してるよ」

「ぶぅー!ろにーさんは外に出たくないだけでしょ!!」


SSPという言葉が出る度に、ガイさんは、自分の部屋でブラウン管のテレビを観ながらピクピクしていた。

SSPという名前の怖い先輩でもいたのだろうか?


「ちなみに宿題は終わってるの?」

「ふふーん、同じ轍を踏まないよう、早めに済ましたのだ」


ドヤ顔をするチエちゃん、子供の成長は早いななどと感心していた。

でも縦横無尽にドヤ顔するのはやめて、前言を撤回したくなる。


「というわけで、家にいるより、おでかけした、ごほっごほっ、SSPの活動をしたいんだよね」


お出かけと言いかけたぞ、この小娘、しかし、確かに自分にも気分転換が必要かもしれない、あとチエちゃんと久しぶりにふたり旅をしたい。


「わかった、とりあえず各地の伝承を調べ、できるだけ温かくて雪がないところに行こう」

「なんなら、沖縄行く?」


チエちゃんが、少し贅沢なことを言い出した。

しかし、宇宙デカでの、チエちゃんの権限は大きいし

とどめに上目使いを使われた。抵抗などできるわけもなかった。

この子、自分の中にある悪魔を制御し始めている。

このさきいったいどうなるんだ?


「さてそれじゃ、沖縄の伝承を調べよう、沖縄のきれいな海を汚すとき汝を滅ぼす巨大なシーサーが現れるっと」


伝承というか、海をきれいにしましょうポスターだよね。

じゃぁ旅行確定ということで、さすがに今回はジヌニーでは無理だな。

V2に収納して沖縄まで運んでから使おう。

V2にジヌニーを収納しようと格納庫を開けたら、エステバリスが載っていた。

基地にはスペースがないから

V2の中の格納庫に詰め込んで整備していた。

まぁ置いていく場所もないし、このままいくか


「それじゃ、行くぜ相棒!!」

「おうよ、相棒!!」


そして、でこぼこのバディの旅が始まった。


「ゴトンっ」

「う、上に何か乗っかったような、鳥にでもあたったか?」


調べたところ、異常なし、まぁ気のせいか。

じゃぁ行くか。

V2を発進させた。


翌朝には、沖縄に着いた。

V2を上空に退避させ、早速ジヌニーに、乗り換えたところで、うつらうつらしていたチエちゃんが覚醒したようで


「朝マック!!朝マーーーーーーック!!」


朝マックコールが始まった。

このマク〇ナルドジャンキーは、朝から元気だ。

きっとマク〇ナルドには人を元気にする成分が入っているんだろう

ちょっと依存性が心配だが、まぁそんな食べ物はいくらでもあるのだ。

朝マックを食べ終わった後、早速ジヌニーに乗り込み、ナビ通りにジヌニーが走り出した、もちろん自動運転で


「今日もよろしくね、ジヌニーくん」

「よろしくお願いします、チエ様、必ず私が、無事に目的地に案内します」


おれは、口をぱくぱくさせてしまった。


「ジヌニーお前喋れたの?」

「.......」


無視された。


「わたしもジヌニーくんと最近喋れるようになったんだよ。でもろにーさんに東京迷宮突入の際に、大宮に置いて行かれたのがちょっとショックだったみたい。気が付いたら、事件現場からも、事務所からも離れた場所にいたし、コインパークに停められてたから自由に動けなかったし、迎えに行くのが遅かったから、ちょっと拗ねてるんだよ」

「じ、ジヌニーごめんよ、でもお前のナビがなきゃ俺は東京迷宮に突入できないんだ。俺には、お前が必要なんだ、だからジヌニーこれからもよろしくたのむ」

「マスター、私の事、もう捨てない?」

「捨てるもんか」

「じゃあ、マスター好き」


マシンと愛を語らい、沖縄の旅が始まった。


那覇市国際通り商店街に吐いた瞬間、チエちゃんは、タコライスと、サーターアンダギー2刀流という器用な、食べ方をマスターしていた。

さっき、朝マック食べたよね?

まぁ成長期だからいいか。

例えすこしぽっちゃりしたとしてもチエちゃんの可愛さは変わらないだろうし。


「むぐむぐむぐ」

「う、海を見に行きたいって、OKドライブといきますか。」


うーん、沖縄の海はきれいだなぁ、こうしてドライブしているだけでも心が癒される。


「マスター、目標地点が近づいてきました」

「目標ってなんだっけ?」

「伝承地の確認です」


そうだった。

とりあえず目的地周辺に、ジヌニーを降りて山道を歩き、祠らしきものを見つけた。

何か、書かれているようだが、何語なのか読めない、ナノスキンスーツのモニターを使っても解読不能だった。


「それは、「清らかな海を汚すとき汝を滅ぼす獣が現れる」とかいてあります」


なんか、ガイドさんっぽいお姉さんが急に話し出した。


「でも今の沖縄の海なら大丈夫でしょう、獣は安心して安らかに眠っています」


ちょっとサイコなのかな?と思いつつトリップしているお姉さんを置いて、これ以上情報はないだろうと、早々に調査を完了させた。


「よーし、仕事は終わった、大手を振って遊ぶぞチエちゃん!!」

「おーよ相棒!!まずは沖縄美ら海水族館だーー!!」


こうして観光地巡りが始まった。

夜になった、ビーチと直結している、ホテルに泊まった。

冬だからなのか、こんなホテルに安く泊まれるなんて、お得だなぁ、と思いつつ、海を眺めていた。


「うがぁぁぁぁ!!」


チエちゃんは、疲れたのか風呂に入った後、布団に横になって5秒で寝た。

あれだけはしゃいだんだ。よほど疲れていたんだろう。

そう思いつつ、寝顔をカメラで連射してから、俺も寝ることにした。

次の朝、のっそり起きて、ホテルのビュッフェで朝ごはんを食べる。

その後、頭を覚ますために、のっそりビーチを散歩した。

奇麗な海、波の音、なんて贅沢な時間なんだ。

ぼーっとしていたら急に大量のUFOが現れて、産業廃棄物を、大量に投棄し始めた。

同時に、ナノスキンスーツの制限が解除された。


海を守る獣------------------------------------------


とりあえず、V2に乗り込み、警告する


「こちら宇宙デカです、今すぐ、産業廃棄物を投棄するのを中止してください」

「この地球の表面は7割が、海なんだ、ゴミ捨て放題じゃないか!地球人にも、迷惑かからないだろう!」

「かからないわけないだろ!量によっては海面上昇、廃棄物に有害がなものがあったら、環境汚染も引き起こす、だから今すぐ停止してください」

「わるいねぇ、こちらは下働きでねぇ、交渉は上と行ってくれや」


上なんて、いるかどうかもわからんし、一機ぐらい生け捕りにして、情報を探るか。

こちらが戦闘態勢に入ったところ、


「このままじゃ、おもしろくねぇからな、ひとつサプライズを用意しといたぜ」


そして、UFOの一機から、昨日訪れた、祠のあたりに、赤く光った光弾が

放たれた。光弾は、祠に命中し、


「ごごごごごごご」

「な、なんだ?」


地下から、巨大なシーサーみたいな怪獣が現れた


「海を守るために目を覚ましたのか?いや違う、手当たり次第に暴れている!」


瞳が赤く血走っている、予想では、海を汚された時点で怪獣の登場条件は満たしていた。

本来海を守るはずだった怪獣が、先ほどの赤い光弾で、正気を失わされたのか。


「なんてむごいことを!」


しかし、最悪なことに巨大シーサーは、街の方に走りだした。

これで、敵は分断されて、両方に対応しなければ、いけなくなった。

正直めちゃくちゃピンチである。


「ろにーさん、エ〇テバリス陸空フレームでます!!」


ん、チエちゃんが急に変なことを叫び出した!


「チエちゃん何?急に中二病になっちゃったの?僕としてはチエちゃんには、もう少しゆっくり大人になってほしいよ!!」

「違うの、前、シゲさんにエステバリスの陸戦フレームを飛べるようにして、陸空フレームにしてもらったの!!長すぎるから、リククウって呼んで」

「え、そんなチエちゃん、改造してもらったのはいいけど、さすがに戦闘には....。しかもどうして動かせたの、まさかIFS手術を.....」

「そ、その辺は今はいいの!!私は、SSP代表だから、戦闘参加権を有しているの!!」


そうだったのか!?しかし、チエちゃんの声は震えている。

はっきりいって、戦わせたくなかったが、怪獣の進行を防ぐには、ロボットの方が適任かもしれない。


「チエちゃん、落ち着いて聞いて、無理に攻撃せずに周りを飛び回るだけでも十分に、足止めになるから、あと、格納庫にある白いボール持って行って」

「わかった、白いボールね」


「いい、無理だけはしちゃだめだよ!!」


「了解、リククウ、発進」


そしてリククウは、大きなジェット音とともに発進した

リククウは、陸戦フレームにV1からV2への換装で余った、リパルサーリフトとジェット推進機を

ポン付けした機体である

正直データがないので、二つの機能を両立させてどうなるかわからない、未知数な機体になった。

しかし、あの機体には、安心要素がある。強力な防御装備と、心強い必殺技がある。

チエちゃんが操縦を習熟すれば、大きな戦力になるだろう、あ、あれ、俺、いらなくね。

とりあえず、俺は、敵母艦らしい巨大UFO以外の相手をし始めた。

小型UFOにV2のレールガンを直撃させたところ、爆発四散した。

よし、今回の敵はレールガンが効く、勝てない相手じゃない。

その調子で、UFOを落としていったのだが、すぐにコックピット内のゲージが真っ赤になった、


「ええい、この早漏マシン、ミノフスキードライブキャノン!!」


キャノンが斉射され、直線状に居たUFOは殲滅された。

V2は、スペックダウンさせた分、「光の翼」、推力に変換できなかった、エネルギーを定期的に外に排出しなきゃいけない。

少しでもマシになればと、キャパシタを付けたものの、本当に少ししかマシにならなかった。

こうしてV2は早漏マシンと呼ばれるようになってしまった。


「しかし、敵が、多い。キリがない!」


ふと、チエちゃんの方を見てみると、ふよふよと、怪獣の周りに浮いていた。

どうやら、スロットルを開けるのは、まだ怖いようである。

しかも、ときどき、怪獣が放ってくる、火弾に直撃している。

しかし、ダメージは受けていない、ディストーションフィールドのおかげだ。

これが、チエちゃんにリククウを任せた、安心要素の一つである。

V2から照射される重力波ビームの出力をできるだけ強くしているので、怪獣の火弾ぐらいは防げるようになっている。

チエちゃんは、最初は、巨大怪獣には、巨大ロボットという考えで、ろにーさんのアドバイスをガン無視で、怪獣の正面に立ってみた。


「え、あれ、大きい....」


チエちゃんは、泣きそうになった。

リククウの全高は5~6m、しかし怪獣は全高は30m、全長50mはあった。


「は、はわわわ....」


チエちゃんはちびりりそうになった。

そこで、やっと、ろにーさんのアドバイスを思い出した。

(近くを、とびまわるだけでも十分に足止めになる)


「よし、それだけでも、やってみよう」


そして、ふわふわ浮かび上がり、現状に至る。

怪獣はリククウを気にしながら、火弾を打っている。

つまり足止めに成功しているのだ。それでもじわじわ街の方に近づいていく。


「チエちゃん、さっき言った、白い球を怪獣に投げ込んでみて!」

「わ、わかった、どっせぇぇぇぇい!!!」


白い球は、怪獣に当たった瞬間に、爆散して、白いねばねばしたネットになった。

以前の経験から、怪獣対策として、動きを鈍くする対策をとっていたのだ。

しかしずるずる怪獣は進んでいく、

リククウは着地してローラーダッシュを後退させながら縄を引っ張る。

ぶっちゃけ、質量差から無意味なんだけどね。


「お嬢さんここは任せてもらおうか!!」

「が、ガイさん!!?」


急に現れた、ガイさんにチエちゃんは驚愕した、しかもさらに


「どっせーーーいぃ!!!」


ガイさんは、人の身でありながら怪獣を投げ飛ばした。

怪獣は、ひっくり返り縄の影響で、動けなくなってしまった。

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