宇宙デカトシヒコ!! チエちゃんの夏休み(後半戦)

チエちゃんの夏休み(終盤)---------------------------------


前回のナデシコ事件は、全国に多大な被害をもたらした。

3日間の停電と通信障害の影響は、計り知れないものだった。

しかし、若者のスマホ離れには少し訳に立ったそうだしらんけど

宇宙デカトシヒコは、被害について詳細までは把握していなかった、宇宙デカ失格である。


あれから1週間、街は普段の様子を取り戻していた。


しかし、なぜかチエちゃんは潰れていた宿題が思ったより、進んでいなかった。

夜は暗くて宿題できないし、昼はエアコンが付かないので、暑すぎて宿題できない。

停電とネットが治った後、夏バテで宿題はできなかった。


カレンダーの〇印、夏祭りまでは残り三日、チエは追いつめられていた。

ここは背に腹は代えられない、ろにーさんに宿題を教えてもらうことにした。

ろにーさんは、お願いするとニコニコして承諾してくれた、何か裏があるのではないかと少し不安になった。

しかし、思いのほかトシヒコの家庭教師技術は高く、宿題もあっという間に終わった。


しかし、おかしい、ろにーさんがずっと優しい。まぁ害があるわけではないので放っておいた。


「そういえば、チエちゃん、この前の仕事でロボットを手にえれたんだ!見に来る?」

「え、いきたいいきたい!!」


疑念は、ロボットの前で砕け散った。

早速ジヌニーで、樹海基地へ向かった。


「うわぁ大きい!!小さいロボットかと思ったら、巨大ロボットだったのね。でもかっこいい!!」


巨大と言っても全高5~6mだから、一般的な巨大ロボットに比べたら小さい方なんだけどね。

いろんな方向から、駆け回ってエ〇テバリスを見たチエちゃんはご満悦だった。

うんうん、カッコいいよね、エ〇テバリス陸戦フレームアキト機。


「これ、乗っていいの?」

「いいよ、どうせどこ触っても動かないし」


足場台を元気よく上り、コックピットに入り、かるくブンドドをして遊んでいた。

一応モニターは、生きていたので、その景色を見るだけでも楽しかったようだ。

そして遊んでいるうちに、たまたま、右手がコックピットの右側にある水晶みたいなものに、手が触れた瞬間にモニターが反応した。


「あれ、ろにーさんはどこ触っても動かないって言ってたのに。確かに身体は、動かないけど、モニターは動くはね、とりあえずろにーさんのアホ面でも、アップしてみとこ」


相変わらず、あほそうで、ダメそうな顔をしているが、やさしい顔だった。

そして、あふれ出るロリコンオーラと童貞オーラが隠しきれていなかった。

ひとしきり遊んで、満足した後、エステバリスから降りてろにーさんと駐在署に戻った


チエちゃんの夏休み(ラスト)-------------------------


今日は、夏まつり当日、チエは気合を入れてお気に入りの浴衣に身を包んでいた。

しかし、その隣には、身近なライバルでおねえちゃんは、何は何とは言わないがすごかった。元アイドルのレナさんは、さすが本物、すべてのバランスが良く少し光を放っていた。人間にそんな器官ついてたっけと疑問に思った。そして最後に地球の女王、梅さんが登場した。これがオーラ力か、膝が地に着きそうになるが、ぎりぎり、耐える。このメンバーとろにーさんと夏祭りに行くことになった。


後エリさんも行くんだった。メンバーが女性メンバーが多いのではなく、レナさん、おねえちゃん、エリさんに、浮いた話が無く、しかもろにーさんには友達はいない、ハーレムはハーレムと簡単に行くけど、実は、こんな悲しいハーレムの実態があることもあるのだと、チエはまだ幼いながらも理解してしまった。


みんなが集合してから、夏休みに集合、語彙の少ないろにーさんは8割ほど同じ内容の浴衣への感想を全員に言って回った。

なんかナンパ師の様だが、ろにーさんはただの天然の様だ。

そして、されげなくろにーさんは、レナさんに近づいていき勇気を出し、何かを話しかけたようだ。

レナさんは、普通に話していたけど、ろにーさんのよくわからない。

ゲージが減っていき、顔色が悪くなり唇が紫色になっていった。


最後にはゲージ0になり、私のもとに戻ってきた。


「やっぱり、チエちゃんの近くは、安心するな」

「ろにーさんどうしたの?目的のレナさんからすぐに離れてきて」

「僕の美人の前にいられるゲージが、レナさんの前だと消費が激しくてね。あと十秒離れるのが、遅かったら死ぬところだった」


本物の童貞がそこにいた。

しかし、近くにいると安心すると言われたチエはまんざらでもなかった。

人間見た目だけではない、ふふふ、あの脂肪の塊なんて関係ないのよ。

そうこうしているうちに、みんなとはぐれた。


お約束である。


ダメージからやっと回復したろにーさんはチエちゃんに


「花火大会の時間、まだ間に合いそうだね」


なんかいい感じに空いてるところをV2から探してもらい自然に手を繋いで、歩き出した。


「花火大会なんで、小学生ぐらいぶりだよ、中学以降はわけあって、あんまり外に遊びに行かなくなったからね」


中学生時代のろにーさんに何があったのか心配しつつ目的地を目指す。


どどーーーん!!!


花火大会が始まった。

花火に圧倒されてしばらく呆然としていた。

そしてしばらく花火をぼーと見つめていたところそのっ間隙に


「また、来年もこれるといいな」


と、ろにーさんは、つぶやいた。

ろにーさんのことだから、特に何も考えずの発言だけだと思うが何となく胸に響いた。


おねえさんと、エリと、レナさんは、花火が終わった後喧噪から離れて、静かに話していた。

宇宙デカと、それに憧れる少女か、普段は笑って見守っていたがそこにいる者たちは、少し暗かった。

なにせ、宇宙デカの仕事は思ったより過酷なものだった。

当初は田舎惑星と舐めていた、エリだが、短時間での事件が多すぎる。

以前は、100年に一回あるかだったのに宇宙デカトシヒコが無事でいられる可能性は低くなってきている。

上層部は、増員を考えていない。


チエとトシヒコが仲良くなるたびに、幼い少女の心に傷が残ってしまうことが怖かった。。


それから2ヶ月後


チエちゃんの妙に優しすぎて気持ち悪かったろにーさんの違和感の正体がわかった。

たらふくのビックマックと、必死過ぎるろにーさんの土下座に、渋々その服を着た。

テレビアニメ「機動戦艦ナデ〇コ」のホシノルリの制服(TV版を)の衣装らしい。


「チエちゃん、こっち、こっち見て」


カメラを連射するろにーさん


「いいよ、ちえちゃん、次はこのポーズで行こうか」


どこから持ってきたのかわからない、高そうなカメラで、チエを連射していた


「次はこう、前から後ろに振り向くように」

「ろにーさん、さすがに、もうドン引きなんだけど」


すっかり顔が真っ赤になったチエちゃんが抗議するが、ろにーさんはトリップしていた


「チエちゃん、最後にこのセリフ言ってみて、「ばかばっか」」

「バーカ!!!バーーーーカ!!!!」

「違う、そうじゃない、それはろにーさんを傷つけるためだけの悪口!地味に傷つくから、はいそれじゃ「ばか、ばっか」」

「バーカ!!!バーーーーカ!!!!バーーーーーーーカ!!!!!!!」


ろにーさんは、馬鹿と言われて、少し傷ついたと泣いていたがカメラの連射は止めなかった。

「HDDの中身が充実した」とボソッと言っていた。


そして、チエのろにーさんに対する好感度は、ハート1個分下がった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る